月別アーカイブ: 2013年8月

大学での学び方、企業への組織社会化、そしてイノベーションへ:8月のブログ記事まとめ

8月は久しぶりにブログを更新したことをきっかけに、いいかんじに毎日ブログが更新できました。

基本的には自分が関わっているプロジェクトや研究に関するネタで書いているのですが、テーマはかなりバラバラとしているので、記事ごとに対象となる読者や、テーマがころころと変わっていた気がします。

今回は8月最終日ということで、記事のリンクをまとめて貼るとともに少しカテゴリに整理してみました。あらためてまとめると、ぼくが8月に書いていた記事はだいたい以下のように整理できます。

・大学生を対象に、大学での学び方に関する記事
・大学教育に興味を持っている人を対象に、いま大学がどう語られているかに関する記事
・大学から企業へ移行するときにどうやって組織になじむのかに関する記事
・組織に入ってからどうやってイノベーションを起こすのかに関する記事

かなりバラバラ書いていた気がしますが、実はうまく時系列に整理できるんじゃないかなと思います。あんまり意識はしていなかったのですが、現在ぼくが「大学から社会への接続(トランジション)」に関する研究をしているからでしょうかね。

色々な視点から物事を見てみると、あらためてそこで言われていることの意味が浮かび上がってくることがあると思います。今回書いた記事がそのような機会になればいいなと思います。

読み逃したもの、興味があるものがあればぜひ読んで感想いただけますと幸いです。

■主に大学生向けの記事

■主に大学教育に関心のある方を対象にした記事

■企業に適応するというフェーズに関する記事

■イノベーションに関する記事

最後の記事はコラム的ですが、イノベーションや創造ということとかなりリンクする話だと思います。

ブログを書くと自分のなかで頭が整理できるのでかなりいいのですが、自分が何を考えているかがダダ漏れしているようで、ちょっと恥ずかしくもありますね(笑)9月も引き続きブログを更新していきたいと思います。

「そんなことで驚くの?」:「普通のこと」を話す意味

自分にとってはすごく当たり前のことでも、他人からすると意外に驚くことってたくさんあると思うのですよね。例えば、研究者が普段当たり前のようにやっている色々な事も、研究領域以外の人からすると「へー、そんなことをやっているんだ」って思うのではないでしょうか。

先日「医療業界」の方々と色々お話しする機会があったのですが、そのときもぼくからすると色々意外なことがたくさんありました。「へー、そんなことするんですね」、「なんでそういう分類なんですか?」とか、色々面白いんですよね。

でもぼくにとって意外なことでも、医療業界の人からすれば、特に驚くこともない「日常」であって、「そんなことで驚くの?」ってかんじだと思うのですよね。

そこで話される話は「すべらない話」でも「オチのある話」でも「大爆笑トーク」でもありません。「今日こんなことしたよ」っていうくらいの日常の話なんです。でも、お互いにとってそれが知らないことであれば「へー!そうなんだ!」ってことになるんですよね。いたって「普通のこと」が、ほかの人にとって「普通じゃないこと」ってなにか面白いですよね。

■創造性と「普通のこと」

以前、東京学芸大学で即興演劇(インプロ)を教えている高尾隆先生のワークショップに参加したときに、「創造的であるために必要だけど、人々が無意識に避けてしまうこと」を3つ教えてくれました。そのひとつが実は「普通のことを言う」でした。

アイデアを話すような場所で「普通のこと」を言うのはなんかはばかられますよね。でも、この「普通のこと」が意外に大事という話だった気がします。それは、ある場所で普通のことが、別の場所の人にとっては全然普通でないことがたくさんあるからだったと思います。このように「普通のこと」って実は創造のタネになるような活動なのに、意外にそういう機会ってないような気がするんですよね。

例えば「異分野で集まって何か議論しようぜ!」みたいなイベントだと、なんだか肩肘に力が入り「なにかうちの現場のすごいこと言わなくては!!」みたいになってしまうんじゃないでしょうかね。でも実は「普通のこと」を話すだけでも面白いんですよね。

■普通のことを普通に話せる場所をどうつくるのか

実はこのあたりにジレンマが潜んでいる気がします。ある現場のなかで「普通のこと」は、普通にしていたら常識なので、周りにいる人とはそもそも話すこともないし、話したら「なにそんな当たり前のこといってんのよ」ってなるわけですよね。

「普通のこと」が「へー!」ってなるためには、「普通」を共有していない人のところに行かなければなりません。しかし、「普通のことが、へー!」ってなる場所は、「普通じゃないところ」なわけですよね。

そういうところにいくと、「なにか面白いこと言わなくちゃ!」と思って、「普通じゃないこと」を言おうとしてしまうんじゃないでしょうか。そうすると、せっかく「普通のことが面白い」のに、そのチャンスを逃してしまう気がするんですよね。

こうして、「普通のこと」を「普通のことを共有していない人と話す機会」が結果的に失われてしまうんじゃないかなというわけです。困りましたね。

■「普通」って言い過ぎた

さて、今日はやたらと「普通」と言ったのでもはや「普通」という言葉が「普通」じゃなくなってきました。

別に今日のブログはオチのある話ではないのですが、「多様な人と会う場所」とか、ある場所から「越境してだれかと会う」という機会は、自分たちの「普通」を問い直す機会になるわけですよね。本来は。

実際にそうなることも多いのですが、実は意外なことに多様な人が集まって「普通のことを話せる場所」はそう多くないのではないかというのが最近感じていることです。

多様な人を集めると、とたんに「特別なこと」を話そうとしてしまい、かえってそのよさを失うこともあるのではないかと思うのですよね。本当は普通でいいのに。なので、ぼくは少しこれから「普通のことを話す場づくり」みたいなことを頭の片隅にいれておきたいなと考えています。

このブログでもどんどん普通のことを書いていけばいいのかもしれませんね。

でも言えば言うほど、「普通ってなに!?」って思いますね。なにか聞いたりして、「普通でいいよ」と言われると、一番困ったりしますしね。

「普通」のくせに、なんて深淵なる言葉なんだ。

■関連する本

インプロ教育―即興演劇は創造性を育てるか?
高尾 隆
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いま求められている力ってどんなもの? 学士力、社会人基礎力、21世紀型スキル

いまの時代に必要なものは「○○力だ!」という議論は色々見かけることがあると思います。ぼくは教育関連の研究をしていますので、こうした議論は多いに関連があります。なぜなら、教育としての「ゴール」として意識されるからです。そして、その「ゴール」を達成するために、どんな「教育方法」がもっとも有効なのかということを考えていくわけですね。

今回はその「ゴール」としていわれるもののなかから、大学教育に関連が深い「学士力」「社会人基礎力」、そして大学教育ではありませんが近年注目されている「21世紀型スキル」について簡単に紹介したいと思います。

【学士力とは?】

2008年に文部科学省の中央教育審議会が「学士課程教育の構築に向けて」において公表したものです。4つの分野にわかれ、全体で13の要素に分かれています。長くなるので基本的に以下は分野のみ書いていきます。

1.知識・理解
2.汎用的能力
3.態度・志向性
4.総合的な学習経験と創造的思考力

知識だけではなく、汎用的能力、態度・志向性、そして創造的思考能力などが求められているのがわかります。リーダーシップなども3の中に含まれています。

【社会人基礎力とは?】

2007年に経済産業省が『「社会人基礎力」育成のススメについて-社会人基礎力育成プログラムの普及をめざして』において公表したものです。3つの分野に分かれ、全体で12の要素に分かれています。

1.前に踏み出す力(アクション)
2.考え抜く力(シンキング)
3.チームで働く力(チームワーク)

社会人基礎力も学士力と共通するスキルが多いという印象があります。こちらは学士力に比べると、より具体的といえるかもしれません。分類などが妥当かどうかはさておき、わかりやすいという印象を受けるかもしれませんね。

【21世紀型スキルとは?】

「ATC21s」(The Assessment and Teaching of 21st-Century Skills)が提唱したスキルです。こちらは大学向けではありませんが、近年とても注目されています。内容は大きく4つの分野にわかれています。

1.思考の方法:創造性、批判的思考、問題解決、意志決定と学習
2.仕事の方法:コミュニケーションと協調
3.仕事の道具:情報通信技術(ICT)と情報リテラシー
4.市民生活:市民性、生活と職業、個人的および社会的責任

「学士力」「社会人基礎力」との共通点もけっこうありますね。ここにも創造性などが含まれています。

・まとめ

今回は特にそれぞれについて詳細に考察はせず、まずはこんなことが言われているよという紹介をしてみました。ざっと眺めてみてどう思いますか?

あえてむりやりこれらの力をいれこんだ人物を想像してみると、

「複雑化する社会のなかで、答えの決まっていない問題に、リーダーシップを発揮しながら、色々な人と協調したりICTを使いこなしながら、時に批判的思考を働かせ、いままでにない解決策を導き出し、そして行動する人」

が求められているのでしょうかね。なかなかハードル高いですね(笑)

こうやってまとめてみると、それぞれについてどのくらいの力があればいいのかとか、最低限つけたいミニマムの力はどこで、どこが理想なのかとか色々疑問も湧いてきますね。

これらをより具体的で現実的なゴールとしてどう落とし込むのかというのがひとつ問題といえるかもしれません。

もうひとつはどうやってその能力を身につけるのかですね。ざっとみたかんじで、それぞれの能力はつながっていますよね。「創造力だけつける」とか「チームワーク力だけつける」みたいなかんじではなく、ある方法をおこないながら、複数の力が関連付いて身についていくというイメージですよね。複合的にうまく身につけていけるような教育方法が求められているともいえるのではないでしょうか。

ということで今回はいろいろな能力・スキルについてまとめてみました。今回取り上げただけでも3つですが、リテラシーとかいれはじめるとかなり増えていきますね。また機会をみてまとめてみようと思います。

■関連する文献

松下 佳代
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批判的思考力を育む--学士力と社会人基礎力の基盤形成
有斐閣
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イノベーションが実現するまでの時間、困難、解決策は?

先日も紹介した「イノベーションの理由 資源動員の創造的正当化」の本から、個人的になるほど!と思った部分を抜粋しつつ紹介したいと思います。

今回は「時間」「困難」「解決策」の3つに焦点を当ててみました。(この本では、イノベーションの理由について23の事例をもとに検討しています。)

・スタートから事業化までに平均約9年

イノベーションのスタートを「商品の着想や、要素技術の開発に着手したタイミング」とすると、事業化するまでに約9年かかるそうです。やはりそのくらいかかるのですね。

私は最初に「長い」と感じましたが、みなさんはどうでしょうか。当たり前かもしれませんが「新しいアイデアを発見して、よしGO!」というわけにはいかないのだなということを感じました。

でもたしかに私たち研究者にとっても、新たな研究のアイデアを考え、実験や分析をして、論文化をし、さらに社会にでるというところまで考えると同じくらいの年月がかかるのでそんなものかもしれませんね。

・事業化に向けて資源動員することへの抵抗や批判を受けたり積極的な支持を受けられなかったケースが半数以上

イノベーションはそもそも客観的な経済合理性を欠いているので、なかなか事業化にたどり着けないというジレンマをやはり多くの事例で体験するようです。このあたりについては前回のブログでも書きました。

「新しいものが必要だけど、前例がないからお金や人を出せない」という矛盾を超えるには?
http://www.tate-lab.net/mt/2013/08/post-285.html

アイデアをカタチにするためにやはり多くのハードルがあるようですね。

・客観的で合理的な理由を欠いているものにゴーサインをだす?

ではどうやって乗り越えたかのか?ポイントはこの本のタイトルにもある「創造的正当化」です。客観的な経済合理性によって合意するのではなく、特定の推進者と特定の支持者が理解して認めるというプロセスのことをさします。経済合理性を乗り越えるためには、ある意味客観的に、みんなに認められるというプロセスとは異なるのでしょうね。

本書の中では具体的にどのようなプロセスで合意したのかプロセスやパターンが詳細に書かれています。

・まとめ

今回は本のポイントをもとに書いていきました。イノベーションというと「新規なアイデア・技術」に焦点が当たりますが、事業化するためには本当にいくつもの壁を乗り越えることが必要になりそうです。こうした「実現化」の部分においてどのようなプロセスが必要かということに焦点を当てた研究はすごく面白いなと思います。

・研究会を実施します

このあたりのことを自分自身もより勉強しようと思い、9/18にこうした社内でのイノベーションの実現プロセスについて、実際の企業の事例を紹介していただいたり、今回紹介した創造的正当化の理論など、社内でのイノベーションの実現化に関する研究知見の紹介をいただき、ディスカッションする研究会を実施します。

今回紹介した理論などについてもより詳細に理解するきっかけになると思います。当日はゲストとして、実際に社内のイノベーションプロセスについて仕事として関わられている伊達洋駆さん(株式会社ビジネスリサーチラボ)、イノベーションに関する研究をされている福澤光啓さん(成蹊大学)をお呼びします。

おそらく企業の中で、実際にこうしたプロセスに直面され、悩みを抱えている方も多いのではないかと思います。研究会は、一方的な講演形式ではなく、参加者の方同士も気軽に対話できる時間も多く設けています。ぜひ一緒に対話できれば幸いです。

お申し込みはこちらのフォームをご利用くださいませ。
http://goo.gl/q1JWM6

■関連する文献

この本の内容をもとに今回は記事を書きました。

イノベーションの理由 -- 資源動員の創造的正当化
武石 彰 青島 矢一 軽部 大
有斐閣
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ゲストの福澤さんが執筆されています。

組織論レビューII
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どうやったら組織になじむことができるのか?:組織社会化という研究

最近「組織社会化」という研究キーワードについて色々調べているので、せっかくなので調べたことをお裾分けしようと思います。どういう研究領域なのかを簡単に説明してみることにします。ブログなので厳密性についてご容赦くださいませ。

■組織社会化って何?

「組織社会化」と言われると難しそうなかんじがしますが、厳密性をおいてすごく簡単に説明すると「ある個人が新しく参入する組織に適応していく過程」といえると思います。ある組織になじんでいくプロセスってことですね。

例えば、会社に就職した場合、その会社に適応していくプロセスは組織社会化といえます。そう定義すれば、この過程を経験したことがないっていう人はほとんどいないんじゃないかなと思います。

「組織になじむこと」は、個人を受け入れる「組織」にとっても、組織に入る「個人」にとっても大事なことです。例えば、自分が企業の立場にたってみた場合に、入社した人たちにしっかりと自分の組織になじんでもらうことは重要ですよね。組織になじまずやめられたりすると困りますよね。

一方、個人の立場にたってみても、最低限組織になじむことは大切ですよね。「組織社会化」に関する研究は、こうした「組織になじむプロセス」について探究している分野といえるかもしれません。

■組織側と個人側、どっちの立場に立つのか?

研究のアプローチはさきほどいった「組織側」、「個人側」のどちらの視点に立つかで異なります。

(1)「組織になじんでもらうために、組織がなにをするか?」という視点

組織側の視点に立った研究では「なじんでもらうためにはどういうことをしたらいいの?」ということが問いになります。例えば、入社直後に何をすればいいのかとかに関することですね。こうした企業からの働きかけは「社会化戦術」と言われ、さまざまな研究蓄積があります。これらの研究は「なじませたい側」に情報提供するものですね。

(2)「組織になじむために、個人がなにをするのか?」という視点

一方、個人方の視点に立った研究では「なじむためには何をすればいいの?」とか「なじんでいる人はどういう特性を持っているの?」ということが問いになります。例えば、組織社会化を促進する要因として、自ら自発的に情報を集めたりする「プロアクティブ行動」が有効であるという研究や、組織に対する「期待と現実が一致すること」が大事とする研究などがあります。これらの研究はどちらかというと「なじむ側」の個人に情報提供するものになります。

■とりあえずのまとめ

これ以上説明するとだいぶ長くなりそうなので、今回はここで一度切ろうと思います。

組織社会化というテーマについては、私たちは常に「組織側」「個人側」どちらの立場も経験することがあるんじゃないかなと思います。

例えば、採用担当者ではなくても、自分の大学に後輩が入ってくる、自分のサークルに新しい人が参加する、自分の職場に新人がやってくるなどなど、色々な場面がありますよね。そのときにどうやって新人のひとたちにうまくなじんでもらいますか?その方法を探究しているのが組織側の研究といえると思います。

一方、個人側の立場になってみると、私たちは色々な節目で新たな組織に参入しますよね。高校から大学、大学から企業というのもそうでしょう。企業のなかでも違う部署に異動するとなれば、またその組織になじむ必要があるでしょう。そんなときにどうやって組織になじもうとしますか?その方法を探究しているのが個人側の研究なのかなと思います。

「新人になじんでもらうためにどういうことに気をつけているか?」
「組織になじむためにどのようなことを意識しているか?」

についてもしみなさんの経験があればぜひ教えて下さい。現時点でどんな方法が有効といわれているか、組織社会化の問題点、気をつけなくてはならない点などについては、また余力があったらブログを書こうと思います(笑)。

今回は組織社会化に関する研究のお話でした。

■関連する記事

「組織社会化」を学ぼう!
http://www.tate-lab.net/mt/2010/03/post-167.html

■告知

【参加者募集 2013/9/18(水) 19:00- @渋谷】社内の資源を有効に使ってイノベーションを起こすには?

申し込み&詳細は以下のリンクからお願いします。

http://goo.gl/q1JWM6

SA(Student Assistant)に求められる力とは? -SA引き継ぎ合宿に参加してきた!-

今週末は、今年非常勤をしていた立教大の授業に関する合宿に参加していました!この合宿のポイントは「SA(Student Assistant)の引き継ぎ」です。

「SA(Student Assistant)」は大学によって多少違いがあると思うのですが、すごく簡単にいえば「先生と一緒に授業をおこなう学生」のことを指します。

大学では最近、グループワークなど学生が能動的に学習を進める授業が増えてきており、こうした授業をする上でSAは非常に重要な役割を担います。大学によってSAの役割はさまざまだと思うのですが、立教大経営学部の場合には、プリントを配ったりするだけではなく、学生の学びを支えるファシリテーターとして大事な役割を担っています。

今回の合宿では「SA経験のある学生」が「SA未経験の学生」に「SAのノウハウ」を引き継ぐことが目的でした。今回のブログではその合宿の内容を少し共有したいと思います。

■経験を語り合うプチワークショップ

今回の合宿ではぼくは「SA経験者と未経験者が情報共有をする」プチワークショップをやりました。その場でやることになったのでややあせりましたが(笑)、即興で頭をフル回転させて活動を考えてみました。

今回はワールドカフェのエッセンスを取り入れた活動をやってみました。(参考リンク:ワールドカフェとは http://www.humanvalue.co.jp/service/wcafe/)

ざっと活動を書くと、まず約30名の参加者を5グループに分けて、経験者と未経験者が入るようにします。経験者が語り、未経験者が質問するというところまではオーソドックスにやるのですが、そのときに「他の人にも共有したい大事なポイント」は書記にメモしてもらいます。

その後に、経験者はグループに残り、未経験者が隣のグループに移動してもらいます。そこでお互いのグループの議論を説明し直し、さらに議論を深めるというやり方をやってみました。(最後に、全体の共有、教員からのコメントなどもいれて、約1時間15分くらいです)

■SA(Student Assistant)に求められていることとは?

今回のワークショップの中で出てきた議論はとても面白く「SA(Student Assistant)に求められていることはなにか」について理解が深まりそうだと思いました。簡単にポイントをまとめてみようと思います。

・自分なりに「SAとはどのような存在か(役割か)?」について理解を深めること

まずどの班でもでていたのが、「SAとはどのような存在か?」についての議論でした。学生と距離が近づきすぎて単純にお友達になってしまうわけでもなく、距離を置きすぎて先生のようにふるまってしまうわけでもなく、一番良い関係をどのようにつくるべきかについての議論が盛り上がってきました。

このように、よいSAになるためには「よいSAとは何か」という自分なりの仮説をつくり、それを再構築していくことがポイントになるのだろうなと思いました。リーダーシップ仮説と共通するかもしれません。

・SAとはどのような存在かについて周りに示していく

もうひとつ上記のポイントに関連して面白かったのは、自分なりの「SAのあり方」を自分が理解するだけではなく、周りにしっかり示していくということが重要ということでした。つまり、「SAは何をして、何をしないのか」ということを、しっかり学生に伝えるということですね。

例えば、あるSAさんは、授業の最初にしっかりと自分の役割を提示する(みんなの前で話す)というやり方をしていました。必ず言う必要はないかもしれませんが、「何をして何をしないのか」、「どのような存在・役割なのか」ということ自分で理解した上で、行動や態度で見せていくことが重要なポイントになるのかなと思いました。

・授業の「内容に関する知識」をつけること

これは教員からのコメントででてきたポイントですが、授業の内容に関する知識の準備もしておこうということでした。もちろん、内容知の部分については教員がメインで担当するわけですが、質問に答えたり、いま議論がうまくいっているのか等をモニターすることを考えると、ある程度の内容的知識が必要になります。

「どのように支援するか」という方法的な知識と同様に、「何を」という内容的な知識もまた等しく重要ということですよね。「教えるために内容についても学び直す」というのはよいサイクルではないかと思いました。

・その他

その他にも「しっかり準備に時間をかける」「当たり前のことを当たり前にできるようにする」「受講生のことを考えながらも、長期的に自分の成長につながることを意識する」などといった意見がでていました。

■まとめ

さて今回は議論の中からSAに求められることについて書いてみました。もちろん今回出てきた視点は、これだけやればよいというものではなく、「こういう視点が大事かも」というあくまで仮説です。

ただ、議論を見ていると引き継がれることは「SAとして具体的にやるべきこと(手順)」だけではなく、「SAはどのような存在なのか」というある意味でいえば「信念レベル」の共有も非常に大事になるのだろうなと思いました。また、当たり前ですが、「方法論」だけでなく、「内容知」についてもポイントになるのかなと思いました。

最初にも書きましたが、大学教育でグループワークやプロジェクト学習などを取り入れ、その効果を十分に発揮するために、SAがかなりキーになってきます。

そのように考えると、教員は「自分の授業を開発して、自分がよい授業をする」ということももちろん大事なのですが、SAをうまく巻き込んだりしながら、チームとしてよい授業をつくりあげるという視点も非常に重要になってきているのではないかと感じました。

SA制度を取り入れて実践されているところも増えてきていると思いますので、色々と情報交換する機会があるといいなと思ったりします。なにかこんな工夫をしているということがあればぜひ教えて下さいませ!

ちなみに、色々まじめに書いてみましたが、合宿なので学習セッション以外にもたくさん学生や、先生たちと話す機会があり、単純にとても楽しい二日間でした。印象深い思い出がたくさんあり、思い出すと顔がニヤリとしてしまいます(笑)「楽しい」ということは時々軽視されることもあると思うのですが(「楽しいだけじゃ意味がない」とか)、それでもまずは「楽しい」ということはとても重要なことだと思いました。

幹事のみなさん、参加された学生・教員のみなさま、本当にお疲れ様でした!

■関連する本

・立教大学経営学部の取り組みについてはこちらの本に詳細が書かれています

大学教育アントレプレナーシップ―新時代のリーダーシップの涵養
日向野幹也
ナカニシヤ出版
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・ワールドカフェのやり方についてはこのへんがよいのではないでしょうか

ワールド・カフェをやろう!
香取 一昭 大川 恒
日本経済新聞出版社
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ワールド・カフェ~カフェ的会話が未来を創る~
アニータ ブラウン / デイビッド アイザックス / ワールド・カフェ・コミュニティ
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・学びと楽しさについてこちらの本が参考になるかもしれません。ぼくもコラムを数ページ書いています。

プレイフル・ラーニング
上田 信行 中原 淳
三省堂
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「いま大学教育ってどう語られているの?」ってことについて簡単にまとめてみた

最近「大学におけるグループワークのやり方」や「本を読む習慣をつける方法」に関する記事を書きました。今回は少し視点を拡げてみた記事を書いてみようかなと思います。

大学教育関係者の人はすでにおなじみだと思うのですが、このブログを読んでくれている大学生や社会人の方に、自分がまとめる機会も兼ねて、「大学教育がいまどういうふうに語られているか」について、ちょっとだけご紹介してみようかなと思います。

ブログなので非常にざっくりした説明になりますが、そのあたりはブログの限界ということでご了承くださいませ。

・大学教育の改革が求められている理由

まず前提としてですが、大学教育は改革が必要と言われています。その理由としてよくいわれる言葉が「ユニバーサル化」「グローバル化」の2つです。ややこしいですが、言われていることはシンプルです。

・多くの人に大学が開かれた状態になっていく「ユニバーサル化」

まず「ユニバーサル化」。これはすごく簡単にいうと「大学が一部の人だけがいくところじゃなくて、多くの人に開かれていく状態」のことを指します。よく大学全入時代とか言われてたりしますよね。昔は大学に行く人はかなり限られていたわけです。

アメリカのマーチン・トロウという研究者は、大学に入学してくる人の割合が増えると、大学教育の質が変わるよということをモデルにして示しました。トロウ・モデルと言われています。モデルの詳細についてここでは述べませんが、あえてものすごくざっくりいえば「量が増えれば、質もかわる」ということのがひとつのポイントです。

「いままで一部の人しかこなかった場所に、多くの人が参加するようになれば、その教育方法もかわらないといけないよね」というのは感覚的に理解できるかなと思います。

ちなみに、ユニバーサル化が進むと「親や家族に高等教育進学経験者がいない人」(第一世代と呼ぶらしいです)が増えてきます。ちなみにぼくも第一世代です。アメリカの調査では、第一世代かそうではないかによって、大学への適応に差があるという結果もあるようです。(日本ではまだちゃんと調査されていない状況だと思います)(※すでに色々調査がされているようです 8/23 18:30加筆)

まあそんなかんじで、大学教育がかわらないと!と言われている一つの理由は、すごくシンプルにいえば「大学にいくことが特別なことではなく、より開かれた状態になった」ということなのです。「来る人がかわれば、対応もかわる」という状態です。

・国境を越えて、社会、経済などの関連が深まっていく「グローバル化」

もうひとつよくいわれることに「グローバル化」があります。グローバル化によってどうすべきといわれているかというと、

・グローバル化のなかで日本が他の国との競争に勝てるような人材を育成すること
・グローバル化のなかで多様なひととコミュニケーションしながら問題解決できる人を育成すること

等が言われています。グローバル化する社会の中で、競争力を持ったり、こういう時代のなかでの「市民」を育てるということが大学の目標になっていたりするためです。「21世紀型市民」とか言われることもあります。

こうした背景を受けて、秋入学を検討するといった、構造的な話から、教育方法の変化まで色々な点で変化が必要になっているというかんじになります。

・外的な変化にどう対応するのか?

ということで今回は大学教育のなかでよく言われる「ユニバーサル化」と「グローバル化」についてご紹介しました。

すごく端的に言ってしまえば、こうした2つの大きな環境の変化によって、やり方をかえる必要がでてきたということです。こうした環境の変化に対応するべく、いろいろな対応策がうたれています。

例えば、ユニバーサル化については、多様な学生が入学してくる状況に対して、レポートの書き方などを含む、学び方について学ぶような授業が整備されるようになりました。

グローバル化についても、例えば秋入学の話が議論にのぼったり、さらにいえば、多様な人とのコミュニケーションする能力が求められるなど、教育方法自体も変化するようになりました。

ここで示したのはほんの一例ですが、いまなお、さまざまな改革がおこなわれているというかんじになります。

・まとめ

今回はブログなので、かなりざっくり書きました。今回は「ユニバーサル化」「グローバル化」だけについて書きましたが、実際はさらに産業界からの要請もひとつのポイントになるでしょう。

そのへん粗い議論にはなりますが、一応大学はいまそういう状況に置かれ、それに対応するような教育方法の改革をおこなっているよというかんじです。

たまにはこうやって大きな視点からみてみるのも大事なことかなと思ってブログに書いてみました。大学に関する議論を知るときのなにかの助けになれば幸いです。

大学時代にどうやって本を読む習慣を身につけたか?

先日ある大学生とお話ししていたときに「本を読む習慣を身につけたいんですが、どうしたらいいですかね」ということを聞かれました。

たしかによく考えたらどうやって本を読む習慣を身につけたのかなと思ったので、自分が大学時代にやったことを少し書いてみようと思います。

3つポイントを書いてみました。

1.まずは「良い本」のリストを探してみる

ぼくが大学時代に最初に思ったのは「大学にきたし本をたくさん読むようにしよう。でもなにがいい本かわからないなあ。なに読んだらいんだろう」ってことでした。

やっぱり本を読むのは時間もお金もかかりますから、どうしてもハズレを引きたくないなと思いますよね。

そこで参考にしたのが、大学の先生が公開している「おすすめ本リスト」でした。

先生によっては「この領域に興味があるならこういう本を読むといいよ」というおすすめ本リストを、ウェブサイトに公開しているのですよね。その本のリストを見て、そのなかでピンとくるものを借りるようにしていました。

その他にも授業で「教育に関する書籍 100冊」みたいなリストを配ってくれる先生がいて、その中でタイトル的に興味がある本を借りてみるということをしていました。

いまは昔に比べて、先生がネットに情報を公開しているケースが多いですから、まずは「その分野でいいとされている本がなにか」という情報を見つけるといいと思います。

さらに、もし自分の周りに「この先生の授業が面白い!」という人がいるのであれば、思い切って本人に聞いてしまうのもいいと思います。「こういうことに興味があるのですが、おすすめの本はありますか?」と聞かれていなや思いをする先生はいないと思います。

結局「読みたい本」が見つかれば、勝手に本を読むようになるので、「自分の興味にあいそうな本をみつけること」がまず第一歩になりますね。

ちなみにぼくもブクログというサービスで教育ジャンルの古典系についてはこちらにまとめています。自分で紹介していて、もうちょっとちゃんとリスト作ろうと思いました(笑)ごめんなさい。

2.とりあえず図書館に足を運ぶ

次にやったことは、図書館にとりあえず行くということでした。当たり前なんですけどね。図書館に限らず、大型の書店でもいいです。

重要なのは「ちゃんと読むこと」ではなくて、まずはとにかく「自分に関連する図書館の棚はどこか」を知ることかなと思います。棚の前に立ってみると、関連するタイトルがたくさん並んでいるので、そこで意外に「これ面白そうかも」と思う本に出会えたりします。

実際に本を手に取るのも大事なんですよね。ネットで検索して、図書館にいって実際の本を見たら、

「げっ、この本こんなに分厚いの!?」
「かなりたくさんの人が借りている古い本だなあ」
「めちゃくちゃアンダーラインひかれているんだけど・・・」
「この本借りたの俺がはじめてじゃね」

などといった気づきがあります。これもけっこう大事なんですよね。

そして気にいったものがあれば、とりあえず借りてみます。せっかくだから2〜3冊かります。でもたいてい最初から最後までしっかり読めた試しはなかったような気がします(笑)最初はそれでもいいのではないかなと思います。

最初はとにかく「自分の中でも目次作り」が大事なのだと思います。目次というのは「こういうのが読みたかったら、このへんに行けばいい」とか「こういうことはあの本で見かけたな」みたいなものですね。

「あのへんに、あれがありそう」という感覚をつくるだけでも非常に大きな意味があると思います。

「全部を最初から最後までしっかり読んで内容を要約できる!」みたいな状態をいきなりめざすのではなく、「図書館にいって、本を借りて、読んで、返す」という行動の習慣をつけてみるだけでも意味があるように思います。

3.人に話すようにする

最後は「本の内容を人に話すようにする」ということですね。やはりなんでもそうですが、「人に話そうとする」と本の内容もよく覚えます。「こういう本に、こんなことが書いてあった」というかんじですね。

もちろん、突然「こないだ○○という本読んだら、○○って書いてあってさ」と言われたら少しひかれてしまうかもしれません(笑)ただ、そういうことを話せる友達をつくっておくというのはとても大事なことだと思います。

小学校や中学校の頃、「ジャンプ」とか「マガジン」を読んでいた人ならわかると思うのですが、楽しいのは「読んでいるとき」だけではなく、「クラスでみんなでその話題について話しているとき」なんですよね。テレビドラマもそうじゃないでしょうか。見ることの楽しいですけど、その後話すことも楽しいですよね。

「ああだこうだいうのが楽しい」からこそ、それを読んでしまうということもあるのではないでしょうか。

本も同じです。本を読むことと同じくらい、「読んだ本について一緒に話すこと」は楽しいので、そういう楽しみを共有できる仲間を見つけると、自然とさらに本を読むようになると思います。

■まとめ

ということで、今回は3つ書いてみました。

1.まずは「良い本」のリストを探してみる
2.とりあえず図書館に足を運ぶ
3.人に話すようにする

なんでもそうですが、習慣になれば苦にならないけど、最初に習慣をつくるというのは大変ですよね。最初は無理をするのではなく、徐々に周辺からせめていくことで、気づいたら習慣になってしまうのかなと思います。読者の方で、自分はこうやったという話があったらぜひ教えてくださいね。

ちなみに「読書習慣」については、濱中淳子さんがこちらの本の中で調査をもとに意義を述べていますので研究的にも興味があるという方は参考になるかなと思います。

検証・学歴の効用
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■関連する記事

学び方に関する記事はこちらにまとめてありますので参考になれば幸いです。

【大学生・院生向け】文章の読み方・書き方・考え方・発表の仕方まとめ?

http://matome.naver.jp/odai/2133342163910863801

「新しいものが必要だけど、前例がないからお金や人を出せない」という矛盾を超えるには?

イノベーションの理由 -- 資源動員の創造的正当化
武石 彰 青島 矢一 軽部 大
有斐閣
売り上げランキング: 210,807

先日「イノベーションの理由 – 資源動員の創造的正当化」という本を読み直しました。この本が面白いのは、タイトルに書いたような「新しいものが必要だけど、前例がないからお金や人を出せない」という矛盾をどうやって超えるのかということについて探究している点かなと思います。

普通はイノベーションというと「どうやって新しい発明をするか」を考えたくなるわけですが、本書は「その発明にどのように資源を動員してもらうか」に焦点化した研究になります。

例えば、この本の中に、こんな文章があります。(p.19-20)

イノベーションの実現には、不確実性故に事前には成功の見通しがない中で、しかし他者の資源を動員しなくてはならない、という矛盾がつきまとい、資源動員への壁が立ちはだかる。

だが、革新的だが不確実性の高いアイデアからイノベーションを実現することを目指す者は、この壁を乗り越えなければならない。この壁を乗り越えた者だけがイノベーションを実現し、「想定外の成功」にたどり着くことができる。

面白いですよね。イノベーションというのは本質的に「不確実」なわけです。でも「不確実だから資源動員をするのは難しい」となるわけですよね。その矛盾を乗り越えないと実現につながらないわけです。

ではこうした矛盾をどう乗り越えるのか?
不確実なものに対して資源動員をするための「まっとうな理由」をどうつくりあげるのか?

ということについて「創造的正当化」という概念のもと、たくさんの事例を検証しています。

最近この研究のことがいつも頭の片隅にあるかんじがします。

例えば、「新たな教育環境をつくりたい!」と思ったときに、「新しく革新的な教育方法」を考えることは大変重要なのですが、それに対して資源動員してもらうことも等しく重要です。そう考えたときに自分ができることはなにかということを色々考えてしまうのですよね。

例えば、大学教育については、立教大学の日向野先生が最近書かれた「大学教育アントレプレナーシップ」という本の中に印象的な文章があります。(p.27-28)

BLPはどこにもない独特な教育方法ばかりを採用しているわけではなく、米国の大学や世界のMBAなどで既に使われている手法を学部生向けにアレンジし組み合わせ、カスタマイズしたものという面が強いので、その意味では教育手法やツールを発明したとは言い難い。それよりはむしろ、教員と学生自身の、ピア・リーダーシップ(カリスマ性や権限によらないリーダーシップ)によって徐々に大学の承認を獲得していく過程にこそ特徴があるのではないかと考える。

本文では、この文章のあとに、今回紹介している「イノベーションの理由 – 資源動員の創造的正当化」の議論を紹介し、立教大の実践を「創造的正当化の事例」として捉えることができるのはないかということが書かれています。

この議論は教育の問題を考えるときに重要な視点になると思うのですよね。私はどちらかというと研究として「新たな方法を開発する」ということに近いことをしていますが、開発したものが実際に提供されるためには「資源動員のプロセス」は非常に重要なわけで、そのあたりのことが頭の中をめぐっています。

ということで、今回はイノベーションにおける資源動員について考えてきました。結局イノベーションを実現するためには、「新しいアイデア」「資源の動員」どちらも必要になってくるので、うまく両輪がかみ合うポイントを考えていきたいですよね。

告知になりますが、今回の内容に関する議論(大学教育の話はしませんが)は、今度研究会をおこない、事例や理論について検討する予定です。興味のある方はぜひご参加くださいませ。

【参加者募集】社内の資源を有効に使ってイノベーションを起こすには?(9/18)

https://docs.google.com/forms/d/1FxeWUzXvBpqNx4V2lfd14xhIyQW3CrWnApjqgc91tVU/viewform

■今回紹介した本

イノベーションの理由 -- 資源動員の創造的正当化
武石 彰 青島 矢一 軽部 大
有斐閣
売り上げランキング: 210,807
大学教育アントレプレナーシップ―新時代のリーダーシップの涵養
日向野幹也
ナカニシヤ出版
売り上げランキング: 9,646

大学生が授業時間外にグループワークをするときに何に気をつけるべきか?

最近大学の授業でグループワークを行うものが増えてきています。授業内にやるものもありますが、なにか課題を授業時間外にやるものも多いでしょう。

授業時間外のグループワークについては、基本的には教員にとっては「見えない場所」になります。なので、なかなかグループワークのやり方そのものについて問いかけを行ったり、介入することが難しいのですよね。

学生のみなさんにとっても、他のグループがそもそもどういう雰囲気で、どのようにやっているのかというのを見る機会は少なかったりするんじゃないでしょうか。

授業時間外にグループワークをうまくやるためのコツみたいなものはかなりたくさんあると思うので、なかなか「これだけやるといいよ!」みたいなものをいうのは難しいのですが、ぼくが前期に非常勤の授業をやっていて気づいた点を今回をちょっとだけ書いてみようかなと思います。

「これで絶対大丈夫!」みたいなものではないですが、今回取り上げた内容は、学生さんたちが、自らのグループワークを振りかえるときによく話題として挙がっていたものになります。

グループワークがうまくいっているかを確認するために、以下の5つの問いかけを行ってみるのはいかがでしょうか。

1.今日やるべきことは決まっている?

授業時間外にグループで集まったものの、今日は何をどこまでやるという具体的な目標が決まっていないということは多いのではないでしょうか。決まっていても漠然としていないでしょうか。短い時間でしっかり成果を出すためには目的意識が大事になるのではないでしょうか。

2.何人で、どのくらいの頻度で集まる?

授業時間外にメンバー全員が集まるのは、他の授業、バイト、サークルなどもあり、なかなか難しいことです。全員で必ず集まる機会をつくるのも大事ですが、これにこだわりすぎるとかえって、まったく集まらないで個々人が別々に進めることになったりします。オンラインのツールをつかったりしながら、どのような体制でやることがベストなのかを吟味するとよいのではないでしょうか。

3.雑談の量は多すぎない?少なすぎない?

グループワークにおいて最初は人間関係を作ることも大事だと思います。その意味では、雑談も一定の機能があると思います。しかし、当たり前ですが、雑談が多すぎると、ミーティングは前に進みません。自分たちのグループはどっちによっているかを考えてみるのはどうでしょうか。

4.雰囲気は重すぎない?もしくは軽すぎない?

雑談と関連しますが、雰囲気が重すぎるとなかなか意見を言いにくくなったりします。一方で、軽すぎると盛り上がったけどなにも決まっていないということなりがちです。自分たちのグループはどっちによっているでしょうか。

5.人の意見を聞きすぎていない?自分の意見を話しすぎていない?

人の意見を尊重することは大変大事です。でも、頷いてばかりではアイデアが深まりません。一方で、自分の意見を押し通そうとしすぎるのもよくありません。グループでやるよさを引き出すことができません。
自分はどちらかというとどっちのタイプでしょうか?グループの状態はどうでしょうか?

今回挙げた5つは、実際に学生さんたちが自らのグループワークについて語っていた内容をもとにまとめてみました。

もちろん上で挙げた5つの問題が起こるのは、もう少し深い本質的な問題がある場合もあると思います。「なぜ」こうした問題が起きてしまうのか、「どのように」この問題を解決するのかについては、グループのなかで深めていく必要がありますよね。

グループワークが難しいのは「全てのチームがこれやっとけばOK!」というよりも、個々人の特徴やグループの特徴によって、課題がかわると思うのですよね。

そのためには、「いまの自分たちの状況はどうなのかな?」と考えてみたり、「それを改善するためにはどんな工夫ができるのかな?」ということを考えてみることなのかなと思います。

今回はとりあえず5つのものを挙げてみましたが、今後もう少しこのあたりを深めていきたいなと思います。なにかコツや自分たちはこんなことを注意しているよというものがあったらぜひ教えてくださいね。

■告知

9/18に以下のイベントを開催します!参加は25名限定となりますので、興味のある方はお早めにお申し込みくださいませ!

【参加者募集】社内の資源を有効に使ってイノベーションを起こすには?(9/18)
https://docs.google.com/forms/d/1FxeWUzXvBpqNx4V2lfd14xhIyQW3CrWnApjqgc91tVU/viewform