【コラム】小3のときに書いた「なぜか・どうしてかノート」 – 問いを立てることは?

このブログでよく取り上げることの1つに「質問力」みたいな話があります。どうやったらいい質問ができるのかとか、そういうことですね。「問いを立てる力」ともいえるかもしれません。

僕が研究している「大学生のレポートライティング支援」においても「問いを立てる力」は非常に重要といわれています。というか、結局「問いを立てること」が一番難しいんですよね。レポートの形式はわかったけど、「何を書けばいいかわからん」というのは、みなさん体験したことがあるんじゃないでしょうか。

ちなみに僕が学部の頃にいた青学の鈴木宏昭先生の研究室では、大学生が文献を読む中で、自分がレポートで論じるべき問題を発見することの支援を研究していたりします。

市販の本では、戸田山先生の「論文の教室」がとても参考になります。問いを見つける方法が複数紹介されています。

論文の教室―レポートから卒論まで (NHKブックス)
戸田山 和久
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「どうやって問いを立てる力を身につけるのか」というのはなかなか難しく、それ自体がなかなか面白い問いですよね。

さて、本題に入りましょう。以上のように「問いを立てる力」について考えていたときに、ふと小学校時代のことを思い出したので今日はその話を書きたいと思います。

今回紹介するのは「なぜか・どうしてかノート」の話です。これはおそらく小学校3年生の時だと思うんですが、そのときの担任の先生が導入した仕組みだと思います。なんの教科でやったのかとか完全に忘れました。

どういうものかというと、まずノートを買ってきて、それを「なぜか・どうしてかノート」と名づけます。そして、中身は何を書くかというと、ノートの真ん中くらいに線を一本引いて、

左側に「なぜか・どうしてか?」と思ったことをとにかく書く
右側には「その答え」がわかったら書く

というものでした。

あんまり覚えてはいないんですが、ノートの名前をみてもわかるように、「なぜか?どうしてか?」という、質問を書くことがとても大切にされていた気がするんですね。そして、僕はなぜかやたらと「なぜか・どうしてか?」の質問を大量に書きまくっていた記憶があります。それこそ「地球の大きさはどのくらいか?」みたいなレベルからいろんなことをとにかく書きまくっていました。で、図書館とかにいって、わかったやつは答えを埋めるんですね。

あのときは何も考えていなかったけど、この実践て面白いなあといまさら思いました。教科書にわかっていることを書いたりするのではなく、「疑問」をどんどんかたちにしていくことが奨励されているんですね。

あのときの僕は、なぜだかわからないけど、とにかく一心不乱にたくさん質問の数を増やすことに一生懸命になり、質問の方を粗探ししていた記憶があるんですが(笑)、これはいまさら考えてみると、問いを立てるよい練習になるんじゃないかなあと思いました。

まあ結局このノートは、その担任の先生の時しかやらなかったし、僕は継続してこのノートをずっと取っていたというより、一時的にしかやらなかった記憶があるんで、僕自身の問いを立てる力がついたかは謎ですけど(笑)

さて、今日は小学校のときにやった「なぜか・どうしてかノート」の話を紹介しました。まあこれこそなぜだかわからないんですが、大学に来る途中で突然、「そういえば、昔小学校のときにあんなことやってたな」と、ふと思ったのでブログに書いてみました。

問いを促すひとつの実践として興味深いですよね。考えてみれば、海外の理科教育の実践においても、「よい質問ができること」を評価の指標とした実践がありますね。カール・ベライターさんのKnowledge forumの実践です。(Knowledge forumについて詳しく知りたい方はこちら

検索したら中原先生のページが見つかりました。この部分ですね。

4人目のスピーカ:Carl Bereiter
 - CSILEの開発、現在はKnowledge forum(Sophisticated BBS)として商用
 - Knowledge Forumの場合、LearningはBBS上でおこる、だからそれを分析すればよい
 - Levels of explanatory inquiry(Chan & Lee 2001)
  – 学生の書き込みのうち、物事を問う質問(Question)だけに注目する。そして、それを分類する
    レベル1. 用語の説明を求めるもの
    レベル2. なぜ、どのようにのような質問
    レベル3. これが原因でこれがこうなるのはなぜですか、わたしはこう思うんだけど(自己推測)
    レベル4. わたしは○○のように思っている(自己説明)。でも、それが正しいとすると、これはどうよ?

SIGLES 第3回 2002年11月16日
http://www.nakahara-lab.net/lot/sigles.html

こういうノートを使うことで問いを立てる力がつくのか、さらにはどのようにレベルが深まっていくのかというのは非常に面白いですね。

この「なぜか・どうしてかノート」みたいなことは、みなさんもやったことあるんでしょうか。他にこういう実践があったらツイッター上で教えてください。

舘野 泰一 (tatthiy) on Twitter
http://twitter.com/tatthiy

■関連する記事

「わからない人は質問して下さい」という問いは本当に意味があるか? – tate-lab – 教育・学習について研究する院生のblog
https://www.tate-lab.net/mt/2009/11/post-143.html

質問力の肝となるセカンドクエスション – tate-lab – 教育・学習について研究する院生のblog
https://www.tate-lab.net/mt/2010/10/post-191.html

■関連する本

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Fri, Nov 05 舘野のツイート

  • 14:55  お買い上げありがとうございます(笑) RT @nakaharajun 舘野君のブログにマンマとのせられ、茶の湯のマンガ「へうげもの」を大人買い。小生としたことが・・・tate-labアフィリに貢献してしまった。 http://ow.ly/34SoT  [in reply to nakaharajun]
  • 14:54  @showgo プレハブ壊れるかと思ったw  [in reply to showgo]
  • 13:23  なぜかシャ乱Qを熱唱なひとたちなう。懐かしいw 一時間限定カラオケです。
  • 09:07  俺、水曜は博士研究の発表があるんで無理っぽいっすー。RT @2ndlab: 行ける RT @yohei917: @tatthiy @Misho @2ndlab 11/10/1200@用心棒
  • 06:42  今度行きたいな。タイミング的に来週かしら。RT @yohei917: @Misho 東大前の二郎じゃなくて用心棒だね。http://bit.ly/bWf6sU @tatthiy @2ndlab @tomokihirano
  • 06:42  @pore_pore0 おお!台湾の茶人と知り合う機会があったとはすごいですね!私もなにかまた情報があったらblog or Twitterで書こうと思います!逆にいろいろ教えてもらいたいこともありますので、今後ともよろしくお願いしますー!  [in reply to pore_pore0]
  • 05:50  RT @nafnaf: ブログうぷ。来週水11/10、19時〜 グラフィックファシリテーション&beyond ワークショップ始まるよ。申し込みお待ちしてます。http://bit.ly/bxXgSZ  #GraphicFacilitation
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  • 05:23  RT @clione: “自分の場を作るときのひとつのメタファーというか、アナロジーのもととして、お茶の世界は非常に学ぶことが多いなと感じています。” RT @tatthiy: 【ブログ更新!】「茶道」の発展から学ぶ、場づくりの作法 – tate-lab http://b
  • 05:23  ご紹介ありがとうございます!うれしいです!RT @pore_pore0: 一座建立・・・「主客の和」だけでなく、立場を超えた客同士の「相客の和」が重んじられているのです。素敵なBLOGです。みなさんも是非^^ RT tate-lab http://bit.ly/9KF0Oi
  • 05:21  おじゃましましたー!今後の展開が楽しみですね!RT @2ndlab: 今日は @yohei917 @Misho @tatthiy @tomokihirano が我が家に遊びに来て、部屋のレイアウトとかイベントの企画とかを話していた。オープニングパーティーとか朝勉強会とかいろいろ
  • 05:21  またぜひよろしくお願いしますー!RT @ikiikilab: 今,シェアハウスに帰宅.みなさま会えずにスイマセン・・・ 今日の文科と経産の合同シンポの話も超おもろいネタがあったので,話せずに残念.また来週にでもぜひ! @2ndlab @tatthiy @Misho
  • 05:21  いろいろ教えてください(笑)RT @yohei917: @tomokihirano @2ndlab @Misho @tatthiy 次は12頭に京都で会いましょう。ニヤリ。
  • 05:20  RT @miyatau: 場作りの話から、茶道を学びに行く話になったばかり! RT @tatthiy: 【ブログ更新!】「茶道」の発展から学ぶ、場づくりの作法 http://bit.ly/9KF0Oi


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