最近やたらと山田ズーニーさんの本を紹介しておりますが、今日で一区切りです(笑)

今回紹介する本は「伝わる・揺さぶる!文章を書く」ということで、いわゆる「文章術」の本かなと思います。

話のエッセンスは、以前紹介した2冊の本と重なる部分が多いです。特に2章の「7つの要件」などは同じです。

ただ、もちろん今回は「書く」ということに焦点化しているので、文章を書くときの心得から、具体的な場面(メールを送るときとか)も想定して文章が書かれていて面白いです。

個人的には、「エピローグ」で紹介されているエピソードがとても面白かったです。

プロローグ 考えないという傷–考える方法がわかれば、文章は生まれ変わる
第1章 機能する文章を目指す–いい文章を書くとは、どういうことか?
第2章 7つの要件の思考法–書くために、何をどう考えていくか?
第3章 伝わる・揺さぶる!文章の書き方–実践編
第4章 より効果を出す!テクニック–上級編
第5章 その先の結果へ
エピローグ あなたと私が出会った意味

エピローグで面白かったのは、以下の問いかけの部分です。

あなたが好きな人に、プレゼントをあげるとしたら、次の、どの方法を採るだろう?

1.自分があげたいものをあげる。
2.相手に「何が欲しい?」と聞くか、事前に趣味をよく調べ、相手が欲しがっているものをあげる。
3.相手のこれまでの趣味にない、新しい引出しを開けるようなものをあげる。

みなさんはどれでしたか?
この例をもとに文章を書くことを考えてみましょう。
すると以下のようになるんじゃないでしょうか。

1は、自分が書きたいものを書くというスタンス。
2は、相手を理解して、それに合うものを書くというスタンス。
3は、もう少し高度で、相手を知った上でさらに新しい世界に導くというスタンス

この話はメタファーとしてすごく面白いなと思いました。

なぜなら、くらたまなぶさんのマーケティングの本にも似たような話があったのですよね。
いま手元に本がないので記憶があいまいですが、たしかこんな話だったと思います。

だれかに年賀状を送るときに、何から考えることが大事か?
最初から「どんな年賀状にするか(何を書くのか)」を考えてもしょうがない。
まずは「相手を知ること」が大事なのだ。

という話です。

これもやはり、スタンスとしては、1ではなく、2もしくは3のアプローチに近いですよね。

当たり前かもしれませんが、「文章を書く」ということは本質的にコミュニケーションの要素を持っています。

私たちはついつい「私が何を書きたいのかだけ」を考えてしまうのですが、そのメッセージを送る相手はだれなのか?その人が求めているのはなんのか?ということについてはついつい忘れがちになりますよね。

そんなときにこのメタファーを思い出してみると、はっと気づくかもしれません。

あなたの書いたその文章は、だれに向かって書いたものですか?

よい文章を書く第一歩はそんなところにあるのかもしれません。

関連本

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