「20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義」を読みました!かなり売れているみたいなので、すでに読んでいる方も多いかもしれませんね。

著者が、この本を書こうと思った一番最初のきっかけは、息子であるジョシュくんが16歳になったときに、「自分が社会にでたときに知っていれば良かったと思うこと」を伝えたいと思ったからだそうです。

素敵なはじまりですね。

筆者が「この本を通して伝えたかったこと」として、まとまっている部分を紹介しましょう。

この本の物語で伝えたかったのは、快適な場所から離れ、失敗することをいとわず、不可能なことなどないと呑んでかかり、輝くためにあらゆるチャンスを活かすようにすれば、限りない可能性が広がる、ということでした。

もちろん、こうした行動は、人生に混乱をもたらし、不安定にするものです。でも、それと同時に、自分では想像もできなかった場所に連れて行ってくれ、問題がじつはチャンスなのだと気づけるレンズを与えてくれます。何よりも、問題は解決できるのだという自信を与えてくれます。

まとめてしまえば、当たり前のように聞こえるかもしれません。

しかし、この本は、それぞれの重要な要素について1つずつ、丁寧に、説得的に、物語として読ませてくれます。

読んでいると「キタ!」と思う部分がかなりあって、それらの全部を紹介することは難しいです。

今回は何を紹介しようか迷いましたが、「失敗」に関する部分について紹介しましょう。筆者の父の言葉が僕にはささりました。(太線は僕が追加)

父は人生を振り返って、いちばん大切な教えをこう考えているそうです。

「自分に対しては真面目すぎず、他人に対しては厳しすぎないこと」。

自分や他人の間違いにもっと寛容で、失敗も学習プロセスの一環だと思えればよかった、と。いまの父ならわかるのです。過ちを犯しても、大地が揺らぐことなど滅多にないのだと。

(中略)

人生に起きることのほとんど、とくに失敗は、そのときの自分が思っていたほどたいしたことではない-この点を何度も思い知ることになったと言います。

この部分はすごくいいなと思いました。

最近この手の本を読んでいて共通するなと思うのは、「失敗をどう捉えるか?」ということが、クリエイティブな仕事をする上でものすごく重要であるということです。

こちらも言われてみれば当たり前かもしれませんが、どれだけこう言われても「失敗すること」は怖いことではないかと思います。なかなか発想をかえることはできない。

しかし、著者の話す具体的な物語を読むことで、「自分にもできるかも」と思えるきっかけをもらえるのではないかなと思います。

この本は10章からなっており、それぞれの章で1つずつメッセージが込められています。章のメッセージだけ見てもかなり刺激されるんじゃないかと思います。

第1章 スタンフォードの学生売ります
自分の殻を破ろう

第2章 常識破りのサーカス
みんなの悩みをチャンスに変えろ

第3章 ビキニを着るか、さもなくば死か
ルールは破られるためにある

第4章 財布を取り出してください
機が熟すことなどない

第5章 シリコンバレーの強さの秘密
早く、何度も失敗せよ

第 6章 絶対いやだ! 工学なんて女がするもんだ
無用なキャリア・アドバイス

第7章 レモネードがヘリコプターに化ける
幸運は自分で呼び込むもの

第8章 矢の周りに的を描く
自己流から脱け出そう

第9章 これ、試験に出ますか?
及第点ではなく最高を目指せ

第10章 実験的な作品
新しい目で世界を見つめてみよう

新しいことにチャレンジしたい!と思っている方や、この目次をみて「ビビッ!」とくるものを感じた人にはかなりオススメの一冊だと思います!

▼最近書いた書評

最近はなんかこの手の本をたくさん紹介していますね(笑)。次回は「東大式 世界を変えるイノベーションのつくりかた」でも紹介しようかなと思います。

[書評]許可はあとからもらえ!クリエイティブを支える文化とは – デザイン思考が世界を変える
https://www.tate-lab.net/mt/2010/05/ideo3.html

[書評]よりよいブレストをする秘訣を復習してみる 発想する会社!世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法(トム・ケリー他)
https://www.tate-lab.net/mt/2010/05/-ideo.html