月別アーカイブ: 2016年7月

BLPの授業運営チームの合宿に行ってきます:その意義とは?

本日から、BLPの授業運営チーム(教職員・SAなど)の合宿にいってきます。合宿は、春夏に一度ずつ実施しています。毎回合宿の目的は異なりますが、主な目的は以下に集約されます。

・育成するべきリーダーシップのゴールイメージの共有
・そのための関わり方の方向性を確認
・授業ノウハウの引き継ぎ

要するに「組織の目指すべき方向性(ビジョン)を全員で再確認して、知識を引き継ぐ場」ということになります。短期的ではなく、中長期的なビジョンを作る場でもあります。企業でいうところの、理念共有のワークショップに近いでしょうかね。

理念共有といっても、一方的にビジョンを語る時間が全体に占める割合は少ないです。事前に何か課題について考えてきてもらい、それを共有しながら、方向性を作り上げるというイメージです。

毎年思うのですが、この合宿をやる意義は大きいと思っています。それは「大きな目的や目標」を、授業を作る側が共有していないと、すぐに組織はバラバラになってしまうからです。「目標の設定・共有」をしておかないと、細かい部分で「なぜその方法でやるの?」ということになってしまいます。

最適な「方法」は「目的」によって選択されるわけです。つまり、違う目的を設定している人とは話がかみ合ってこなくなってくるんですね。(それぞれの目的に最適な方法を選んでいると互いが思っているから)

そういったいわば「前提」となる部分を、この時期にそろえておく意味は非常に大きいように思います。

結局、教育の議論をする際に、すぐに「教育方法だけの議論」をしようとするとうまくいかないのですよね。「明日の授業のやり方どうしよう」とする前に、どこかで時間をとって「そもそもどういう人を育てたいんだっけ?」という目的のところのすりあわせて、「それならこういう方法のほうが適切かもね」としなければいけないのですが、その時間をとらずに前に進めようとするケースも多いのかなと思います。

「真の目的」や「真の問題」とは何かを問う時間を、はしょっていきなり「方法(プラン)」でなんとかしようとたいていうまくいきません。そういった時間をしっかりとる仕組みを組織の中に用意しておくことはとても重要なのかなと思います。

ということで、ここから一泊二日がんばってきたいと思います。

日本教育工学会論文誌に論文が掲載されました

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「大学での学び・生活が就職後のプロアクティブ行動に与える影響」というタイトルの論文が、日本教育工学会論文誌に掲載されました。中原淳さん、木村充さん、保田江美さん、吉村春美さん、田中聡さん、浜屋祐子さん、高崎美佐さん、溝上慎一さんとの共同研究です。

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縦断調査のデータを分析し「どのような大学生活をしていた人が、入社後に主体的な行動をしているのか」について分析を行いました。大規模調査のデータをもとに論文を書くのははじめてでしたが、論文が無事に掲載されてほっとしています。共同研究者のみなさまのおかげです。

今後も「大学と企業」を結ぶような研究・実践を行っていきたいなと思っています。

論文の成果の一部は書籍「アクティブトランジション」に掲載されています。論文にご興味ある方は書籍のほうもご覧いただけますと幸いです。

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株式会社吉野家ホールディングス代表取締役社長 河村泰貴氏と講演会を行いました

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今年の6月のことになりますが、株式会社吉野家ホールディングス代表取締役社長 河村泰貴氏に立教大学にて講演会を行っていきました。私はその司会を担当させていただきました。

株式会社吉野家ホールディングス様は、今年の「リーダーシップ入門(BL0)」の授業の協力企業になってくださっている縁で講演が実現しました。演題は「外食は未だ産業ではないー飲食業界へのあなたの価値観が変わるー」でした。

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講演は大きく、1.河村氏のキャリアに関すること、2.飲食業界の現在、の2つにわかれていました。前半のキャリア編では、河村氏が「吉野家のバイトをする」というきっかけからこの業界に入った話をしていただきました。「バイトから社長」というのは夢のような話ですが本当にあるのですね。

このお話の中から「偶然の中からキャリアの道筋が決まっていくものであること」、「どこの場でも一生懸命やることが次につながっていくこと」の2つが学生に伝わったのではないかと思います。

後半の飲食業界の現在の話では、「外食はまだ産業とはいえない」ということを現在のデータなどを踏まえてお話をされていました。

この話を聞くと、1つの企業がどうという話だけでなく、飲食業そのものの付加価値を上げていくということがかなり重要なのだということをあらためて理解することができました。

もうひとつ個人的に学んだことは、飲食業は「差別化」が難しい業界であるということです。「レシピ」や「新メニュー」というのはすぐにマネができてしまうというわけですね。そういった環境の中で、真に差別化するために何ができるか?という話は非常に参考になりました。

今回の講演会は個人的にも学ぶことがとても多かったです。「自分自身が本当にがんばりたいと思える仕事にどのように出会っていくのか」、「差別化のしにくい環境のなかで、真に差別化するために何をするべきか」という視点は、いまのぼくにとっても考える素材になるようなものでした。

立教大学経営学部でおこなっているリーダーシップとのかかわりでいうと、河村氏が講演のなかで「自分は元々外向的なほうではなく、最初は人前で話すのもの緊張していた」とおっしゃっていたのが印象的でした。

大学の授業の中で「リーダーとかリーダーシップというと、外向的な印象はあるけど、内向的だからこそ発揮できるリーダーシップがある」と言うのですが、河村氏自身からそのような話があったのは、学生にとってもよかったのではないかと思っています。今回は非常に貴重な機会をいただき、本当に感謝しています。

大学のリーダーシップに関する授業は、基本は「体験型(自分で考える)」が多いのですが、それを前提にした上で、こうした「講演型」も組み合わせると非常に効果的だなと最近感じています。

・リーダーシップの実践(体験)
・実践者の体験談(ストーリーの講演)
・リーダーシップの理論(学問面での講義)

この3つを上手にデザインするとよいのかなと最近あらためて考えてます。またこうした機会をもてればと思っています。

経営学部のウェブページにも講演の詳細が掲載されています。
http://cob.rikkyo.ac.jp/blp/3131.html

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書籍に掲載しているワークショップの実践情報などは、Facebookページに掲載しております。(ページのいいねも是非よろしくお願いします)

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進路指導・キャリア教育専門誌「キャリアガイダンス」にインタビューが掲載されました

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私が担当している、立教大学経営学部のビジネスリーダーシッププログラムに関する記事が「キャリアガイダンス」に掲載されました。

1年生が体験する一泊二日のウェルカムキャンプや、「リーダーシップ入門(BL0)」の授業内容が、学生のインタビューとともに掲載されています。これをみると授業の概要と、具体的にどのような学びがあるのかのイメージが湧くのではないかと思います。

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この号は『「リーダーシップ教育」で生徒が変わる』がテーマで、高校・大学のリーダーシップ教育に関する最新事例がいくつも紹介されているので、全体的にとても読み応えがあります。

記事はこちらからpdfがダウンロードできますのでご興味あればぜひご覧くださいませ。私のインタビューは「立教大学経営学部」のところからダウンロードできます。
http://souken.shingakunet.com/career_g/2016/07/vol41320167-6c8d.html

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近況報告(2016/7)

毎月8本更新するとかいっていたものの、6/15以降ぱったりとブログの更新が止まってしまいました(笑)8月からはブログをしっかり更新するぞというリハビリ的更新をしたいと思います。

ブログ更新の間が空くと、書くのになれずにおっくうになるというよりも「書くネタがいろいろありすぎて、どれから書こうか迷う」とか「1つのエントリーがものすごく長くなりそうになる」ということで後回しになることが多いです。

つまり「書きたいできごとや内容は色々あるのに、ブログにまとまった時間をとる時間がない」という状態になると書けなくなってしまうわけですね。。。

今日も一つ記事を書こうと思ったのですがどれを書くか迷ったので、まずは6/15以降に起こったできごとや、書きたいネタをざっと箇条書きしておこうと思います。

  • 株式会社吉野家ホールディングス 代表取締役社長 河村泰貴様と講演会を実施
  • 実践女子大学のプロジェクト型授業の見学
  • 福岡女学院大学のプロジェクト型授業の見学
  • 大学教育学会に参加
  • 研究に関するインタビューを受ける
  • 立教の授業に関するインタビューを受ける×2
  • インタビュー記事が掲載される(「キャリアガイダンス」)
  • 論文が日本教育工学会に掲載される
  • 元AKBの高橋みなみさんと対談をする
  • アクティブトランジションのイベントを実施
  • 日本教育工学会のセッションの企画・原稿を書く
  • 書籍原稿(3章分)を書く
  • 授業がおわる
    • 1年生向け「リーダーシップ入門(BL0)」
    • 2年生向け「BL2」
    • 3年生以上向け「BL4」
  • 「リーダーシップ入門」の授業の本社プレゼンがおわる
  • 授業に関する合宿がはじまる

ざっと思いつく出来事だけでこんなかんじでしょうか。6・7月はいろんなことがありすぎました。明日も授業に関する合宿があります。

8月に入ると、イベント系は減ってくるのでじっくり論文を読んだり、書いたりする時間が多少以前よりとれるのではないかと思います。新たなネタを仕込む2ヶ月にしたいと思っているので、学んだこともどんどんとブログに書いていきたいと思います。

ということで近況報告+ブログのリハビリでございました。

おかげさまで「アクティブトランジション」に掲載しているワークショップを実施してみたという声がたくさん届いております。掲載されているワークショップは自由に実施できますので、大学のキャリア教育関係者や、企業の採用・内定者教育担当の方はぜひご覧くださいませ。

実践事例などはFacebookページに公開しています。

「アクティブトランジション」https://www.facebook.com/activetransition/

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