9/26から3日間研究室の合宿に行ってきました!合宿は中原研究室・山内研究室合同で、今年は軽井沢で行われました。

夏合宿の大きな目的は、教育・学習に関連する知の巨人たちの理論を学ぶことです。

今年はは以下の9名の学者について、大学院生が二人一組のペアになったポスター発表を行いました。

  • デューイ
  • ピアジェ
  • ヴィゴツキー
  • パパート
  • ベイトソン
  • ソーヤー
  • ウェンガー
  • セリグマン
  • バンデューラー

僕が担当したのはベイトソンです。彼は、文化人類学、サイバネティックス、精神病理、学習、コミュニケーションなどなど、さまざまな領域を渡りながら活躍した、まさに知の巨人といえるような人物です。理論としては、ダブルバインドや、学習1、2、3の話が有名ですね。エンゲストロームにも大きな影響を与えました。

発表は山内研究室の博士課程2年の池尻良平くんと一緒に行いました。ベイトソンを読み解くのは非常に難解でまとめるのに苦労しましたが、理論をわかりやすく伝えるために、ポスター、プレゼン共に工夫してまとめました。

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当日はダブルバインドや学習1,2,3の話がわかりやすいように、漫才(むしろコント形式)でプレゼンをしました。具体的には、イルカの調教師役を僕がやり、イルカ役を池尻君がやることで、ダブルバインドからそれを乗り越える様子を表現しました(笑)

合宿は勉強はもちろんのこと、遊ぶときはしっかり遊ぶことも重要です!みんなでふざけながらも、いろいろなコミュニケーションがとれたことも非常に大きかったです。

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今回取り扱った9人の学者について、発表中に感じたことはtwitterに書き込んでいました。140字以内で書かなくてはいけないので、少し乱暴かつ個人的な意見ではありますが、それを以下にも貼り付けておこうと思います。

バンデューラー:モデリングという考え方はやはり強力。どこまで自分でやる必要があり、どこまで他者から学べるのかというのは個人的にひとつポイントと思った。関連して、模倣からの学びについてあらためて勉強したいと思った。

セリグマン:人のポジティブな側面に着目したというのは面白い。もちろん、いろいろ問題や批判はあると思うけれど、大きな一つの流れを作ったし、現代的に必要な発想ではあると思う。個人的な側面からソーシャルな側面にどうつなげるかがポイントか。

ウェンガー:研究者の生き方そのものも魅力的な人。理論をベースに、デザインもしながら、さらに研究もするという生き方。研究者の新しい生き方のひとつなのかもと思う。理論としては、コミュニティの関係性に着目するという発想はやはり面白い。

ヴィゴツキー:ヴィゴツキーを理解するにはマルクスを理解することがとても重要。若いうちになくなってしまったことで理論を確立しきっていないかんじはあるけれど、それが魅力につながっているのかもしれない。解釈多様性がある人?

ソーヤー:即興やクリエイティビティなど、がナウな研究者。グループとしてのクリエイティビティを考えるのは面白い。ただキーワードが魅力的すぎる分、個人的にはもうちょい勉強しないと判断が難しい研究者でもある。一つ一つの研究内容をじっくりみたいところ。

デューイ:いまの大学教育の改革はデューイ的にみえる。経験を大事にすること、空間を大事にすること。現代的に取り入れるためにはどう解釈し、どのように成功につなげるかが大事ではないか。「体験だけ」にならない工夫を。

ベイトソン:THE学際というかんじの研究者。ノマドな男。結婚も3回しているし。世の中はダブルバインドに溢れている。葛藤を乗り越えて創発するという発想は常に危険をはらんでいる。

パパート:ワクワクする研究者。楽しくあれこれやりながら学ぼうぜ!というのをカタチにした人。道具の面白さの中心にしながらも、今後はアクティビティやコミュニティも一緒にデザインしていくことが必要になりそう。

ピアジェ:色々批判はあるけど、能動的に学ぶとか、環境との相互作用というアイデアは大きな影響を与えたと思う。感想としては発達を定式化することは有意義でありつつも、子どもの見方を規定するものであり怖さもあるなと思った。

合宿中のつぶやきや、合宿に関連する本も以下にまとめておきました。ざーっと眺めていただけるだけで雰囲気は伝わるのかなと思います。

今年も学び多き合宿でした。いろいろ取りまとめてをしてくれた中原研究室・山内研究室の修士1年のみなさんには感謝です!

■合宿中のつぶやきまとめ

1日目は、ピアジェ、パパート、デューイ、ベイトソン、ソーヤーの発表です。まとめはこちら。
http://togetter.com/li/193248

2日目は、ヴィゴツキー、ウェンガー、セリグマン、バンデューラーの発表でした。まとめはこちら。
http://togetter.com/li/193339

3日目は、「研究者としてひとまわり大きくなった経験」というテーマで山内先生・中原先生・助教の皆さんでパネルディスカッションです。
http://togetter.com/li/194159

■合宿に関連する本のまとめ

ピアジェ、パパート、デューイ、ベイトソン、ソーヤー、ヴィゴツキー、ウェンガー、セリグマン、バンデューラーに関する本のまとめです。
http://goo.gl/OZ6wI2