先日中原研究室のメンバーと、中原先生が授業をしている慶応MCCの受講生のみなさんとともに「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」に参加してきました!

「ダイアログ・イン・ザ・ダークとは何か」について公式ウェブサイトを見ながら、簡単に説明してみましょう!

ダイアログ・イン・ザ・ダークはヒトコトでいえば、「まっくらやみのエンターテイメント」です。参加者は完全に光を遮断した空間の中に、グループで入り、暗闇のエキスパートである視覚障害者のアテンドさんのサポートのもの、探索をしたり、さまざまなシーンを体験します。

僕が行ったときには9人くらいで1つのグループになり、アテンドさんとともに暗闇に入っていきます。最初は薄暗い部屋に入り、アテンドさんの説明を聞きます。そこで暗闇の中での注意点を教えてくれます。

また、その場所で、白杖(はくじょう)を渡されます。これは視覚障害者の方が普段使っている白い棒ですね。暗闇に入ってみると、この棒のすごさに気づきます。めちゃめちゃ役に立ちます。

説明が終わると、部屋が真っ暗になります。ここから暗闇の探索がスタートします。最初はけっこう怖いと感じます。なんといっても、周りは何も見えません。近くにいる人から少しでも離れると、「あれっ、大丈夫かな・・・」と不安になります。

体験の内容を詳しく書いてしまうと面白くないと思いますので、雰囲気だけ体験していただけるように、どんな会話が繰り広げられるかを紹介してみましょう。

暗闇なので、グループメンバーとのコミュニケーションがとても重要になってくるんですが、見えない中でのコミュニケーションはこんなかんじになってきます。

・「あれ?これ前にいる人だれですか?」「◯◯です!」
→触れただけだと最初はだれだかわからない。

・「◯◯、座ります!」「◯◯、立ちます!」
→いちいち言わないと、ぶつかってしまう

・「こっちのほうにきてくださーい!」
→どっちに進むべきかは声のあるほうへ

・「こっちってどっちよ!?」
→こっちとか、あれとか、そういう言葉が伝わらない。伝え方の工夫が必要。

・「こえー!」「おー!」「つめてー!」「いい匂い!」
→いろいろなことに敏感になります(笑)

雰囲気が伝わったでしょうか?

体験が終わったときには、少し名残惜しい気分になります。ああ、もうこれでおしまいかーと。

非常に楽しいと思ったというのが率直な感想です。

いくつか気づいたことについては、体験が終わった帰りの電車でTwitterからつぶやいたのですが、トピックにして整理してみるとこんなかんじです。

◯クラヤミで信頼・助け合いが自然に起こる理由は?
・クラヤミの中ではみんなが信頼しあい、助け合うことが自然に起こる
・その理由は、全員が共通の不安を共有しているから起こるのではないか?
・普段はなかなかこうした共通の不安を共有できない気がする

◯一度距離が縮まると明るくなっても大丈夫?
・クラヤミに入るとパーソナルスペースが狭くなる
・普段なら近づきすぎと思う距離でも、暗闇だと近くにいないと不安になる
・この距離感を一度体験してしまうと、明るくなってからでも、距離感が縮まる

◯クラヤミだとストレートに表現できる
・クラヤミだと自分の気持ちや状況を逐一表現する。
・普段はだまっていても自分の気持ちをわかってほしいと思うけど、クラヤミではそうならない
・楽しいとか怖いとか自分の感情をストレートに表現する楽しさがある

◯名前を呼び合うのはけっこう楽しい
・クラヤミだと単純にお互いの名前を連呼する
・単純だけどこれは仲良くなれる
・それを自然にできる環境がある

クラヤミイベントというと、他には「クラヤミ食堂」を思い浮かべる方もいるかと思います。僕もこちらは以前に行ったことがありました。ダイアログ・イン・ザ・ダークとの違いを考えてみると、

・ダイアログ・イン・ザ・ダーク→クラヤミを全身で感じられる。動き回れる。
・クラヤミ食堂→「食」にこだわったクラヤミを感じられる。動きは体験できないが、食べるという行為をじっくりとクラヤミで楽しめる。

というかんじかなと思います。

クラヤミということで、共通して感じる経験もあるんですが、違いもたくさんあります。興味のある方はどちらも体験してみるとよいのではないかなと思います。

さて、最後に参考情報です。

実は僕は今年の4月に、ワークショップ部の仲間たちと、クラヤミイベントを色々やっていました。クラヤミでブレストしたり、レゴをしたりしというかんじです。

ちゃんと記事にまとめていないのですが、Togetterがありますのでこちらで雰囲気は伝わるかもしれません!何度も経験したことでクラヤミ慣れしていたようで、ダイアログ・イン・ザ・ダークのときにも、グループの人に驚かれるくらい、自由に動き回れて楽しかったです(笑)

Togetter – 「「くらやみブレインストーミング」やってみた!」
http://bit.ly/aBaWEX

Togetter – 「LEGO in the Dark Workshop(4/18)」
http://bit.ly/apoI5n

ダイアログ・イン・ザ・ダークと、クラヤミ食堂の公式ウェブサイトはこちらです。どちらもウェブに予約や参考の方法が記載されていると思います。興味ある方はぜひご体験くだいませ。

ダイアログ・イン・ザ・ダークは、12/10から12/25までクリスマスバージョンが開催されるようです!

ダイアログ・イン・ザ・ダーク
http://www.dialoginthedark.com/

クラヤミ食堂
http://www.kodomogokoro.jp/kurayami/

このイベントに関する本はAmazonになさそうですが、以下の本は気になるのであとで買ってみようかなと思います。

さわる文化への招待―触覚でみる手学問のすすめ
広瀬浩二郎
世界思想社
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アイマスクを使うと、普通の部屋でもそれなりにクラヤミを体験できます。以前クラヤミイベントをやったときには大量のアイマスクをお店で購入したんですが、すごく怪しかったです(笑)ちなみにダイアログ・イン・ザ・ダークは、本当に真っ暗闇なので、アイマスクはつける必要がありません。