僕が中原研で学んだ「先行研究の読み込み」に必要な3つのポイント

| コメント(0) | トラックバック(1) append.gif このエントリーを含むはてなブックマーク

さて、今年の中原研ですが4月からゼミが始まりました!すでに3回のゼミが終わりました。

ゼミでは、自分が発表するときだけではなく、人の発表を聞いたり、コメントすることで学ぶことがとても多いです。

今年はゼミで学んだ研究の教訓・気づきなどもこのブログで紹介していければと思います。



今回テーマとするのは「先行研究の読み込み」です。「先行研究を読む」というのは研究において基本中の基本かもしれません。しかし、とても奥の深い活動です。

今回は中原先生の言葉をもとに、先行研究を読むときに大事な3つのポイントを整理してみようと思います。そのポイントは以下となります。

1.先行研究の内容を「わかること」
2.先行研究の論文間の関係を「整理すること」
3.先行研究を「批判すること」


それぞれ説明していきましょう。

1.先行研究の内容を「わかること」

まずなんといっても「先行研究の内容を1本ずつ理解していくこと」が大事です。当たり前なのですが。

自分が今読んでいる文献では、

・どんな問題を扱い
・どんな方法でアプローチしたのか
・そして、どんな結果がでたのか
・その意味・インパクトとは何か?


等を整理していきます。中原先生は10行程度にまとめるとのことです。
まずはこのようにして1つずつ読んでいきます。
これが基本です。

2.先行研究の論文間の関係を「整理すること」

次にやることは、「論文間の関係」を理解し、整理することです。
このフェーズでは、先ほどのように1本ずつの論文をバラバラに捉えるのではなく、論文同士の関係を整理することが大事です。

・この論文とこの論文は、この点で似ている
・この論文とこの論文は、この点が違う


こうしたことを行うことで、「整理する軸」を見つけていきます。
この軸が見つかると、しめたものです!

・この領域ではこういうことに興味関心があるのか
・一方で、こういうアプローチはだれもとっていないのか


というように、これまでの研究が整理できるだけではなく、自分がやるべきことがそこに見えてきます。

3.先行研究を「批判すること」

最後にやることは「批判すること」です。
これは先ほどの最後の部分(自分がやるべきこと)に関連するかもしれません。

要は、論文間の関係を整理しただけでは、「じゃああなたは何をやるの?」という問いに答えることはできません。

その問いに答えるために「批判的に読む」ということがポイントになるかと思います。
「批判する」というのは、だめな部分だけではなく、よいところももちろん見ていきます。

ここでやるべきことは、1.2の作業を行うことで出来上がった「自分の研究領域の地図」に、「自分を位置づける」という作業かもしれません。

「あなたはだれと近いのか?」
「あなたはだれと遠いのか?」

批判的に読むことによって、そうした距離感がわかってきます。

それらを行うことで、自分の「位置」、すなわち、「自分が研究すべきこと」が少しずつ見えてくるのかなと思います。



今回紹介した3つのポイントは、あくまで私の領域に関するものなので、他の領域だと異なるかもしれません。また、もう少し追加すべきこともあるように思うのですが、とりあえず3つのポイントとしてまとめてみました。

こうやってblogにまとめてみると、当たり前のことのように見えるのですが、僕自身も「先行研究をちゃんと読む」ということをやるのは苦労しました。

先生が言う「先行研究を読んで、まとめなさい」ということの意味がよくわかっていなかったのだと思います。

「読んでまとめる」というのは、「先行研究の内容を理解し、関係を整理し、批判すること」ではないかと思います。

これを常に頭の片隅においておくことが大事かもしれませんね。

今後も少しずつ研究の進め方についての気づき等をまとめていければと思います。

▼関連する本

中原先生の本と、河野先生の「論文の書き方」の本をのせておきます。

河野先生の本でも、「批判的に読むこと」の大切さがしっかり書かれています。
本文では「テキスト批評」のやり方として紹介されています。
この本は安いですが、重要なポイントがしっかりまとまっていておすすめです。


関連記事

  1. シェアハウスで感じた「知が生まれる予感」
  2. サードプレイスコレクション2010の取材記事が掲載されました!
  3. Twitterの教育利用は、「ゆるふわ感」をいかに殺さないでおけるかが肝!?
  4. 場作りに役立っちゃうかもしれない休日スポット
  5. リズムがくるったら、それは内省すべきタイミング!?
  6. ステキな実践はチームだからこそ生まれる?
  7. 博報堂関連のワークショップ プチまとめ
  8. 今年やった新しいチャレンジと、次のチャレンジに向けて!
  9. 「学びのサードプレイス」を語るために
  10. 山岸先生の社会心理学講座
  11. 漫画で学ぶ心療内科
  12. ワークショップで保健の授業
  13. 高等教育におけるクリエイティブの代償
  14. 学校の仕組みをちょっとだけアレンジする
  15. ワークショップ的なデジカメ

トラックバック(1)

トラックバックURL: http://www.tate-lab.net/mt/mt-tb.cgi/234

自分自身への備忘録ですが,汎用性高いと思うので共有しておきます. 僕が中原研で学んだ「先行研究の読み込み」に必要な3つのポイント(tate-lab) 続きを読む

コメントする

対談が掲載された本

場作りに関する対談が掲載されています。
第六章(p192-204)
他者の目から見たラーニングバー




舘野の本棚(最近読んだ本)



フィードメーター - tate-lab - 教育・学習について研究する院生のblog



Twitterボタン
Twitterブログパーツ






最近のブログ記事

【イベント】東京アートビートの7周年記念パーティーに行ってきました!
先日のことになりますが「東京アートビート…
「先行研究のまとめ方講座」を実施しました!(@青山学院大学)
先日、青山学院大学の社会人大学院生の方(…
文章を書くために使い分けたい2つのマップの描き方-「発散」と「収束」を使い分けよう-
この記事は今年度の前期に行った、専修大学…

「ワークショップ」の売れ筋本



Amazonのおすすめ