後期に入り、前期の間にやった授業に関するデータを少しずつ分析できるようになってきました。データは、アンケート(量的に処理できるものから自由記述まで)、インタビュー、発話データなどなど多岐にわたります。これらのデータを、そもそも分析できる状態に整理するだけでも大変なのですが、学生にも協力してもらいつつ、なんとかデータの整理をしています。

授業に関するデータはたくさんとればとるほどよいのでしょうが、やはり膨大なデータと向き合うのは骨が折れる作業でもあります。若干気持ちが折れかけることもなくはありません(笑)

ただ、そんな気持ちも、新たな発見があると吹き飛ぶものです。やはりデータをみてみると、直感的にはわからなかった事実が明らかになっていきます。例えば、自分的には「これはよくできていた」と思うような活動でも、「こういうケースは特にうまくいっていた」、「こういうときにはあんまり効果を発揮しない」といった、隠れた「うまくいくための条件」のようなものが少しずつ見えてくるんですよね。こういうのを見つけたときにはちょっとだけ疲れがとれます。

データをしっかり整理しておくことは、今後授業をどう改善しようかということを考えるときの素材としても意味があると思います。データがないと、「来年これをやめて、これをやろう!」ということを考えるときに、感覚で話をすることになりがちです。そういった判断をする素材として共通のデータがあると、教育実践としての積み重ねができるのではないかと思います。

とはいえ、データの分析はうまく仕組み化をして、コストとメリットがちょうど釣り合うようなものをうまく見つけたいものです。授業アンケートだけだと物足りないけど、だからといって全ての発話を起こして評価するというのもやっぱりサステイナブルとはいえないような気がします。実践をよりよくするための、よい分析のサイクル自体も少しずつ模索していきたいなと思います。

■関連書籍

実践の開発と評価のサイクルという意味ではこの書籍も関連すると思います。