場作りにおける「つなぎ」と「アレンジ」の妙:learning festivalに参加してきました

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土曜日は、同志社女子大学の上田信行先生のゼミ生たちが企画したイベントに参加してきました。

「learning festival〜学びの100倍返し〜」と名付けられたこのイベントは「学びについて学ぶ」というのがポイントといえると思います。

学生たちが2年間ゼミで学んだことをもとに作られたこのイベントは、学びを考える上での重要な要素がたくさんちりばめられていました。

参加者は約80名くらいだったでしょうか。

今回はそのイベントについて簡単に紹介し、場作りをする上でのポイントについて考えてみたいと思います。

■イベントの内容をざっと紹介

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イベント内容をざっと振り返ると以下のようなかんじでした。

  • パフォーマンスを見る
  • パフォーマンスに参加する(体を動かす、歌う)
  • 雑誌を使って、自分にとっての「学び」をカタチにする
  • コラージュをグループ間で共有する(ワールドカフェ形式)
  • フラッシュモブを体験する
  • Scratch(プログラム言語)で作ったプログラムをもとに体を動かす
  • もちよった食べ物を一緒に食べて話す
  • キューブ(四角い箱)を使って、「問い」をベースに語る
  • 振り返りの動画をみる

これをみてもわかる通り「learning festival」という名前にふさわしく、現代で大事にされている学びのエッセンスがふんだんに取り入れられているイベントでした。

学習環境デザインについて学んだ成果をもとに「歌って、踊って、プログラミングもして、ファシリテーションもして、動画もつくっちゃう女子大生」というのは、正直すごすぎると感じました(笑)。

■イベントに参加して思った2つのすごいこと

イベントを通して、個人的にすごいなと思ったのは2つあります。

1つ目は、これだけたくさんの学びのエッセンスが取り入れられているものの「あれもこれもいれました」というプログラムになっていなかったということです。

活動間の意味づけや流れがスムーズで「なぜいまこれをやるのか」ということに対する違和感なく進んでいったことです。こうした「構成のスムーズさ」というのは、実は非常に難しいと思うのですが、その部分が上手だったと思いました。

2つ目は、ゼミ生らしさが出ていたという点でした。「だれかの方法をそのまま」ではなく、「いまの自分だからできる」という「その人らしさ」がよくでていたように思いました。

個人的にワークショップ的な活動においては、主催者の「属人性」ということは実は非常に大事なことではないかと思っています。「らしさ」があるワークショップはやはりうまくいくと思います。

■「つなぎ」と「アレンジ」の妙

今回感じた二つのポイントをもう少し整理すると、場作りにおける「つなぎ」「アレンジ」の話になるのかなと思います。

「つなぎ」というのは、小さなワーク同士のつながりをいかにデザインするのかという視点です。

最近いろいろなワークショップの手法が確立されてきたことで、一つ一つのワークに関する知見はだいぶたまってきたと思います。

しかし、重要なのはそれらを「いかにつなぐか」です。

・ある活動が、次の活動の伏線になる
・感情の起伏をある程度つくってあげる(テンションを上げたり、少し休んだりする時間をつくる)
・身体的なウォーミングアップや休憩をつくる

など「つなぎの妙」こそがポイントになります。ワーク同士のつながりが本当に意味があるのかをイメージすることは非常に重要なことでしょう。

もう一つの「アレンジ」は、いかに「あなたなり」にデザインするのかという視点です。ワークショップでは「属人性」をネガティブに捉えるのではなく、むしろその部分と向き合ってデザインする方がよいのではないかと思っています。

仮に同じワークショップをやるとしても、私がやるファシリテーションと他の人がやるファシリテーションは違う部分があってもよいと思うわけです。

もちろん、私と他の人のファシリテーションについて、共通して設定できる外部指標などもあるかもしれません(声の聞き取りやすさとか)。しかしそうした共通して得られる指標とは異なる「あなたのキャラ」にとって無理がないもの、「キャラのよさがいきること」はかなり重要な視座であると思います。「アレンジの妙」は、あなたっぽさと向き合うことといえるかもしれません。

■まとめ

今回は場作りにおける「つなぎ」と「アレンジ」の話について書きました。よいイベントの特徴はこの2つが上手にできているのではないかと思います。

ではその2つができるためにはどうするのか。これについては別記事で考えたいと思いますが、一ついえることは、これらをスムーズにできるためには、長い時間がかかるだろうなということです。

例えば、今回のイベントについては、事前に少し企画の相談を受けたのですが、その時点ですべてが出来ていたわけではありませんでした。相談を受けたのが10月くらいですから、そこから数ヶ月の間、ずっと共通するコンセプトについて考え、プログラムの詳細を詰めていったのではないかと思います。

さらに、学生たちは2年間、さまざまなワークショップを実践したり、体験してきました。しかも、体験を卒業論文というかたちで、文字にして抽象化するという作業を行っています。

「場作りのtipsやコツ」はもちろん色々あるわけなのですが、「つなぎ」や「アレンジ」が上手にできるようになるためには、やはり一生懸命多くの時間をかけ、理論と実践を往復させていく必要があります。これらの作業は気が遠くなるかもしれませんが、いろいろな舞台を設定してひとつひとつチャレンジしていくことがやはり大事なのかなと思いました。

今回のイベントのFacebookページ「learning festival〜学びの100倍返し〜」にも準備のプロセスが公開されているので、興味のある方はみてみるとよいのではないでしょうか。

今回は本当に学び多き機会になりました。企画運営を行った同志社女子大学の上田信行先生のゼミ生のみなさん本当にお疲れ様でした!

■関連する書籍

上田信行先生がやられてきた実践についてはこちらの本にまとまっています。ワークショップの源流を知ることもできると思うのでおすすめです。ぼくも少しですがコラムを書いています。

プレイフル・ラーニング
上田 信行 中原 淳
三省堂
売り上げランキング: 8,915

■関連する情報

先日ワークショップのデザインについて、東京大学大学院博士課程の安斎勇樹さんと対談を行いました。対談の様子は「人材教育」の3月号に掲載予定です。発売日が近づいたらまたブログでアナウンスさせていただければと思います。

http://www.jmam.co.jp/productservice/jinzai/index.html

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