「視覚」と「聴覚」のズレから生まれる感覚のゆらぎ – やってみた研の報告

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先日、自主的に開催している研究会「やってみた研」の関係で、はじめて慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス(SFC)に行ってきました。
最初に「やってみた研」の紹介をちょっとしておきましょう。
やってみた研究会(通称「やってみた研」)は、認知科学に近い研究領域の大学院生が自主的に集まり実施している研究会です。その名の通り、最近「やってみたこと」をシェアしてディスカッションしています。
この研究会でもっとも大事にしているコンセプトは「もしかしたら論文にはならないかもしれないけど、面白そうだからやってみた!」という気持ちです。このコンセプトをもとに、最近やってみたことをプレゼンしたり、その場で、作ったシステムや実験を体験してみたりすることを大事にしています。
この研究会ができたきっかけは2011年7月に行ったボストンでの国際会議でした。CogSci2011に参加した大学院生メンバー同士で話をし、こういう研究会が大事なんじゃないかということでスタートしました。だいたい2ヶ月に一度のペースで実施しています。もし興味がある人がいればお声がけくださいね。
ということで、今回はその研究会の関連でSFCの諏訪正樹研究室のみなさんと会いました。僕にとって諏訪先生といえば、なんといっても「メタ認知」というキーワードが真っ先に浮かびます。諏訪先生のWebページには以下のように書いてありました。
熟達、暗黙知、感性、アフォーダンス、創造性はすべて相通じる 概念であるという認識の下、スポーツ、デザインなどを例に感性開拓や自己表現 の方法論を研究している. 
今回は諏訪研究室に所属する院生の方々に、実際に作ったシステムを体験させていただき、さらには、最近のやってみたをシェアしました。体験させていただいたシステムについての紹介は、スライドがネットにアップロードされているので貼り付けます。
松原正樹さん、栗林賢さん、忽滑谷春佳さんらの研究です。
このシステムでは、「空間の情報をもとに、音楽を変化させる」というのが大きな特徴だと思います。普段私たちが見ている「視覚」からの情報を、音つまり「聴覚」として感じるという非常にユニークなツールです。風景を音で感じたり、音から風景を感じることができるというかんじでしょうか。
普段何気なく受け取っている情報について、少しその情報を受け取るチャンネルをかえてみると、感じ方に「ゆらぎ」が生まれます。そしてその「ゆらぎ」は新たな気づきが生まれる土壌を創り出します。
私たちがワークショップをするときに狙っているもののひとつがこういう活動といえると思います。
普段は意識しないことをあえて意識するような状況を作り出すことで、これまで前提としていたことを吟味の対象とするというかんじでしょうか。今回は、それをツールとして開発しているところがまた面白いなあと思いました。やっぱりツール開発は面白いとあらためて思いましたね。
このシステムを体験した後に、「最近のやってみた」について議論をしました。僕は、最近考えている場作りの方法についてや、研究のことについて話をさせていただきました。また、栗林賢さんからは、ご自身の授業で実施していることについてお話しをしていただきました。
ディスカッションは、大阪大学の石原尚さんもSkypeで参加してくれました。石原さんは赤ちゃんロボットの研究をしています。夏に一度大阪大学で本物を見せていただきました。こちらが赤ちゃんロボットの動画です。
というかんじで、この研究会ではいろいろな領域で研究している院生がそれぞれの角度から、「いまこれが面白い」ということを語り合うので非常にエキサイティングです。自分の知らない研究領域とも接続が見えてくるのでそれも醍醐味のひとつですね。
僕は今年、Unlaboratory(アンラボラトリー)というコンセプトで、「研究室を超えた研究室」をつくりたいと考えているのですが、この活動もまさにそれに関連するものだなと思っています。
この「やってみた」の発想をベースに、多くの人が参加できるプチ学会のようなものを開こうと計画中です。興味ある方は、UnlaboratoryのFacebookページがありますので、こちらもチェックして下さいね。
Unlaboratory
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