【Learning bar予習】社員の「挑戦」と「安心」はセットで! – サイバーエージェント流 成長するしかけ(曽山 哲人,藤田 晋)

私の指導教員である中原淳先生が主催するLearning bar(ラーニングバー)が9/29に開催されます。Learning barとは、「組織学習・組織人材の最先端の話題をあつかう研究者と実務家のための研究会」のことをいいます。

今月は、サイバーエージェントの取締役 人事本部長 曽山哲人さんがゲストにきてくださいます。詳しくはこちら

ということで、今回はそのLearning barの予習を兼ねて、「サイバーエージェント流 成長するしかけ」を読みました。

サイバーエージェント流 成長するしかけ
曽山 哲人
日本実業出版社
売り上げランキング: 17244
おすすめ度の平均: 4.0

4 利益と人間らしさの追及、、かな♪
5 率先垂範の大切さ
4 こういう本から謙虚に学ぶことが大切だと思う
4 宣伝本ではありますが
3 人事制度の浸透方法が秀逸

この本はサイバーエージェント社が、いかに「成長するしかけ」を社内につくってきたのかについて、具体的かつ生々しくその方法について紹介してあります。amazonの本の紹介だと以下のようなかんじです。

「21世紀を代表する会社を創る」を目指し、急成長を続けるサイバーエージェント。しかしながら、その道のりは平坦ではありませんでした。2003年、同社は社内制度の強化に乗り出します。離職率30%を超えていたベンチャー企業は、いかにして「働きがいのある会社」といわれるまでになったのか。「やる気」と「成果」を生み出すしかけを探ります。

本書の中では、「社員の定着を妨げた3つの問題」として以下の3点を挙げています。

  • ビジョンや価値観の浸透が弱かったこと
  • 社員同士のつながりが希薄だったこと
  • 個人への認知や、自己肯定感が不足していたこと

そしてこの問題を解決すべく、以下のしかけを作っていきます。

  • ビジョンと価値観を共有する-「Maxims」と「ミッションステートメント」を定める
  • 社員同士のつながりを強化-会話を増やすさまざまな工夫
  • メンバーの自己充足感を高める-メールや表彰式で褒め合う職場

本の中では、かなり具体的に方法が紹介されています。試行錯誤しながらミッションステートメントを作ったり、社内報の実践を行っていたり、その実践は多岐にわたり、どれもユニークです。

「これはマネできそうだ」とか「これをこうアレンジするともっと面白そう」というかんじで読むことができます。

このように様々な「成長するしかけ」を作っているのですが、これを作る際に大事にしていることが、以下のことであり、今回のLearning barにおいても重要なテーマになるのではないかと思っています。

社員の「挑戦」と「安心」はセットで

 当社では、人事制度設計の基本として、「挑戦と安心はセットで考える」ことを大事にしています。会社の成長のために挑戦してもらうには、安心して働けるような基板も必要です。挑戦だけでは社員は疲労しますし、安心だけでも社業の成長は鈍化するでしょう。

サイバーエージェント社では、常に人事で行っている施策を「挑戦」「安心」「金銭報酬」「非金銭報酬」という軸で整理しながら行っていくそうです。これは非常に面白いなと思いました。

このあたりの記事にも詳しくのっていそうです。

これが「社員が辞めず頑張ってくれる」制度 サイバーエージェント(後編)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/pba/20081030/175769/

本書は、「成長するしかけ」について、何を問題にし、どんな解決策をとったのか、そして、そのなぜその解決策をとり、どのような苦労があったのかということが、わかりやすく載せられています。これを参考に、自分でも何かやってみようと思えるような本ではないでしょうか。

ちなみにですが、私はこの本を読んで、ベンチャー企業と研究室はけっこう環境が似ているのかもなあと思いました。常に新しいことにチャレンジしていくことが大事な一方で、「心理的安全」などの確保も非常に重要です。しかし、このあたりっていうのはなかなか忘れ去られてしまう部分ですよね。ある種のジレンマを持ちながらも、前に進んで行かなくてはいけないというのは非常に似た部分かなと思いました。

結局「挑戦」と「安全」という二項対立を超えていくために、何か特効薬があるわけではないですよね。地道かもしれませんが、「全体のバランス」を考えなら色々調整していくしかないのかなと。

「挑戦が一番!」とか「安全が一番!」みたいに、どっちかに偏って終わりにならないことがとても大事なのかもしれません。

その意味でサイバーエージェントさんがやっているような「挑戦」「安心」「金銭報酬」「非金銭報酬」という軸で施策を見直すということは面白いなと思いました。

毎年、中原研究室のゼミ運営などで、新しい施策を考えたりするのが個人的に好きなのですが、この本を参考に、後期もまた色々やってみたいなと思っています。

さて、今回は「サイバーエージェント流 成長するしかけ」について紹介してきました。Learning bar当日ではどんなお話しがあり、どんなディスカッションができるのか?いまから楽しみです。当日に気づいたことがあれば、またこのblogでご紹介できればと思います。

現在、当日の場作りの企画も進めておりますので、参加なさる方は楽しみに待っていて下さい。

Ba Design Magazineという場作りに関するメールマガジンにおいて「Learning barのつくりかた」を発行しています。登録はこちらから。
http://bit.ly/3Zx22N

前回Learning barに登壇いただいた酒井穣さんの本の書評はこちら。

[書評]院生の僕がはじめて「課長」について考えてみた – はじめての課長の教科書(酒井穣さん)
https://www.tate-lab.net/mt/2010/06/katyou.html

[書評]学べる組織になるためのノウハウたくさん! – 「日本で最も人材を育成する会社」のテキスト (酒井穣さん)
https://www.tate-lab.net/mt/2010/06/sakai-jinzai.html

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5 人事部門、特に研修担当の方にお勧め

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