大学で文章やレポートの書き方を教えているときに、最初に繰り返し話すのが「大事なこと(結論やポイント)を先に言う習慣をつけよう!」ということです。

最初に結論を述べて、その後に具体例や根拠を書いていくというスタイルは、論理性が重視されるような文章では基本的な型といえるでしょう。レポートの書き方の授業などでは「パラグラフ・ライティング」といって教えられたりすると思います。段落の頭に主張を書いて、その後に根拠を書くようなスタイルです。

このやり方は言われてみれば当たり前のようなかんじもするのですが、日本人にとっては実は慣れない習慣なのかなと思います。

今手元に本がないのでアバウトな内容紹介になってしまいますが、以下に紹介する書籍では、日本とアメリカの作文教育の違いがまとめられています。

 

納得の構造―日米初等教育に見る思考表現のスタイル
渡辺 雅子
東洋館出版社
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さきほど紹介した「大事なことを先に」というスタイルはアメリカでよく教えられているスタイルとのことでした。日本の場合はどちらかというと、論理展開というよりも、「物事が起こった順番に書く」、「大事なことは最後に書く」というスタイルに慣れているようです。心情や物語を描くような文章ではこちらのほうが自然なスタイルかもしれませんね。(すいません、ブログなのでかなりざっくりまとめているので詳細は書籍をご確認ください)

もちろん、日本の作文教育といってもいろいろな実践がなされていますし、この本が出てから少し時間が経っているので一概には言えないと思います。しかし「大事なことは最後に言うんじゃないかな?」という感覚は割と多くの人が素朴に思っていることなのかなと思います。

大事なことを先に言うか、最後に言うかでいつでも正しい答えがあるわけではありません。ただ、私たちはどちらかといえば「大事なことは最後」というスタイルになれている可能性があるので、ちょっと意識して「大事なことを先に」というスタイルに慣れてみるのもいいのかなと思います。

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