「個人志向」と「つながり志向」の狭間で:渋谷のコワーキングスペース co-ba(コーバ)に行ってきた!

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昨日のことですが、co-ba(コーバ)に行ってきました。co-baは「クリエイターのためのコワーキングスペース」です。最近「コワーキング」という言葉を見る機会が少しずつ増えてきましたよね。その中でも「co-ba」というキーワードはtwitter上でもよく見かけていたので行くのが楽しみでした。
co-baの詳しい説明については、すでに取材記事などが出ていますので、ここでは行ってみた感想を中心に書いてみようと思います。
■co-baを象徴する「机」
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まずco-baに入った瞬間に率直に思ったのは「おお、空間がかっこいい!」ということでした。
中央の一つにつながった大きな机が印象的です。
この机は「かっこよさ」だけではなく「それぞれが別々の仕事をしながらもつながっている」ということを表現したかったそうです。コンセプトが空間にしっかり表現されていることは素敵ですね。
写真からはわかりませんが、この空間はほんのり木のにおいがして心地よいです。木のにおいは眠くなるのを防ぐ効果もあるとのことでした。
コワーキングスペースを考える上で、空間の便利さ・おしゃれさはひとつのポイントになるでしょう。そして、さらに重要なのは「コンセプトを空間で表現する」という点であると思います。「ここはどういう価値を大事にしているのか?」を表現するひとつのメディアになるからです。その意味では、空間をみれば、価値観がわかるともいえますね。
■「つながれる」という価値
次に印象的だったのは「人に関すること」です。
コワーキングスペースの大きな魅力は、「空間の便利さ」だけではなく、「だれかとつながれる」という、人的ネットワークの部分も非常に大きいと思います。昨日は行った時間が遅かったので、たくさん人がいたわけではないですが、それでも何人かの人に出会えました。また、部屋にある大きな黒板には、よく見かけるtwitterアカウントが書かれていたりしました。
「おお、ここにくればあの人に会えるんだな」という期待感が膨らみます。
コワーキングスペースを考える上で、「ここに来たらあの人と会えるかも!」という、出会いに対する期待感は非常に重要な要素であると思います。
また、たとえ、その人がたまたまいなくても、「ああ、いつもきているんだな」と思わせるような仕掛け(今回でいえば、黒板の書き込みや書き初め)は非常に重要なポイントになると思いました。
■「個人志向」と「つながり志向」という矛盾
このように「いいな」と思うことがたくさんある一方で、これから検討していく必要があるだろうなということもありました。
これはco-baに限った話ではないのですが、「ワーキングスペースをシェアすること」は、「個人で没頭して作業すること」と「人とつながる」という一見矛盾した行為を両立する場でなければいけないわけですね。
「ひとりで集中して作業していたいからほっといて」という個人志向の気持ち
「自分のアイデアを話したい。つながりたい」というつながり志向の気持ち
この2つのモードをスムーズに行き来させることはけっこう難しいと思います。
「作業したいんだから話かけないでほしい。静かにしてほしい。」
「ここはつながりをつくる場じゃないの?ひとりで作業ばかりしている人がいる。」
という不満がそれぞれ生まれる可能性があります。
これをうまく折り合わせていくことが必要になってくるんじゃないかと思います。
解決の方法は色々あると思うのですが、ひとつポイントになるのは「コミュニティの慣習」みたいなものなのかなあと思います。
「こういうときには話してもよい」
「この日はいつもイベントの日だからうるさくてもしょうがないな」
「この時間帯はみんなが集中して作業する時間帯だな」
というようなかんじでしょうか。
こういう慣習みたいなものは「co-baってこういう場にしたい」というのを、管理人側から伝えつつ、使っている人たちがそれを解釈し、重ね合わされつつ作られていくものなのかなと思います。みんなが心地よい慣習をどのようにデザインしていくかは重要なポイントになると思いました。
ルールがきついと面白くないですし、下手すると内輪感が出過ぎてしまい閉鎖的になってしまいますよね。そのバランスをどうとるかがポイントになるのかなと思いました。
■コミュニティ・デザインへ
さて、長くなったのでこのあたりで今回は切り上げます。
シェアをテーマにした空間はこれからどんどん増える傾向にあるのではないかと思います。大学でもラーニングコモンズ等がどんどん導入されていっていますよね。
しかし、これを「ハードの導入だけ」にとどめないようにするためには、かなりの工夫が必要になってくるのではないかと思います。
次に必要になるのは、コミュニティ・デザインみたいなものになるのかなと。こうしたソフト面でのデザインに対するノウハウが今後もっともっと蓄積されていくとよいなと思います。
co-baはその意味でも先駆的な事例になりそうだという予感がしました。
もうひとつ、最近の大きな流れとして、創造を生み出すプラットフォームをどう作るかということがポイントになっているように思います。ワークショップという一つの活動レベルを超えた、より日常に近いかたちも含めたデザインという
かんじでしょうか。
僕は現在Unlaboratory(アンラボラトリー)という、「研究室を超えた研究室」というコミュニティを立ち上げて試行錯誤しているのですが、目指しているものは一緒なのではないかと勝手に思ったりしました。
Unlaboratory
昨日co-baにいったときに、シェアハウス「まれびとハウス」がはじまったときと似たような感覚がありました。これからなにか始まりそうだという期待感ですね。ぜひ今後も面白い場になっていくといいなと思いました。
ご対応いただいた中村さん(@maa20XX)、今回の企画を取りまとめてくれた安斎君(@YukiAnzai)、本当にありがとうございました。
■参考情報
co-baのwebサイト
同世代がつくりだした、クリエーターのための作業場を通じて新しい空間を提示していくco-ba
■関連する過去に書いたブログ記事
シェアハウスで感じた「知が生まれる予感」
創造の土台としてのシェアハウスへ - 他人と暮らす若者たち(久保田 裕之)
■関連する本
他人と暮らす若者たち (集英社新書)
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