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「中世の大学」の教育方法から現代を考えてみる

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昨日、大学について書きましたので、今回も少し昔の大学について書いていきたいと思います。今回は具体的にどんな教育がなされていたのかということについて書いてみたいと思います。

今回の参考文献は「大学の歴史」です。今回は中世の大学で行われていた「スコラ学」という学問・教育スタイルについて見ていきましょう。

大学の歴史 (文庫クセジュ)
クリストフ シャルル ジャック ヴェルジェ
白水社
売り上げランキング: 306973

この本ではスコラ学の特徴として、4つのポイントが示されています(p42〜46)。これをすごくざっくりまとめるとこんなかんじです。

1.原典
教育は数少ない「原典」にもとづいていて行われていた。原典とは知識の基礎となる一般原理が書かれているとされているす。例えば、論理学と哲学はアリストテレス、神学は聖書といったかんじ。これらを教科書として使用していた。

2.講読と討論
教育方法は「講読」と「討論」の2つが中心。講読はテキストを正確に読むことと、問いなどを考えるより踏み込んだ読解をすることの2つがある。「討論」では、テクストを丹念に読みながら「問い」を見つけて、教師の指導のもと、聴衆の前で学生が議論をする。

3.学位
試験と学位授与というシステムができた。これは当時の教会とは異なるシステムだった。学位が交付され、これは学生たちの知的能力を保証するものとなった

4.書き言葉と口頭表現
大学の教育は基本的に「口述」。教師は講読内容を書き取らせてはだめで、当時の学生はノートを取らずに教師の説明をおいかけていた。ちなみに、この当時は書物が高く、個人で所有するというわけにはいかなかった。

いかがでしょうか。「原典」をベースに、それをしっかり読む。そして、その知識をもとに議論を行うというのであれば、いまも似たようなことがやられていますよね。ちなみにスコラ学に対する批判としては、「古代からの学知の分類がそのまま採用されていること」や「討論は意味のない饒舌を助長している」などといったものがあったようです。これらの批判や時代の流れから、徐々に「ゼミナール」という方法が注目されていくことになります。

当たり前ですが、大学で「どのような科目を取り扱うのか」「どういう方法で学ぶのか」ということは時代によって異なります。その方法とは「大学とは何か」ということと密接に関係しますし、「大学と社会の関係」をあらわしたものでもあります。

現代の大学においても、さまざまな新しい教育方法の検討がなされていますが、それも実は「大学とは何か」「大学と社会の関係はどのようなものか」を前提にしているので、そのあたりをあらためてしっかり考えるのも面白いですよね。

また、当時は「口述」がメインであったという話がありますが、印刷術などの発展と大学の価値や教育方法の変化は切り離して考えることができないというのもポイントですよね。このあたりは吉見先生の「大学とは何か」に詳しく書いてあったと思います。

現代においても「書籍」ということだけをみてもこれから一層電子化は進むでしょうし、「オープン・エデュケーション」といわれるようにウェブがあれば教材も講義も見ることができるという状況が生まれてきています。こうした環境の変化が大学時代のあり方に影響を与えることは間違いないでしょう。

このように少し歴史などを振り返りながら現在の大学教育について考えてみると、少し大きな視点で考えることができますよね。大きな視点を持ちながら、具体的な教育方法を提案できるようにがんばりたいなとあらためて思いました。
具体的な学び方などについては、これまでも記事を書きためてきたので、大きな視点の方を少しずつ書いていければと思います。

レポート・研究の進め方のアドバイス集
https://www.tate-lab.net/mt/report-writing.html
大学の歴史シリーズ、もう少し続けるかもしれません(笑)

■参考リンク
・2007年度 第2回:オープンエデュケーションが切り開く未来 教育におけるオープン・イノベーション
http://www.beatiii.jp/seminar/031.html
・無料で学べる「オープンエデュケーション」がもたらす人材革命?ウェブで教育の機会が世界に開かれる意味:飯吉透×石倉洋子?
http://www.academyhills.com/note/opinion/12080201OpenEducation.html

■関連する文献

大学の歴史 (文庫クセジュ)
クリストフ シャルル ジャック ヴェルジェ
白水社
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大学とは何か (岩波新書)

大学とは何か (岩波新書)

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吉見 俊哉
岩波書店
売り上げランキング: 40790
ウェブで学ぶ ――オープンエデュケーションと知の革命 (ちくま新書)
梅田望夫 飯吉透
筑摩書房
売り上げランキング: 95790

「こんなもんでよかっぺ」という気持ちで文章を書いていないか?:「街場の文体論」を読んだ

内田樹先生の「街場の文体論」を読みました。この本は内田先生が「クリエイティブ・ライティング」という授業で話したことをもとに書かれている本です。全部で第14講分収録されています。

街場の文体論
街場の文体論

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内田樹
ミシマ社
売り上げランキング: 587
テーマは「書くこと」なんですが、細かいテクニック論ではなく、むしろ「書くこととはいかなることか?」という本質について書かれた本といえると思います。
第1講のタイトルは「言葉にとって愛とは何か?」というテーマなのですが、いきなりめちゃめちゃ響きます。響いた箇所を引用させていただきます(p.17)。
数十年にわたり賢愚とりまぜ腐るほどさまざまな文章を読み、また自分も大量の文章を書いてきた結果、僕は「書く」ということの本質は「読み手に対する敬意」に帰着するという結論に達しました。それは実践的に言うと、「情意を尽くして語る」ということになります。
第1講では「読み手に対する敬意」「読み手に対する愛」という言葉が頻繁に出てきます。つまり、いかに読み手に対して敬意や愛を持つかということが、よい文章を書くためのポイントになるということですね。
一方、「読み手に対する敬意のない文章」というのは例えば「こんなこと書くと喜ぶんだろ」という態度で書く文章です。内田先生は「読者を見下した態度」と表現しています。こうした態度で文章をかかざるを得ない場面もあることは内田先生も認めているものの、得られるものは少ないと書いています。
タイトルにも入れましたが「こんなもんでよかっぺイズム」というのは椎名誠さんの言葉で「合格最低ラインぎりぎりの仕事しかしない態度のこと」だそうです。「だいたいこれくらい書いておけば合格点もらえるでしょ」という態度は一度はまると抜け出せません。これを超えてくることが大事という話でした。
僕は「書くこと」について研究も、実践もしていますが、このあたりの話はかなり響きました。
自分自身が書くときについても「本当に読み手に対して敬意をもっているのか?」を問い直しましたし、書き方について教えるときにも「こんなこと書けば合格点もらえます」的な教え方になっていないかなということを思いました。
「こんなもんでよかっぺ」という気持ちで文章を書いていないか?
これは文章を書くときにいつも問い直したい言葉だなと思いました。
「書くことの本質」ってなんなんだろう?ということに興味がある人にはぜひともおすすめしたい一冊です。
街場の文体論
街場の文体論

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内田樹
ミシマ社
売り上げランキング: 587

【書評】情報科学のパイオニアたちの足跡をたどる旅 -デジタル・ナルシス(西垣通)を読んだ-

デジタル・ナルシス―情報科学パイオニアたちの欲望 (岩波現代文庫)
西垣 通
岩波書店
売り上げランキング: 349296

この本は、バベッジ、ノイマン、チューリング、シャノン、ウィーナー、ベイトソンといった、情報科学に関するパイオニアたちについて書かれた本です。

情報科学に関する話は本当は非常に難解な内容だと思うのですが、本書はそれぞれの学者たちの人生を描きながら、情報科学の思想の流れを追っていくので、かなりわかりやすくなっていると思います。

理論を抽象的に解説していくのではなく、それぞれの学者の人間としての部分に注目しながら書かれていくので、読み物として思わず熱中してしまう内容でした。

元々この本は、所属している研究室の夏合宿で、ベイトソンに関する発表をしたのでそのときに読みました。そのときには図書館で借りて読んだのですが、はまってしまい、結局買いました(笑)

ベイトソンの本を読んでもわからないことが、この本の記述を読むことで、すっと腑に落ちてきました。

ひとつポイントになったところを引用してみようと思います。

p140 引用 ——————————————————–

ベイトソンのエピステモロジーとはいったい何か?

説明を始めると長くなるが、肝心な点は、それが一種の「新しい科学」だということだ。

ベイトソンはみずからの科学を、従来の「プレロマの科学」から峻別して「クレアトゥラの科学」と称する。

<プレロマ(生なきもの)>と<クレアトゥラ(生あるもの)>とはユングの用語で、前者は力や衝撃が支配する物理的領域、後者は対比や差異が支配する情報的・関係的領域にそれぞれ対応する。

たとえば一人の人物を認識するとしよう。その「物理的リアリティ」を実験室のなかで生化学的に分析するのはプレロマの科学である。一方、その人物の「人となり」を知るためには、当人と他の人々との関係やコミュニケーションを社会的・文化的コンテクストのなかで分析しなければならない。
これはクレアトゥラの科学ということになる。

クレアトゥラの科学においては、質量や速度といった<量>ではなく、<パターン><メッセージ><コンテクスト>などが基本コンセプトになる。

—————————————————————-

これは非常に腑に落ちる説明でした。

ベイトソンは、人類学から精神病理学、動物のコミュニケーションなどなど非常にいろいろなジャンルで活躍した人です。一番聞いたことのある理論は「ダブルバインド理論」でしょうか。

このように一見かなり幅広く研究しているので、まとめるのが非常に難しかったのですが、この文章を読むことでかなり腑に落ちました。

<パターン><メッセージ><コンテクスト>というところがまさにですね。

この本は情報科学をめぐるパイオニアたちが何を考え、どのような変遷をたどったのかについて知りたい方におすすめの一冊だと思います。

あらためて「基礎情報学」を読み直したいと思いました。また読んだら書評を書こうと思います。

夏合宿の記事はこちらです。ベイトソンについて発表しました。

教育・学習に関する古典を読みまくる! -研究室の夏合宿2011が終わった
https://www.tate-lab.net/mt/2011/10/summer2011.html

ダブル・バインドについてはこの説明などがわかりやすいように思いました。

心理学からみた教育の隠れた次元(隠れた次元とは?)
http://www.manabi.pref.aichi.jp/general/02010496/0/kouza6/section6.htm

基礎情報学―生命から社会へ
西垣 通
NTT出版
売り上げランキング: 69862
続 基礎情報学―「生命的組織」のために
西垣 通
エヌティティ出版
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【書評】「1ランク上の自分」に取り憑かれたあなたへ -疲れすぎて眠れぬ夜のために(内田樹)

疲れすぎて眠れぬ夜のために (角川文庫)
内田 樹
角川書店
売り上げランキング: 1883

神戸女学院大学の名誉教授である内田樹先生の「生き方論・幸福論」に関する本です。内田先生の本はこれまでいろいろ読みましたが、この本はたまたま書店で見つけたのでふらっと買ってみました。

この本は「ちょっとがんばりすぎちゃう人」におすすめの本のように思います。

内田先生らしいなと思うのは「気休めのやさしいことば」をかけてくれるというよりも、「あなたが前提にしているその価値観おかしくないですか?」というのをそっと問いかけてくれるような仕上がりになっているところかなと思います。哲学的な本ともいえるかもしれません。

いいなと思った部分を引用してみます。

引用(p14)————-

人間というのは、強いけれど、弱い。がんばれるけれど、がんばればその分だけ疲れる。無理して先払いしたエネルギーは、必ず後で帳尻を合わせるために回収される。この当たり前のことを分かっていない人が多すぎると思います。

疲れたら、正直「ああ、へばった」と言って、手を抜くと言うことは、生きるためにはとてもたいせつなのです。疲れるのは健全であることの徴です。病気になるのは生きている証拠です。飽きるのは活動的であることのあかしです。

でも、「1ランク上の自分」に取り憑かれた人は、身体や精神が悲鳴をあげるまで痛んでも、なかなか休みません。疲れて立ち止まると、そういう自分を責めます。

それは自分の身体に対しても、精神力に対しても、酷ですよ。

向上心は確かにある方がいい。でもありすぎてはいけない。

————-

この本の中で、内田先生は「若い人の可能性は無限であり有限である」といいます。そして、無限の可能性のために、有限であることを知りなさいといいます。

引用した部分にあるように、無理すれば体は壊れてしまうわけですね。そういう有限の世界の中に生きていることを知ることで、自分の無限の可能性を伸ばすことができるという話だと思います。

自分の周りだけかもしれませんが「ふまじめで困る」という人とはあまり会わないような気がします。それよりも「まじめすぎて休めない人」のほうがよっぽど多く会います。そんな人に読んでもらいたい本だなと思います。

いろいろな本を読んで気づいたのですが、結局充実した人生を送るためには「自分自身を大事にする」ということが共通する点かなと思います。

「自分のことが嫌い」とか「自分自身に対する大きな不全感」というのは、一見モチベーションにつながるように見えて、なにをやっても充足感が得られないようなかんじがしています。

充足感を得るためには、自分自身を好きになったり、自分の中の可能性の芽に対して、あたたかく水をやって育てる必要があるように思います。

イメージ的には「不全感のスパイラル」ではなく「充足感のスパイラル」が大事なのではないかと思っています。ちゃんと説明できているかあやしいですが僕の持っているイメージはこんなかんじです。

不全感のスパイラル

  • 他の人に比べて自分のここが足りない
  • 足りない自分が嫌い
  • 嫌いだから埋めようとがんばる
  • 埋めきれない もしくは 埋めたところで他の足りないところに気づいてしまう
  • また埋めようと努力する

充足感のスパイラル

  • なにか新しいことをやりたいと思う
  • 少しだけ上手になる
  • 上手になった自分を少し好きになる
  • 上手になったのでもう少し上手になりたいと思う
  • 上手になったので満足感をえる
  • もう少し上手になりたいと思う

ということで、僕もこういうことを意識しながら、充足感のスパイラルをまわしていきたいなと思います!

ひとりでは生きられないのも芸のうち (文春文庫)
内田 樹
文藝春秋
売り上げランキング: 11449

【本日発売】僕も登場!「知がめぐり、人がつながる場のデザイン」(中原 淳)発売!

本日、私の指導教員である中原淳先生の本が発売されました!タイトルは「知がめぐり、人がつながる場のデザイン-働く大人が学び続ける”ラーニングバー”というしくみ」です。英治出版さんから発売です。

(※店頭に並んでいるかなと思って、池袋のジュンク堂に行ったのですが、こちらでは明日店頭に並ぶとのことでした)

実は僕も本の中でちょくちょく登場します(笑)

一番ちゃんとでてくるのは以下の部分です。

第六章 他者の目から見たラーニングバー 対談1(p192-204
・ラーニングバーとの関わり
・ラーニングバーの真逆をいく
・完成形を壊せるか

今回の本のテーマである「ラーニングバー」というイベントについて、学生の立場から先生と対談させていただきました。

この他にも、よーくみると、「舘野泰一さん」「舘野さん」として文中にでてきたり、僕の写真が出ていたりしています(笑)探してみて下さいませ!

この本は、先生いわく、「新しい価値を生み出す「しかけ手」たる”プロデューサー”たち」へ向けて書かれた本です。勉強会レベルから、大きなイベントまで、「何かを生み出す場」に興味がある人におすすめできる本だと思います。

本の中には、

・どのような場をつくっているか
・何を考えて場をデザインしているのか
・そもそもどうしてこのような場を作ろうと思ったのか

などが書かれています。

ラーニングバーって何よ?という方は、こちらのムービーをどうぞ!ラーニングバーの紹介ムービーです。これまた僕もちょっとでています(笑)

本の中で、僕がワークショップ部として去年実施した「サードプレイスコレクション2010」がでてきますが、そのイベントの紹介ムービーはこちらとなっています。

僕はラーニングバーについては、本当に一番最初から知っていますし、先生に直接インタビューをして、その内容をメールマガジンとして発行したこともありました。しかし、このようにまとめて先生の考えを読むような機会はなかったので、僕自身もいろいろとあらためて学ぶことが多かった本といえます。

出来ることなら、将来僕も「場を作る」ということに関して、こういった本を書いてみたいなと思ったのでした(笑)

ということで、もしよければ書店で手に取ってみてくださいませ!

【書評】学校を外から支えるコミュニティの力 -「カタリバ」という授業

先日「「カタリバ」という授業」という本をご献本いただきました!この本は個人的にとても読みたいと思っていた本でした!

本書は「カタリバ」というNPO法人の活動について紹介している本です。活動内容を本書から引用してみます。

カタリバは主に高校生に向けたコミュニケーションのプログラムを実施している団体だ。カタリバでは、親でも教師でもない、本人にとって利害関係の薄い第三者との関わりと”ナナメの関係”と呼んでいる。高校生向けのプログラムを企画・運営するのは彼らと”ナナメの関係”にある大学生だ。驚かされるのはこれらの大学生がすべてボランティアで参加している、ということだ。

カタリバでは、ナナメの関係ということを重視し、高校生を「かえる」というわけではなく、自分自身と向きあうきっかけをつくることを目的としているようです。現在カタリバのボランティア登録をしている大学生はなんと4000人を超えるとのこと。これはすごい数字ですね。

この活動にはとても共感することが多かったです。「そうそう、たしかにそういうことって大事だよね!」というかんじがとてもしましたし、僕が大学生の時にこの活動を知っていたら、参加したいかもなとすら思いました(笑)

共感ポイントはいろいろあるのですが、そのひとつに「学校を外から支える」という点があります。

本書で該当するのは、具体的には以下の部分です。

以前から教育の現場を訪れる機会はあったが、この教育実習で「学校教育だけですべてが行えるわけではない」という思いは確信になった。
「今の教育に足りない機能を担う存在として、学校環境に関わっていこう」
就職にあたって竹野がだした結論はそうしたものだった。

この部分は非常に共感しました。

私も大学時代は教育学科におり、教員免許を取り、教育実習もしました。教育実習自体も楽しかったし、教育や学習に関わることはとても好きです。しかし、最終的に大学院を選んだのは、学校の「外」から教育に関わりたいという思いがあったからのように思います。この本を読んで、そうした自分の中にある思いみたいなものを再確認することができました。

この本を読んで、自分のことを振り返ってみると、僕自身が大事にしていたコンセプトが、ある意味うまく言語化されているなあと思いました。

・「ナナメの関係」を大事にする
・学校を外からサポートする

といった点は、自分が大学生のときから漠然と自分の中で考えていた大きなテーマであるように思います。こうしたコンセプトを持ちつつ、しっかり組織として運営できているということは本当にすばらしいなと思いました。

しかし、それと同時に、「自分はこれからなにをやろうかな?」とも思いました。カタリバの活動は面白い。だけど、これをすでにやっている人がいるのであれば、自分は他のことをやるべきだろう、ということです。

今回の本の中でまだ言語化されていないけど、自分の中で大事にしている他のコンセプトはなんだろうか?

そんなことを考える一冊でした。

教育に関わっている人にとっては、非常に面白く読める本だと思いますし、なにか新しいことにチャレンジしたいと思っている人にとっても背中を押されるような本じゃないかなと思います。

■参考URL

カタリバのWebサイトです。

NPOカタリバ キッカケうまれる、ナナメの関係 | KATARIBA
http://www.katariba.net/

Tue, Nov 09の舘野のツイート

  • 10:14  メンタリングの起源は、オデュッセイアの登場人物である「メントール」さんからきているという説がある。 #nakaharalab
  • 08:41  RT @nakaharajun: 研究デザインの際には、1)自分自身が見たいもの(知りたいもの)と、2)社会の人々がぜひ見て欲しい(知りたい)と思っていることと、3)先行研究を概観してまだ誰もやっていないこと、の「3方向」から「オリジナリティ」を見つけてみるとよいかもです。
  • 06:51  @madoka1122 コメントありがとうございます!レポートの書き方の本ですと、自分の問いを立てるために、先行研究を批判的に読んだり、自分の問いをマップ形式でまとめる方法などが紹介されています!そもそも問いを立てるための技法自体をそもそも知らないということもあるかなと思います!  [in reply to madoka1122]
  • 05:07  RT @ihayato: ブログ更新。ふとこんなことを思ったので書き留めます。 「知らない」のではなく「知らされてない」だけ。ソーシャルウェブが実現する受動的情報摂取 http://bit.ly/bT3g6T
  • 05:07  このチャリは安いし、安いわりになかなかよいですよー!RT @yohei917: @3keys_takae この折りたたみ自転車はよいらしいよ。http://amzn.to/algWNt @tatthiy 情報。


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【まとめ】tate-lab経由で売れている本まとめ(2010年9月+10月編)

7月から僕のblog経由で売れた本のランキングやりはじめたんですが、9月編をやるの忘れてたんで、今回は9月と10月をまとめて紹介です(笑)

一応基本的なことを説明すると、僕はアマゾンのアフィリエイトというサービスを使っているので、僕のブログ経由で「どんな本が売れたのか?」というのがわかるのです。(もちろん「だれが買ったのか」かはわかりませんのでご心配なく)紹介した本が売れると、だいたい3パーセントくらいが自分に入ってくるという仕組みになっています。まあ1冊売れて数十円ですね。

アフィリエイトは全然もうからないのですが「自分が紹介した本をだれかが買っている!」というモチベーションにはつながって楽しいんですよね。あとは僕のブログでどんなことが期待されているのかもなんとなくわかるので、一つのフィードバックとして機能しています。

さて、能書きが長くなりました。

それでは9月・10月で僕のブログ経由で売れた本のランキングを以下で紹介します。ただ、毎回書いているとおり、僕のブログではそんなに売り上げがあるわけではないので、広く浅く売れており、単純にランキングにすると「同率だらけ」になります。

ということで、うちのblogでは純粋にランキングというのではなく、売れた本をカテゴリに分けた上で、売れた順番に軽くご紹介できればと思います!

(つまり、今回紹介する本は、どれも最低1冊以上は売れた本になります。今回紹介していなくても売れている本はありますが、主要カテゴリのものだけ紹介しています)

今回売れたカテゴリは以下のようなかんじでした!

  • 文章執筆に関する本
  • サードプレイスに関する本
  • ワークショップに関する本
  • 学習理論、高等教育に関する本
  • 企業の学びに関する本
  • 質問紙の作り方等に関する本
  • その他

二ヶ月一気にまとめたのでいつもより少しカテゴリが増えましたね。
以下詳細をご紹介です!

■文章執筆に関する本

7月・8月に引き続きですが、やっぱり河野哲也さんの「レポート・論文の書き方入門」は売れてますね。たしかにこちらの本は「安くて薄いのに、中身は濃い」ので売れると思います。

たまに思うんですが「大学生を対象にした学び方解説本」は、その本自体が分厚かったり、細かい字でたくさん書かれていたら読まれないと思うんですよね(笑)だからといって中身が薄かったら買う意味ないんですが、この本はすごくバランスがいいように思います。

レポート・論文の書き方入門
河野 哲也
慶應義塾大学出版会
売り上げランキング: 1183

■サードプレイスに関する本

9月と10月はサードプレイスに関する本がやたらと売れました。サードプレイスをあえてシンプルに言うのであれば、「家庭でもない、職場でもない、第三の場所」といえると思います。このサードプレイスを「憩いの場ではなく、学びの場として捉えよう」ということで、今年の1月にサードプレイスコレクション2010というイベントをやりました。そろそろ一年か、懐かしい。

この過程でいろいろ関連した記事を書いたわけなのですが、継続してアクセスが続いているようです。

The Great Good Place: Cafes, Coffee Shops, Bookstores, Bars, Hair Salons, and Other Hangouts at the Heart of a Community
Ray Oldenburg Ray Oldenburg Ph.D.
Da Capo Press
売り上げランキング: 32724
ダイアローグ 対話する組織
中原 淳 長岡 健
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 41815
都市のドラマトゥルギー (河出文庫)
吉見 俊哉
河出書房新社
売り上げランキング: 30559

■ワークショップに関する本

ワークショップに関する本は、以下の2冊が売れました。こちらも毎月売れている本ですね。コンスタントに売れています。中西さんによるワークショップ本と、東京大学のi.schoolの実践をまとめた本ですね。

ワークショップ―偶然をデザインする技術
中西 紹一 松田 朋春 紫牟田 伸子 宮脇 靖典
宣伝会議
売り上げランキング: 223421
東大式 世界を変えるイノベーションのつくりかた
東京大学i.school
早川書房
売り上げランキング: 39280

■学習理論、高等教育に関する本

このカテゴリで売れた本は、けっこう目新しいようなかんじがします。おそらく、「研究室の夏合宿で理論家の本を読む」という記事を書いたりしたからでしょうかね。生涯学習理論の方は、いま中原研究室で読んでいる英語文献の内容を補足するものとしておすすめということをTwitterでつぶやいたからでしょうか。高等教育の本については、以前このブログで紹介したからでしょう。

「学び」の認知科学事典
大修館書店
売り上げランキング: 68442
大学教員のための授業方法とデザイン (高等教育シリーズ)
玉川大学出版部
売り上げランキング: 29873

教育・学習に関する「偉大なる理論家」たちを知る旅 – 研究室の合宿準備中 – tate-lab – 教育・学習について研究する院生のblog
https://www.tate-lab.net/mt/2010/09/2010summer-lab.html

■企業の学びに関する本

こちらはおそらくケーススタディをやっていたらでしょうね。「人を助けるとはどういうことか」はよい本ですよね。シャイン先生の本ですね。

企業内研修にすぐ使えるケーススタディ
ケーススタディ研究チーム
日本経団連出版
売り上げランキング: 7248
人を助けるとはどういうことか 本当の「協力関係」をつくる7つの原則
エドガー・H・シャイン
英治出版
売り上げランキング: 3824

■質問紙の作り方等に関する本

こちらも新しいカテゴリのような気がします。いま研究室で調査のプロジェクトをやっているのですが、そのプロジェクトに関連したツイートをTwitterでつぶやいたからだと思われます。売れている本はどれも入門書としてよい本と思います。

心理学研究法入門―調査・実験から実践まで
東京大学出版会
売り上げランキング: 155243
心理尺度のつくり方
心理尺度のつくり方

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村上 宣寛
北大路書房
売り上げランキング: 104898
質問紙調査の手順 (心理学基礎演習)
ナカニシヤ出版
売り上げランキング: 49881

■その他

なぜか僕のブログで書いた以下の本の書評ってすごくアクセスがきているんですよね(笑)なので売れているんだと思います。

年収200万円からの貯金生活宣言
横山 光昭
ディスカヴァー・トゥエンティワン
売り上げランキング: 459

[書評]「ムダな固定費ワースト10」にびびらされた- 年収200万円からの貯金生活宣言 – tate-lab – 教育・学習について研究する院生のblog
https://www.tate-lab.net/mt/2010/06/tyokin.html

さて、ざーっと振り返ってみました!

やっぱりちゃんと毎月やらないと大変なことになりますね(笑)
みなさんが本を買うときの参考情報になればと思います!

今回できてきたトピックについては、過去に書いたブログ記事をけっこうまとめております。
こちらのまとめページをご参照いただけますと幸いです。

まとめ – tate-lab – 教育・学習について研究する院生のblog
https://www.tate-lab.net/mt/matome.html

■先月までのランキング

先月の「アマゾン売上ランキング」をさらしてみる!(2010年8月編) – tate-lab – 教育・学習について研究する院生のblog
https://www.tate-lab.net/mt/2010/09/20108-1.html

アマゾン売上ランキングをさらしてみる(2010年7月) – tate-lab – 教育・学習について研究する院生のblog
https://www.tate-lab.net/mt/2010/08/20107.html

「ニュートラル思考」のススメ? ポジティブでもネガティブでもなく

最近こんな本を読みました「ウツになりたいという病」という本です。

ウツになりたいという病 (集英社新書)
植木 理恵
集英社
売り上げランキング: 10835
おすすめ度の平均: 4.5

5 脱出
3 ポジティブシンキングの弊害
5 ポジティブシンキングに疲れた方におすすめ

この本を読み、さらに最近このテーマに関連する本を読んで思ったのですが、結局

「変なポジティブさでもなく、変なネガティブさでもなく、自分の気持ちにニュートラルに付き合うこと」

が重要なのかなあとふと思いました。

ここでいうニュートラル思考とは、「いつもポジティブでもなく」「いつもネガティブでもなく」、そのときの気持ちを自分の中で認め、その時々の状況にあった行動を選択するということかなと個人的に思っています。

具体的にいえば、

  • 楽しいときは思い切り楽しむ(ムダに悲しいことは考えない)
  • つらいときには、思い切り落ち込む(無理矢理楽しい気持ちにしようと思わない)

というかんじかなと。

これは私の話でもあるんですが、なんとなく「ポジティブ思考」に関する本とか読んだりすると、「そもそも落ち込むことがなくてすむ」というかんじがしてきちゃいますよね(笑)「ずっと上機嫌でいられる」という幻想を持ってしまうというか。もちろん、ポジティブ思考に関する本にそういうことが直接書かれているわけではないんですけどね。

でも、実際はだれでも落ち込んだり、喜んだりするわけですよね。そのときに、なるべく「気持ち」と「状況」のギャップを大きくせず、つらくても自分のその状況を一度「受け入れて」しまうことで、結果的にその後に尾を引いたりすることがなくなるのかなあと思いました。

このあたりの「自分の気持ちを理解する、そして、その後は考えない・忘れる」というかんじのことは、これまで読んだ本に共通する発想かなと思います。例えば、以下の3冊とかそうかなと思います。

マインドフルネス認知療法―うつを予防する新しいアプローチ
Z.V. シーガル J.D. ティーズデール マーク ウィリアムズ
北大路書房
売り上げランキング: 156775
おすすめ度の平均: 4.0

4 翻訳本は読んだことないのですが、原書は良かったです

考えない練習
考えない練習

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小池 龍之介
小学館
売り上げランキング: 169
おすすめ度の平均: 4.0

4 臨床的仏教の実践のための良いガイドブック
3 結構難しい本です。
3 む、難しい・・・。
1 作者の経歴と署名に・・・
5 超初心者の仏教入門としても

考えすぎない
考えすぎない

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本多 時生
アルファポリス
売り上げランキング: 20179

まあ人間誰しも、「いつでも明るくいたい」と思ってしまいがちですが、それはそもそも無理なお話です。自分の気持ちとニュートラルに付き合って、ある意味柔軟に、その波にのって生活するのがよいのかもしれませんね。

▼以前書いた関連する記事

「認知行動療法」に関する本を読んでみた
https://www.tate-lab.net/mt/2010/02/post-159.html

Wed, Sep 08

  • 12:12  今回のワークショップの内容は、日本教育工学会(9月18日)でも行う予定です。ご興味のある方はぜひご参加ください! http://bit.ly/a8hqK2
  • 12:10  RT @ikiikilab: いきいき研究室増産プロジェクト:「研究がうまくいかないのは誰のせい?」プレワークショップ始まり!! http://twitpic.com/2md7ga
  • 12:10  いきいき研(@ikiikilab)とコラボして開発しているケーススタディワークショップが終了!参加者のみなさんありがとうございました!かなり発見があったので、これはまた次回のプログラムに活かしたいと思います!
  • 12:07  今日はお忙しい中、参加いただいて、本当にありがとうございました!RT @miotsubaki ワークショップのお手伝いに向かう。
  • 06:36  RT @yuuhey: ワークショップに便利なMac用タイマーソフト 「Apimac Timer」http://bit.ly/clXUke
  • 06:32  ネットに「エンゲストロームの似顔絵」とか「エンゲストローム△」とかアップしてると、のちのちまで検索にひっかかりそうでこわいなwあとでエンゲストロームの真面目な記事もblogにアップしよう。
  • 06:02  google画像検索で「エンゲストローム」を調べると、自分が描いた似顔絵がでてくることを発見!見つけたとき目を疑ったw エンゲストローム – Google 検索 http://bit.ly/9G0cqU
  • 05:59  まさかGoogle画像検索で「エンゲストローム」と入力すると、僕の絵が出てくるとはw RT @hari_nezumi @tatthiyに意外な才能が!RT @YukiAnzai: こ、これは…! エンゲストローム -Google画像検索 http://bit.ly/ciBaXV
  • 05:31  雨がはんぱじゃないなー
  • 05:07  たくさんアイデア集まるとよいですねー!僕も考えてみますねー!RT @haruna26 わあ、舘野さんにさっそくRTいただいてしまった…!この前やられてたのをまねっこさせてもらいました!
  • 04:44  RT @haruna26: こんな時間に書いてどのくらい反応あるか不明ですが、ブログにこれ書いてほしいー、とかあったら教えてください。アメリカのことでもそれ以外でも、もちろん。これ書いて!って言われたほうががんばれるんじゃないかっていう仮説です。笑
  • 04:44  RT @nakaharajun: デューイ、ヴィゴツキー、エンゲストローム、ピアジェ、、、偉大な学習・発達・教育学者を知る「旅」・・・今年も大学院生たちが、文献を読みこんで大学院夏合宿の準備をしています。http://bit.ly/cPvT28


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【Learning bar予習】社員の「挑戦」と「安心」はセットで! – サイバーエージェント流 成長するしかけ(曽山 哲人,藤田 晋)

私の指導教員である中原淳先生が主催するLearning bar(ラーニングバー)が9/29に開催されます。Learning barとは、「組織学習・組織人材の最先端の話題をあつかう研究者と実務家のための研究会」のことをいいます。

今月は、サイバーエージェントの取締役 人事本部長 曽山哲人さんがゲストにきてくださいます。詳しくはこちら

ということで、今回はそのLearning barの予習を兼ねて、「サイバーエージェント流 成長するしかけ」を読みました。

サイバーエージェント流 成長するしかけ
曽山 哲人
日本実業出版社
売り上げランキング: 17244
おすすめ度の平均: 4.0

4 利益と人間らしさの追及、、かな♪
5 率先垂範の大切さ
4 こういう本から謙虚に学ぶことが大切だと思う
4 宣伝本ではありますが
3 人事制度の浸透方法が秀逸

この本はサイバーエージェント社が、いかに「成長するしかけ」を社内につくってきたのかについて、具体的かつ生々しくその方法について紹介してあります。amazonの本の紹介だと以下のようなかんじです。

「21世紀を代表する会社を創る」を目指し、急成長を続けるサイバーエージェント。しかしながら、その道のりは平坦ではありませんでした。2003年、同社は社内制度の強化に乗り出します。離職率30%を超えていたベンチャー企業は、いかにして「働きがいのある会社」といわれるまでになったのか。「やる気」と「成果」を生み出すしかけを探ります。

本書の中では、「社員の定着を妨げた3つの問題」として以下の3点を挙げています。

  • ビジョンや価値観の浸透が弱かったこと
  • 社員同士のつながりが希薄だったこと
  • 個人への認知や、自己肯定感が不足していたこと

そしてこの問題を解決すべく、以下のしかけを作っていきます。

  • ビジョンと価値観を共有する-「Maxims」と「ミッションステートメント」を定める
  • 社員同士のつながりを強化-会話を増やすさまざまな工夫
  • メンバーの自己充足感を高める-メールや表彰式で褒め合う職場

本の中では、かなり具体的に方法が紹介されています。試行錯誤しながらミッションステートメントを作ったり、社内報の実践を行っていたり、その実践は多岐にわたり、どれもユニークです。

「これはマネできそうだ」とか「これをこうアレンジするともっと面白そう」というかんじで読むことができます。

このように様々な「成長するしかけ」を作っているのですが、これを作る際に大事にしていることが、以下のことであり、今回のLearning barにおいても重要なテーマになるのではないかと思っています。

社員の「挑戦」と「安心」はセットで

 当社では、人事制度設計の基本として、「挑戦と安心はセットで考える」ことを大事にしています。会社の成長のために挑戦してもらうには、安心して働けるような基板も必要です。挑戦だけでは社員は疲労しますし、安心だけでも社業の成長は鈍化するでしょう。

サイバーエージェント社では、常に人事で行っている施策を「挑戦」「安心」「金銭報酬」「非金銭報酬」という軸で整理しながら行っていくそうです。これは非常に面白いなと思いました。

このあたりの記事にも詳しくのっていそうです。

これが「社員が辞めず頑張ってくれる」制度 サイバーエージェント(後編)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/pba/20081030/175769/

本書は、「成長するしかけ」について、何を問題にし、どんな解決策をとったのか、そして、そのなぜその解決策をとり、どのような苦労があったのかということが、わかりやすく載せられています。これを参考に、自分でも何かやってみようと思えるような本ではないでしょうか。

ちなみにですが、私はこの本を読んで、ベンチャー企業と研究室はけっこう環境が似ているのかもなあと思いました。常に新しいことにチャレンジしていくことが大事な一方で、「心理的安全」などの確保も非常に重要です。しかし、このあたりっていうのはなかなか忘れ去られてしまう部分ですよね。ある種のジレンマを持ちながらも、前に進んで行かなくてはいけないというのは非常に似た部分かなと思いました。

結局「挑戦」と「安全」という二項対立を超えていくために、何か特効薬があるわけではないですよね。地道かもしれませんが、「全体のバランス」を考えなら色々調整していくしかないのかなと。

「挑戦が一番!」とか「安全が一番!」みたいに、どっちかに偏って終わりにならないことがとても大事なのかもしれません。

その意味でサイバーエージェントさんがやっているような「挑戦」「安心」「金銭報酬」「非金銭報酬」という軸で施策を見直すということは面白いなと思いました。

毎年、中原研究室のゼミ運営などで、新しい施策を考えたりするのが個人的に好きなのですが、この本を参考に、後期もまた色々やってみたいなと思っています。

さて、今回は「サイバーエージェント流 成長するしかけ」について紹介してきました。Learning bar当日ではどんなお話しがあり、どんなディスカッションができるのか?いまから楽しみです。当日に気づいたことがあれば、またこのblogでご紹介できればと思います。

現在、当日の場作りの企画も進めておりますので、参加なさる方は楽しみに待っていて下さい。

Ba Design Magazineという場作りに関するメールマガジンにおいて「Learning barのつくりかた」を発行しています。登録はこちらから。
http://bit.ly/3Zx22N

前回Learning barに登壇いただいた酒井穣さんの本の書評はこちら。

[書評]院生の僕がはじめて「課長」について考えてみた – はじめての課長の教科書(酒井穣さん)
https://www.tate-lab.net/mt/2010/06/katyou.html

[書評]学べる組織になるためのノウハウたくさん! – 「日本で最も人材を育成する会社」のテキスト (酒井穣さん)
https://www.tate-lab.net/mt/2010/06/sakai-jinzai.html

はじめての課長の教科書
酒井穣
ディスカヴァー・トゥエンティワン
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5 文書は圧縮された情報
4 まずは部下に興味を持とう!
5 マネジメントをする立場、指導係になったら絶対読むべき1冊
5 はじめてマネージャーになったので読んでみました。
5 課長じゃなくてもオススメ

企業内人材育成入門
企業内人材育成入門

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中原 淳 荒木 淳子 北村 士朗 長岡 健 橋本 諭
ダイヤモンド社
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おすすめ度の平均: 4.0

4 テーマ毎に人材育成を考える
1 人生経験の少ない学者の自己満足
3 企業内の人材育成の総合案内書/私には歯が立たない
2 育成担当=人事、育成責任=現場は古い考え方。
5 人事部門、特に研修担当の方にお勧め

【小説】無理やり笑ってバイバイな「お別れ」をテーマにしたお話 -バイバイ、ブラックバード(伊坂 幸太郎)を読んだ

伊坂幸太郎さんの「バイバイ・ブラックバード」を読みました!

バイバイ、ブラックバード
伊坂 幸太郎
双葉社
売り上げランキング: 950
おすすめ度の平均: 4.5

5 星野の性格には非常に好感がもてた
5 泣かないで、笑って、さよならを。
4 主役は
4 納得
5 心に残るストーリー

毎回小説の書評を書くときは色々迷うんですが、一応僕のスタンスとしては「まだ小説を読んでいない人」に向けて書こうと思います!

なので、なるべくストーリーについてはAmazon等に紹介されているものにちょっと付け足したようなかんじで書いていこうと思います。

さて、本の話に戻ります。この小説は、太宰治の「グッド・バイ」から想像を膨らませて書いた内容であるといわれています。

「グッド・バイ」ってどういう話なのだろう?と思って調べてみると、要は主人公が10人の愛人に別れを告げていくストーリーなのですね。愛人10人というのがそもそもすごいですね(笑)しかもこの話は「未完」なのですね。

グッド・バイ (新潮文庫)
太宰 治
新潮社
売り上げランキング: 35446
おすすめ度の平均: 4.5

5 good!
5 続きを読ませて。
4 人間の光と影を書いている
5 太宰治の遺作(未完)です
4 太宰の本質

「バイバイ・ブラックバード」も基本的に設定は似ています。Amazonの内容紹介でも以下のように書かれています。

「理不尽なお別れはやり切れません。でも、それでも無理やり笑って、バイバイと言うような、そういうお話を書いてみました」(伊坂幸太郎)。

今回の話はまさにそんなお話しです。主人公がさまざまな女性と「お別れ」をしていく物語なのです。

本を読みながら、時には「ニヤリ」と時には「しんみり」と、「伊坂幸太郎さんの小説だなあ」というかんじを楽しみながら読んだ本です。

「お別れ」の話だからといって、「お涙ちょうだい」の話だったり、「暗くなる」ような話ではありません。「せつないのだけど、ちょっとかっこいい」という伊坂幸太郎さんの小説っぽいノリが読んでいて心地よかったです。

僕的には、伊坂幸太郎さんの小説の中でも好きな方に入るなと思いました。

僕は、伊坂幸太郎さんの小説にでてくる「ちょっと気弱でやさしい男のキャラのかんじ」と「なんだかサバサバした女の子のかんじ」っていうのがすごく好きなのですが、今回もそのかんじを存分に味わえました。

今回のテーマである「お別れ」は、単なるお別れではなく、伊坂幸太郎さん本人がAmazonでも書いてあるように「理不尽なお別れ」なのですよね。

「理不尽なお別れ」はたしかにやりきれないと思います。しかし、こんな別れ方だったら素敵かも?と思えるストーリーです。

伊坂ファンの人は当然楽しめると思いますし、伊坂小説が初めてという人にも読みやすく、すっと入れる本だと思います。

おすすめの1冊です。これもあとで読んでみたいと思っています。

「バイバイ、ブラックバード」をより楽しむために
双葉社
売り上げランキング: 99289
おすすめ度の平均: 5.0

5 ん〜…これは おまけ”付録”だね

しかし毎回思うんですが、伊坂さんの小説はほとんど全作読んでしまったので、読み終わった後が寂しいです(笑)また次まで待たないとーというかんじで。

実は「オー!ファーザー」は読んでないのでこれを買って読もうかしら。読んだらまた書評を書こうと思います!

オー!ファーザー
オー!ファーザー

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伊坂 幸太郎
新潮社
売り上げランキング: 8290
おすすめ度の平均: 4.0

4 設定が良かった。
4 やっていることは「陽気なギャングが地球を回す」とほとんど同じな気がした
4 後半がオススメ。
5 初期作品のファンならテッパン
4 ほっとする作品です

Sun, Sep 05

  • 03:21  すごい!RT @makimuramaho わお!アスクルみなきゃー! RT @MiyakeYuri 笑顔がステキ。@KeikoOnishiちゃんモデルデビュー?  http://twitpic.com/2kqt87
  • 03:20  RT @JUNYAmori: シェアハウス住民に聞いてみた「シェアハウスにまつわる6つのトピック」 – tate-lab – 教育・学習について研究する院生のblog http://t.co/sejzFGw via @tatthiy
  • 03:20  RT @TrustPeaceAsh: こういうの探してました。RT @JUNYAmori シェアハウス住民に聞いてみた「シェアハウスにまつわる6つのトピック」 – tate-lab – 教育・学習について研究する院生のblog http://t.co/sejzFGw vi …
  • 03:20  RT @seri_jp: 昨夜まれびとの話で盛り上がってましたw タイムリーな話 RT @yohei917: シェアハウス住民に聞いてみた「シェアハウスにまつわる6つのトピック」 tate-lab 教育・学習について研究する院生のblog http://t.co/nZFl
  • 02:43  おお!情報どうもです!チェックしてみます!RT @kuchiken 僕の友人の @masato_koike くんもシェアハウス経営していて、TVで紹介されてたよ!シェアハウス研究に是非!
  • 02:06  これまで書いた「シェアハウス」に関する記事のまとめはこちら → tate-lab http://bit.ly/b3ZU50
  • 02:05  紹介どうもです!RT @yohei917 シェアハウス住民に聞いてみた「シェアハウスにまつわる6つのトピック」 – tate-lab – 教育・学習について研究する院生のblog http://t.co/nZFlHVw via @tatthiy


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