修論・卒論のプレッシャーと戦うあなたへ!-スポーツのメンタル・コーチに学ぶプレッシャーとの付き合い方-


新年明けましておめでとうございます。
1月のこの時期は、修論・卒論の締め切りが近くなり、プレッシャーもかかってくる時期かなと思います!提出がおわっても、口頭試問などがあることが多いですよね。

今日は応援もかねて、スポーツのメンタル・トレーナーをしている白石豊さんの著作から、「プレッシャーがかかったときにどうすればよいのか」について、ポイントをしぼってご紹介したいと思っています。

本番に強くなる―メンタルコーチが教えるプレッシャー克服法
白石 豊
筑摩書房
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白石さんは、大学の先生でもありますが、日本のオリンピックのチームと帯同するといったように、「理論と現場の往復」を実践されている方といえると思います。本の帯には、元サッカー日本代表監督の岡田さんも、この本を読んでいたと書かれています。この本は白石さんが経験してきたエッセンスが凝縮された一冊といえるでしょう!

僕も読んでいて「なるほどねー」と思うことが多く、あっという間に読み終わってしまいました!

それでは「実際にプレッシャーとどう付き合えばいいのか?」についてポイントを紹介したいと思います。

白石さんの著作を僕なりに理解した上で、修論・卒論用に要約してみました。少し僕なりの解釈が入るかもしれませんが、大筋は著作のポイントに沿っています!

STEP1:プレッシャーがかかるのは当たり前!プレッシャーを受け入れよ!

最初にポイントとなるのは、プレッシャーから逃げるのではなく、プレッシャーがかかっている状態を受け入れるということです。

具体的に例を挙げると下記のようなかんじです。

×:「プレッシャーってやだな・・・。プレッシャーを感じないようにしなくちゃ。プレッシャーがかかっている自分きらい」
◯:「ああ、いま肩に力が入っているし、私はプレッシャーを感じているんだな」(客観的に眺め、認める)

本の中には、プレッシャーがかかっていることを感じたら、心のなかで「おう、きたか!」と言ってみるという方法等が紹介されています。

「プレッシャーに強い」と思われている人は、プレッシャーが「ない」とか「かからない」わけではありません。当然みんなプレッシャーはかかります。しかし、そういう人は、自分がプレッシャーがかかっていることを受け入れることが上手なのかもしれません。

STEP2:プレッシャーの原因を特定せよ!外的要因と内的要因

次にやることは、プレッシャーの原因をなんとなくでいいので特定することです。本の中では外的要因と内的要因にわけて考えなさいということが書いてあります。

具体的には下記のようなかんじです。

外的要因:(スポーツであれば)初めて訪れる場所やアウェーの環境。審判のジャッジなど
内的要因:失敗したらいやだなあと思う気持ちや、成功しなくてはならないと思う気持ち

自分の外側からくるプレッシャーと、自分が内側でつくりだすプレッシャーとをわけなさないというわけです。

修論・卒論に適用すると以下のようなかんじでしょうか。

外的要因:初めての修論・卒論、締め切りが近くなった状態、すでに取得したデータ、など
内的要因:みっともない文章はいやだ。できるかなあという不安など。

まずは不安の要因を特定することで、プレッシャーが軽減するということだと思います。その上で対策を考えます。

STEP3:プレッシャーへの対応:外的要因編

さきほどのプレッシャーの要因のうち、最初に外的要因に対する対処法を紹介します。それはざっくりいってしまえば、「外的な要因は受けいれる」ということだと思います。

より具体的にいうと以下のようなかんじです。

・外的要因はみんな一緒!どうにもならないことは受け入れるべし!

本の中で書いてあった言葉でいえば「みんないっしょや」ということです。

修論・卒論に適用すると以下のようなかんじでしょうか。

×:「締め切りなんてなけりゃいいのに」
◯:前提は受け入れて、そのなかでできることをやる

締め切りは全員一緒です。いろいろ言いたいことはあるかもしれませんが、ある意味みんな条件は一緒です。その条件について文句を言ったりするのではなく、その条件の中で何ができるのかを考えることが大事ということでしょう。

下柳剛投手のエピソード

この本の中には、阪神の下柳剛投手の例が書かれています。この話はとても面白いのでぜひ本書を読んで欲しいのですがざっくり書けば以下のようなかんじです。

下柳投手は、昔は審判の判定に対して感情を表に出すタイプでした。相性の悪い審判がくると、それだけでペースを乱してしまうというところが欠点でした。しかし、審判の判定は一種の「外的要因」です。自分ではどうにもできないもの。それに対して怒ったりすることで、自分のペースを乱しては元も子もありません。審判の判定は受け入れる。そして、自分は自分ができることに集中することが大事という話でした。

修論・卒論を書いていると、いろいろ文句を言いたくなることはありますが、外的要因は受け入れて、その中でベストを尽くすのがよいかもしれません。

STEP4:プレッシャーへの対応:内的要因編

こちらは本書にもかなり詳しく書かれていたので全部を紹介することは難しいです。しかし、誤解を恐れずに、ざっくりと要約してしまえば2つの点に絞られるかなと思っています。

1.自分が成功しているイメージを具体的に想像すること
2.「いま」できることに集中すること

修論・卒論に適用するのであれば下記のようなかんじでしょうか。

1.自分が提出している瞬間を頭の中でイメージしてみること
2.いまやるべきことに集中すること(「締め切り間に合うかなあ」などと思うのではなく)

やはりなにより大事なのは「よいイメージ」を頭で描くことです。悪いイメージを持つと、その通りになってしまいます。そうではなく、成功しているポジティブなイメージを頭の中でなるべく具体的に描いてみます。

もう一点は「いまやるべきことに集中すること」です。この本の中には「セルフ・トーク」の話がでてきます。これは要するに、「自分が自分に対して心のなかで話している言葉」です。「うまくいかないかもしれないなあ」などと思ったりすることは、ネガティブなセルフ・トークです。

本の中では、セルフ・トークをポジティブなものもネガティブなものも全部書きだして、ネガティブなほうはポジティブに言い換えてみるという方法が紹介されています。提出直前の人はそれをやる時間はないかもしれませんが、この考え方は重要なので説明します。

このときに重要なのが、例えば、修論・卒論で
あれば「提出できたらいいなあ」というのではなく、より具体的に、いま自分が主体になった言葉にかえた方がよいということなんですね。

本の中にはゴルフの例が紹介されています。「はいってほしい」と思うのではなく、例えば「まっすぐひいて、まっすぐだす」というように、自分がいまやるべきことに集中した言葉にするのが大事ということでした。

つまり、修論・卒論においても「書きあがったらいいなあ」ではなく、そのために何をすべきかを明確にすることが大事なのかもしれません。

具体的に言うと以下のようなかんじでしょうか。

×:「ああ、書きあがらなかったらどうしよう」「昔にもっとやっておけばよかった・・・」
◯:「締め切りまでにいまできることはなんだろう」

まとめ

さて、駆け足になりましたが、重要なポイントについて整理してきました!

あらためて要約すると、プレッシャーとうまく付き合うためには以下が重要なポイントになると思います。

1.プレッシャーを受け入れること
2.プレッシャーの原因を特定すること
3.外的要因は受け入れること
4.内的要因はよいイメージを持ち、いまやるべきことに集中すること

今回はざっくり要約してしまったので、色々著作から落としたポイントがあり、その点は心苦しいです。でもポイントは押さえられていると思います。興味ある方はぜひ本書を読んでみてください。まあ締め切り前の方はいま読むよりも、提出してから読むほうがよいかもしれませんが(笑)

これは個人的に思うことですが、修論・卒論について、理想的ですばらしいアイデアだけど未完のものより、少し不恰好でも努力してカタチに仕上げたもののほうが100倍価値があると思っています。

自分もそうでしたが、なかなか修論・卒論の段階で「これで完璧!」と思えるようなものを作るのは難しいと思います。「ああ、私の文章って・・・」と思いながら書くこともあるかもしれません。

私は「文章を書くこと」について研究をしていますが、「俺って書くことについて研究しているのに、この文章って・・・(涙)」と何度思ったことでしょう。「君、書くことについて研究しているんだよね・・・」と言われたことすらありますw

しかし、書き上げたものが不恰好であっても、努力してかたちにしようとしているそのプロセス自身にそもそも大きな価値があると思います。当たり前かもしれませんが、書くことは、その不安と闘いながら書くことによって、どんどんうまくなるものだと思います。

そのプロセスを楽しみながら、なんとかカタチにしてほしいなと思います!

ということで、今回はプレッシャーとの付き合い方について紹介しました!

心身ともに疲れがたまる時期かもしれませんが、体調に気をつけて、ラストスパートがんばってください!

あっ、ちなみに修論・卒論のデータのパックアップだけは忘れずにとっておいてくださいね!

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