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最近大学生と話していてあんまり本を読む習慣がないのかなということを感じます。とはいっても、もちろん最近の大学生がそうだというわけではなく、私が大学生のときにも同じような状況だったかもしれませんけど(笑)

近年大学教育の中では、プロジェクトを体験しながら学ぶような「経験を重視する学習」が重視されているわけですが、本来はそれと並行するかたちでアカデミックな書籍(専門書)なども読む習慣があるといいなと思っています。

しかし実際学生が「プロジェクト型学習」と「専門書をじっくり読む」ということを同時に行うことはなかなか難しくもあるように感じています。「プロジェクトの提案をする」ということに短期的に集中しようとすると、専門書などは「すぐに役に立つとは限らない」のですよね。

しかもプロジェクト型学習を進めるためには時間がかかりますから「いつ役に立つかわからないような専門書を読む時間」は削られていくという傾向にあるような気がします。こういう状況はなんだか大学生っぽくないですね(笑)。

私はプロジェクト型学習が悪いとは思っていませんし、大学が社会との接続を意識してさまざまな試みをすることは必然的な流れだと思っています。ただ、せっかくさまざまな経験をして、問題意識などが生まれたのであれば、そういった関心を書籍などに向けてもよいのではないかと感じています。

結局プロジェクト型学習における提案をみていても、最終的に「よいプラン」とされるものは「考え抜かれているもの」です。「こうすればいいじゃん」という目先のものにとらわれず「本当にそうか?もしかしたらこういう見方もあるのではないか?」というような思考の足腰を鍛えるような訓練は、必ずしも短期的成果をすぐに求められるわけではない大学生のうちに、経験しておくとよいのではないでしょうか。

ちなみに、いま数人の学生たちと、夏休みなので専門度の高い本を読み、お互いにシェアするような企画の計画を進めています。本を読むのはひとりですが、感想を共有する仲間たちがいると、読書はより一層面白くなります。せっかくの夏休みなので、いろんな人を巻き込んで、楽しく読書する環境を整えてみてはいかがでしょうか。

■参考記事

以前こんな記事を書いたので参考にどうぞ。この記事ももうちょっとあとで書き直したいので、あらためて書き直すかもしれません(笑)

大学時代にどうやって本を読む習慣を身につけたか?
https://www.tate-lab.net/mt/2013/08/post-286.html

昔ブクログというサービスも使ってましたが最近全然使ってないので、充実させようかなと思っています。
http://booklog.jp/users/tatthiy

私の大学院時代の指導教員である中原淳先生おすすめの本を20冊紹介しています。こういうのも参考になるかもしれませんね。

http://www.junkudo.co.jp/mj/store/event_detail.php?fair_id=6185