あこがれが連鎖していくコミュニティの強さ

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人が成長するときに「ああいう人になりたい!」と思う気持ちは、ひとつの強い動機になると思います。キーワードでいうと「あこがれ」とか「ロールモデル」という言葉で表現できるかもしれません。

私は大学教育に関する研究や実践に関わっているのですが、最近「よい実践をしているな」とか「学生が生き生きしているな」と思うところは「あこがれの連鎖」が起こるような状況になっていると感じます。

今回は私にとって身近な事例である「同志社女子大学の上田信行先生のゼミ」と「立教大学経営学部」という2つの事例について書いてみたいと思います。

1つ目の事例は「同志社女子大学の上田信行先生のゼミ」です。

同志社女子大学の上田信行先生のゼミ生が企画するイベントについては、昨日ブログ記事に書きました。このゼミでは、「学習環境デザイン」をテーマに、学習理論を学んだり、実際に学びの場をデザインするということを2年間通じて実施してきます。

先日実施したイベントは4年生が中心になり、3年生も一部を担当するかたちで企画を行っていました。その4年生たちはイベントをするときに「去年の4年生にあこがれて、私たちもああいうふうになりたいと思ってがんばってきた」ということをよく口にしていました。

さらに、今年一緒に企画した3年生もイベント後に「4年生がこのイベントを作る上で、朝から晩までものすごくがんばっているのを近くで見てきた。私たちもいまの4年生みたいになりたい」ということを話していました。

ゼミ生たちは指導教員である上田先生のことももちろんリスペクトしているわけですが「先生と学生」という関係だけでなく「学生同士(先輩と後輩)」がリスペクトする関係も成立しています。さらに、その関係は下の学年にしっかりと連鎖しているということを感じました。

もう一つの事例は、「立教大学経営学部」です。

立教大学の経営学部は今年非常勤で授業を担当していました。私が担当した1年生の授業では「SA(Student Assistant)制度」が導入されていて、2年生がSAとして授業に参加します。SAは単にプリントを配ったりするだけではなく、授業の内容にも積極的に関わります。授業は、私とSAの二人で実施しているようなかたちになります。

2年生のSAさんたちに「どうしてSAになったの?」と聞いてみると、「去年のSAさんにあこがれて」という言葉がよく聞かれます。さらに、1年生に話を聞くと、「SAの○○さんがかっこよかったから、私も来年SAになってみようかなと思う」という話をします。

ここでも「先生と学生」という関係だけでなく「学生同士(先輩と後輩)」がリスペクトする関係が成立していると感じました。

今回は、私にとって身近な2つの事例について紹介しました。この2つの事例をみていて感じたのは「大学時代に、大学で学ぶという意味で、かっこいい先輩と出会う機会ってあったかな?」ということでした。大学時代でサークルや部活やバイト以外で先輩と会う機会というのはあまりないのではないでしょうか。

きっと「あこがれるような先輩がいない」わけではないのだと思います。「先輩のかっこよさ」が引き出されたり、そういう先輩と出会うような機会がなかっただけではないでしょうか。

大学教育を考えていく上で、先生の役割はもちろん大きいですし、授業のやり方を改善していくことは重要だと思います。さらに、先生自身が「あこがれの対象」になることも大事ではあるでしょう。

しかし、それだけではなく「あこがれの連鎖」といった、学生同士の関係が生まれていくような環境をつくることもあわせて重要になるのではないかと感じました。

今回の記事は私にとって身近な事例をもとにブログを書きました。たしかなデータがあって書いているわけではもちろんないのですが、個人的にこうした視点を少し大事にしていきたいなと考えています。

■関連するブログ記事

場作りにおける「つなぎ」と「アレンジ」の妙:learning festivalに参加してきました
https://www.tate-lab.net/mt/2013/12/learning-festival.html

SA(Student Assistant)に求められる力とは? -SA引き継ぎ合宿に参加してきた!-
https://www.tate-lab.net/mt/2013/08/student-assistant.html

■関連する書籍

・上田信行先生に関する書籍

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