月別アーカイブ: 2010年12月

【コラム】大学院生のメンタルヘルス-学生相談所から見えること-

私自身が大学院生ということもあるのですが、最近「大学院教育」に関する研究を色々読んだので、あらためて「大学院生活」について考えることが多いです。

今回は色々調べているときに見つけた「大学院生のメンタルヘルス」という文献の内容についてご紹介したいと思います。大学院生のメンタルヘルスについてはどんなことが言われているのでしょうか?

紹介するのは以下の文献です。

石橋泰(1998)大学院生のメンタルヘルス.大学と学生,400:43-49

1998年なので少し古いかもしれませんね。著者の石橋泰さんは東京大学学生相談所の助手という立場から、こちらの文献を書かれたようです。

こちらの文献では、学生相談をしているときによく出てくる大学院生の悩みをまとめています。この文献によると、その悩みは大きく3つに分類されるようです。

(1)大学院不適応の例
大学院生活に適応できないといったことから相談にくるケースのようです。具体的には以下のケースが挙げられています。

・あまりよく考えずに大学院に進学してしまったケース
・大学院に進学したものの行き詰ってしまうケース(プライドの高さと自信のなさ)
・他大学からの進学してきたケース

以下の記述はなるほどと思いますね。もちろん、なんでも指導教員頼みにはできないのですが。

大学院生は自分の研究やアルバイトが忙しく人の面倒までみる余裕がなく、学生同士が支えあう風土が弱い研究室もある。学生に任せるだけでなく、教官の側もいい意味で学生同士が競いあいつつ助けあうといった風土を作るよう配慮する必要が増しているように思われる。

(2)多様性の増大
大学院生自体の多様化によって相談内容も多岐にわたってきているようです。

・大学院生の多様化により、相談内容も多岐にわたっている
例)夫婦関係の問題、子育て、親の介護、経済的な問題、など。
学内に保育所を置くなどといった対応が求められる

たしかに「研究だけ」ではなく、院生の場合は、色々な生活との関連で学んでいきます。これはこれまでの青年期の学校とは異なる部分といえそうですね。

(3)研究室に閉ざされがちな対人関係
大学院という狭い世界で生活することによって起こる悩みのケースですね。

・指導教員との関係がより密接になる
→これによるメリットも大きい(学生の問題に素早く気づくことができる)
・一方で、研究室という狭い空間で起こる問題も色々ある
例)恋愛の問題、指導教員との関係悪化など

たしかに大学院の研究室というのは狭い空間です。これによるメリットも当然あるとは思いますが、デメリットやリスクもしっかり自覚しておく必要がありますよね。

著者の石橋さんが最後に書いていることはたしかにと思うことが多いです。

青年期は、自分の力を頼み突っ走ることで大きな業績を上げることのできる時代であった。成人期になると、自分を取り巻くさまざまな要素により注意を払う必要がでてくる。自分の力で成し遂げたと思っていることも、いかに多くのことに助けられていたかということもみえてくるだろう。

成人期以降の課題は、自分と世界のさまざまな要素がいかに結びついてるのかを再度見出し、こうした関係を意識的に実現していくことと言えるだろう。

言われてみればそうかもしれません。

大学院で学ぶことというのは、「自分だけ」で押しきれないなにかがあるように思います。それはもちろん研究を進める上で他者が必要というのはありますし、家族や友達恋人などのとの関係もあるでしょう。もちろん、これは青年期でも同じなのですが、成人期になることで、よりこれらの要素が密接に関わってくるといえるでしょう。

じゃあどうすればいいのか?

自分の研究室でできることもたくさんあるのかなと思います。学生同士で声を掛け合うとか、逆に研究室の人間関係だけに閉じないとか、いろいろあるでしょう。これまで僕自身も、「大学院の人たちがつながる場」をつくってきましたが、こういうことを行った背景には自分自身も狭い人間関係に縛られないようにするということを考えていたのかもしれません。

出来ることはいろいろあると思います。もちろんやれることは、教員、学生、職員、大学以外の人など、立場によってさまざまだと思いますが。これから少しずつこのblogでも大学院のことを書いていこうかなと思います。

私も色々とコラボレーションさせていただいている「いきいき研究室増産プロジェクト」のメンバーが1/24にフォーラムをひらくようです。このテーマは「教員と学生のコミュニケーション再考」ということです。まさに今回のブログ記事と関連するようなテーマですね。研究室マネジメントについても、色々と情報交換しながら、新しくしていく時期なのかなと思います。

【参加受付中】いきいき研究室増産プロジェクトフォーラム2011?研究室での教員-学生間コミュニケーション再考?
http://bit.ly/fjNNLh

先日大学院の知人である讃井さんが大学院組織について興味深い記事を書いていました。こちらもあわせてお読みいただけると面白いと思います。

大学院という組織 〜元組織コンサルが感じた5つの組織的な特徴から〜
http://d.hatena.ne.jp/sanui0822/20101226

博士のシェアハウスの実践も、いろいろな人がつどう場になるといいですね。http://chizaisupport.jimdo.com/

tate-labの関連記事

・院生同士がつながる場づくりとして実施しているHappy Hour(ハッピーアワー)の実践

Happy Hour!
http://web.mac.com/makimuramaho/happyhour/Welcome.html

・中原ゼミで工夫しているゼミの方法
こちらの実践は来年の3月に京都大学で発表を行います。大学院教育について色々調べていたのも、この発表に関連してです。

今年ゼミに導入した「研究室メンバーの内省を促す」3つの仕組み – tate-lab – 教育・学習について研究する院生のblog
http://www.tate-lab.net/mt/2010/05/post-177.html

【まとめ】2010年度の活動実績についてざっくりまとめてみた!

今年の振り返りをするためには、まずは活動の一欄を作ることが大事だろう!ということに気が付きました。

ということで、2010年度の活動実績です。まあざっくりですが。

まだまだ抜け漏れがあるかもしれませんが、だいたいこんなかんじの一年だったのではないでしょうか。一応大きく「アカデミック編」「活動編」にわけてみました。

◯アカデミック編
・学会発表
・学会でのワークショップ

◯活動編
・Learning barスタッフ
・ワークショップ部としての活動
・個人としての活動
・企画・参加した勉強会(一部)
・その他

今年もなかなか色んなことにチャレンジできたような気がしています。まだここに書けないことや、来年以降に成果につながるものなどもありますので楽しみです!

この中でなにか興味があるものなどありましたら、気軽にお尋ねくださいませ。

お問い合わせ – tate-lab
http://www.tate-lab.net/mt/contact/

◯アカデミック編

▽学会発表

舘野泰一・大川内隆朗・中原淳(2010)アカデミックライティングにおける書くプロセスの内省を促すシステムの開発.日本教育工学会第26回大会講演論文集.pp915-916

舘野泰一・大川内隆朗・平野智紀・中原淳(2010)ライティング・センターにおけるチューターの指導を支援するシステムの開発.日本教育工学会研究会報告,JSET10-x:xx-xx.

舘野泰一・木村充・中原淳(2011)文系大学院ゼミナールにおける発表者の研究プロセスへ着目したコメントを促す実践と評価,大学生教育研究フォーラム第17回発表論文集,ppxx-xx

関根雅泰・舘野泰一・木村充・中原淳(2010)「OJT行動」に関する尺度作成の試み.人材育成学会第8回年次大会講演論文集,ppxx-xx.

重田勝介・大川内隆朗・舘野泰一・福山佑樹・香川順子・田中さやか・加藤雅則・上田純子(2010)高等教育初任者教員の不安を緩和する対話システムを用いた実践と評価,日本教育工学会第26回大会講演論文集,pp149-152

▽学会でのワークショップ

岡本絵莉,舘野泰一,宮野公樹,山本祐輔,可知直芳(2010)研究・教育の実践の場としての大学研究室を考える,日本教育工学会第26回大会ワークショップ.金城学院大学,2010年9月18日

◯活動編

▽Learning barスタッフ

指導教員の中原淳先生が企画しているLeanring barというイベントにて、今年もスタッフとして一年間関わりました。場をどのようにデザインするかや、実際の活動案などを考えたり、当日のスタッフ統括などを行いました。

Learning bar 20102月:コミュニケーション不全を克服せよ!:リクルートエージェント【ちゑや】さんのご報告
http://www.nakahara-lab.net/blog/2010/03/learning_bar_2010_2.html

Learning bar 2010年5月:酒井穣さんご講演「ケーススタディで新たな人材開発を構想する」
http://www.nakahara-lab.net/blog/2010/06/20105learning_bar.html

Learning bar 2010年9月:成長する「しかけ」を創る
http://www.nakahara-lab.net/blog/2010/10/929.html

▽ワークショップ部としての活動

一応サードプレイスコレクションも2010年にやったことなんですね。ずいぶん昔のことにかんじます。今年は、田端のまれびとハウスにて様々なイベントを行いました。イベントの様子は主にtogetterにまとめられています。

サードプレイスコレクション2010 ストリートファッション マーケティング ウェブマガジン ACROSS(アクロス)
http://www.web-across.com/todays/cnsa9a000005002s.html

Togetter – 「「くらやみブレインストーミング」やってみた!」
http://togetter.com/li/13831

Togetter – 「LEGO in the Dark Workshop(4/18)」
http://togetter.com/li/15197

Togetter – 「ワークショップについて語る@まれびとハウス」
http://togetter.com/li/18235

Togetter – 「Workshop Square(2010/5/23)」
http://togetter.com/li/23703

第14回 HappyHourの実施
 Happy Hour とは、学生の交流を目的に、情報学環・福武ホールのテラスにて開催されているカフェイベントです。以下の記事にまとめています。

【コラム】継続してイベントをやり続けることの意味 – HappyHourを終えて – tate-lab – 教育・学習について研究する院生のblog
http://www.tate-lab.net/mt/2010/11/post-196.html

 ▽個人としての活動

考えてみたら、ワークショップ部の安斎勇樹くんが主催していた「without」というイベントでもプレゼンをしていました。告知文のリンクを貼っておきます。

舘野泰一(2010)コミュニティのデザインとカスタマイズ,without まれびとハウス 2010/6/6
パーティ「Without」6月6日開催
http://mind-set.jp/contents/blog/2010/05/without66.htm

また、今年は企業の方と一緒にワークショップについて考えることも多かったです。その一部はこちらですね。

Togetter – 「パーティーショット愛好家が有志で集まったワークショップ」
http://togetter.com/li/12751

▽企画・参加した勉強会(一部)

・高等教育勉強会
高等教育をフィールドとして研究する院生たちと共に、高等教育の歴史や現状を把握するために、主に文献行動を行なっている勉強会です。舘野が企画し、スタートしてから今年で2年になりました。

・協調学習勉強会
協調学習に関する文献をあらためて読みなおすということを行った勉強会です。そのときの様子はこちら。

・越境勉強会
越境学習に関する勉強会を行いました。越境学習については、現在調査研究を行っています。社外の勉強会に参加する社会人がどんな理由で参加し、どんな力を身につけているかということを調べるものです。来年辺りにその成果を発表することができるかと思います。

▽その他

中原先生の取材に同行して、いろいろな場所に行ってきました。例えば、以下の記事などにまとめています。

「いいんだけど、面白くない」を超えて – 東京糸井重里事務所に行ってきた! – tate-lab – 教育・学習について研究する院生のblog
http://www.tate-lab.net/mt/2010/10/hoboniti.html

10月くらいはロボットを使ったキャリアカウンセリング等に関する実験を行っていました(笑)これは科研のプロジェクトです。

TOPICS | 人とロボットの共生による協創社会の創成「人ロボット共生学」
http://www.irc.atr.jp/human-robot-symbiosis/

===

こうしてみると色々やっているもんですねー。あとでじっくりまた振り返りを行ないたいところです。まだ今年中にやらねばならないことがあるので、気合いをいれてがんばりたいところですね!

とりあえず記事の最後には今年中原淳先生が出版された「職場学習論」のリンクでも貼っておきます(笑)まだ書評を書いていませんが、中原先生のここ5年くらいの活動がまとめられた本だと思います。

内容もさることながら、個人的には中原先生が「コンピューターを使った協調学習に関する研究」から「職場の学びに関する研究」へシフトしていった様子を近くでみていたので、このようにまとめたのかと、なんとなく感慨深くなる本でした。感想はまたあらためて書こうと思います。まだ読んでいない方はぜひ!

職場学習論―仕事の学びを科学する
中原 淳
東京大学出版会
売り上げランキング: 1223

【今年のチャレンジ】「ケーススタディ型ワークショップの開発」をやってみてわかったこと-いきいき研究室とのコラボ-

気がつけば今年も残りあと少しですね。今年も「これまでにやったことがないこと」にたくさんチャレンジできた年でした。そのチャンレンジについて少しずつこのブログで振り返っていければと思います!

第一弾は「ケーススタディ型ワークショップの開発」についてです!このワークショップは、「いきいき研究室増産プロジェクト」のみなさんと一緒に開発を行いました。ケーススタディはまったく作ったことがなかったのですが、結果的に今年のうちに教材の開発から、ワークショップの実施までをお超えたことになります。これもいきいき研の岡本絵莉さんや宮野さんのおかげです。

ケーススタディの内容は「研究室マネジメント」に関する内容です。「研究室をどのようにマネジメントしたらよいのか?」を検討する素材として、ケーススタディを作成しました。

タイトルは「研究がうまくいかないのはだれのせい?」というものです。ドキッとさせるタイトルにしてあります(笑)ワークショップは今年3回実施しました。日本教育工学会でも実施を行いました。

このケーススタディのワークショップは、2011年1月24日(月)に開かれる「いきいき研究室のフォーラム」でも実施される予定です。もし興味のある人は、参加者募集中ですので、下記のページからお申し込みください。

【参加受付中】いきいき研究室増産プロジェクトフォーラム2011-研究室での教員-学生間コミュニケーション再考? -いきいき研究室増産プロジェクト
http://bit.ly/gulk7p

今回の記事では、ケーススタディ型ワークショップをやってわかったことや、つくってみたときの感想についてまとめてみようと思います。

◯ケーススタディ型ワークショップのいいところ

今回ケーススタディをやってみてわかったことは、以下の点です。ケースがある強みをかんじました。

・ケースという具体的な状況を共有して議論するので、多様なバックグラウンドをもった人でも対話することができる
(話は理系の研究室であるが、文系の人も議論に参加できる)

・具体的な状況を共有して議論するので、議論が空中戦になりにくい
(「研究室のマネジメントはさー」という話にはならず、「だれが何をする」というレベルになる)

・ケースを通して議論したとしても、気づくと自分の研究室と照らし合わせている
(「うちの研究室でも・・・」という話になる)

他にもあるかもしれませんが、ざっと見たところはこんなかんじでしょうか。やはり共通の土台を作れるというのは大きいです。

多様な人達を集めて、「研究室マネジメントについて議論しましょう」とやったとしても、やはりどうしても噛み合わないことがでてしまうと思うのですが、状況をシェアしていると多様性がいきるのかなと思いました。

◯ケーススタディ型ワークショップの難しい点

一方、このタイプのワークショップを作る難しさとしては以下の点を感じました。

・ケースは具体的で感情移入できるもののほうがよいが、あんまり具体的すぎると、対象者を選んでしまう
(めちゃ理系にありがちな状況にすると、今度は文系の人的には感情移入できない)

・ケースで学んだことを、普段の研究室マネジメントにどのように応用するべきか?
(これはどの研修にも関することかもしれませんが)

ケースならではの難しさは一点目かもしれませんね。また、ケースによると思うのですが、明確に学ぶことがあるようなケースではなく、いろいろな解釈ができるものであればあるほど、当日の活動やファシリテーションにも工夫の余地がたくさんあるように思いました。これもやりながら成長していくものなのかなと思いました。

◯ケーススタディ型ワークショップをつくってみて

ケーススタディ型ワークショップをつくってみて思ったのですが、「ケースを作る上」でとても重要なのは、

・ケースになるような「日常の些細だけど重要な出来事」をキャッチできるか
・その出来事をうまく物語として表現できるか

の2点であるように思いました。

今回作成した「研究がうまくいかないのはだれのせい?」については、僕が話のタネになるような出来事をピックアップし、岡本さんがそのケースを物語として表現するといったかたちで作成しました。

結果的にはこれがうまくハマり、架空の「広尾研究室」が誕生しました(笑)広尾研究室は超伝導の分野で有名な研究室という設定で、主人公であるM1の昌子の研究がうまくいかない原因を探るといった内容になっています。

主人公の昌子の状況がけっこう不憫で、「昌子」という人物はいないはずなんですが、「昌子がさー」と思わず語りたくなるようなストーリーです(笑)ワークショップの参加者が、ワークショップ後に「いやー、でも昌子がさー」とか話してくれていると、作り手としてはなんだかちょっとしてやったりなかんじでした。

◯ケーススタディをつくってみて思った意外な効果

ケーススタディをつくってみた意外な効果としては、

・状況をケースにまとめるだけでも意味があると思ったこと
・ケースを読むだけで元気になる人がいるかもしれないこと

の2点です。

1点目は、研究室にありがちな状況をケースというかたちでまとめるだけでも、「ああ、こういう状況ってよくあるんだ」ということで、形になり、ノウハウとして共有することができるのかなと。ありがちな状況をしっかり形式知化していくこと自体にも意味があるのかなと思いました。

もうひとつは、参加者の人に言われたことなのですが、「このストーリーを、昌子(登場人物)と同じような状況になっている人に読ませたら、それだけでも救いになるんじゃないの?」ということでした。

元々はマネジメントを考えるための素材として作ったのですが、この物語自体がもしかしたら、救いになるのかもしれないと思うと、それは面白いなと思いました。

◯まとめ

さて、今回は今年チャレンジしたことの1つ目として、「ケーススタディ型ワークショップの開発」をやってみてわかったこと、について記事を書きました。

やっぱりやってみてわかることはとても大きいですね。

ケーススタディをつくることは、
・「状況を物語にしてみること」
・「物語を共有した上で、みんなが語ること」
・「物語を読むことで得られる物」

とはなにかについて考える、非常によいきっかけになったように思います。

最初にお知らせしたとおり、このケーススタディのワークショップは、2011年1月24日(月)に開かれる「いきいき研究室のフォーラム」でも実施される予定です。興味のある方はぜひご参加下さいませ。

申し込みフォームはこちら!

【参加受付中】いきいき研究室増産プロジェクトフォーラム2011-研究室での教員-学生間コミュニケーション再考? | いきいき研究室増産プロジェクト
http://bit.ly/gulk7p

次回はなにを振り返るかまだ未定ですが、今年も残り僅かなので、いろいろブログに書いていきたいと思います!

◯ケーススタディに関連する記事

【ワークショップ】「研究がうまくいかないのはだれのせい?」を実施した! – tate-lab – 教育・学習について研究する院生のblog
http://www.tate-lab.net/mt/2010/09/post-188.html

【書評】ケーススタディを具体的に知りたいあなたへ- 企業内研修にすぐ使えるケーススタディ – tate-lab – 教育・学習について研究する院生のblog
http://www.tate-lab.net/mt/2010/08/–3.html

いきいき研究室増産プロジェクト
http://www.ikiiki-lab.org/

|入門|ケース・メソッド学習法―世界のビジネス・スクールで採用されている
ウィリアム・エレット
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 83199

【お知らせ】いきいき研究室増産プロジェクトフォーラム2011が開かれるようです!

以前から僕もケーススタディの開発などでコラボレーションをしている「いきいき研究室増産プロジェクト」のみなさんが「2011年1月24日(月) 14:00?18:30」にフォーラムを行うようです。

昨年度のフォーラムについては、僕も企画に関わっていました。また、今年のフォーラムについても、一緒に開発したケーススタディのワークショップの実施をするようです。

今年のテーマは「研究室での教員-学生間コミュニケーション再考」とのこと。興味のある方はぜひご参加いただけるとよいのではないでしょうか。

●○—————————-
フォーラムの概要
——————————●○

教員にとっては研究を進める基盤、そして学生が研究に触れ、将来を
決める場となる『研究室』。その研究室に関する実証的な研究成果と
事例の検討をもとに、今回は研究と教育をポジティブに両立させる
研究室づくりを考えます。

・メンバーでより質の高い議論ができる研究室にしたい方
・将来のために研究室づくりについて知っておきたい方
・他研究室の事例から学びたいという方
のための内容です。

●○—————————-
日時・場所
——————————●○

日時:2011年1月24日(月) 14:00?18:30
場所:品川インターシティA棟27階(京都大学東京オフィス)
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/tokyo-office/about/access.htm

●○—————————-
プログラム
——————————●○

・13:30  開場
・14:00  開会
・14:10   講演「研究室はどのような学生を育てているのか??理工系研究室
の調査結果から読み解く?」
(大学入試センター 研究開発部 濱中淳子先生)
←理工系研究室での人材育成について実証的に検討した貴重な研究成果!!!

・14:50  研究室ケーススタディ「うまくいかないのは誰のせい?」の紹介・討論
(いきいき研究室増産プロジェクト 岡本絵莉)
←仮想の研究室に巻き起こる重要課題の解決方法を検討!!!

・16:20  休憩
・16:30  講演「研究室での”有益な”コミュニケーション?根源と事例から?」
(京都大学 産官学連携本部 特定研究員 宮野公樹)
←研究室における日常的なコミュニケーションを鋭く分析しさらなる有益化を図る!!!

・18:30  閉会(終了後、会場近辺にて懇親会を開催)

●○—————————-
対象(先着順80名)
——————————●○

理工系の大学教員・大学院生・研究者
大学研究室にご興味のある方

(科学/高等教育政策関係者・大学管理運営者・教育/学習を研究している方など、
どなたでも結構です。ただし、取り上げる内容が理工系分野の研究室に特化した
ものであることをご了承ください。)

●○—————————-
参加費
——————————●○

事前申込 3000円
(当日受付 3500円)

*本フォーラムのための会場・物品代として使用します*

●○—————————-
参加申し込み
——————————●○
【方法1】以下のURLから必要事項をご記入ください。
http://bit.ly/iaouhX

【方法2】以下のフォームをコピー&ペーストし、
info[アットマーク]ikiiki-lab.orgにお送りください。

※アットマークを@に変換してください。

———-フォームここから————–
ご氏名:
ふりがな:
連絡先メールアドレス:
ご所属:
職階:
懇親会に参加:する/しない
その他連絡事項:
———-フォームここまで————–

——–お問い合わせ先———–
info[アットマーク]kiiki-lab.org
※アットマークを@に変換してください。

主催:大学研究室運営ワーキンググループ

(いきいき研究室増産プロジェクト)
共催:博士のシェアハウス
後援:東京大学工学教育機構
     京都大学産官学連携本部
     京都大学VBL

◯以前このブログに書いた関連する記事

研究室に関する「ケーススタディ型ワークショップ」を開発しています! – tate-lab – 教育・学習について研究する院生のblog
http://www.tate-lab.net/mt/2010/08/post-182.html

【書評】ケーススタディを具体的に知りたいあなたへ- 企業内研修にすぐ使えるケーススタディ – tate-lab – 教育・学習について研究する院生のblog
http://www.tate-lab.net/mt/2010/08/–3.html

【ワークショップ】「研究がうまくいかないのはだれのせい?」を実施した! – tate-lab – 教育・学習について研究する院生のblog
http://www.tate-lab.net/mt/2010/09/post-188.html

【コラム】クラヤミのエンターテイメント「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」に行ってきた!

先日中原研究室のメンバーと、中原先生が授業をしている慶応MCCの受講生のみなさんとともに「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」に参加してきました!

「ダイアログ・イン・ザ・ダークとは何か」について公式ウェブサイトを見ながら、簡単に説明してみましょう!

ダイアログ・イン・ザ・ダークはヒトコトでいえば、「まっくらやみのエンターテイメント」です。参加者は完全に光を遮断した空間の中に、グループで入り、暗闇のエキスパートである視覚障害者のアテンドさんのサポートのもの、探索をしたり、さまざまなシーンを体験します。

僕が行ったときには9人くらいで1つのグループになり、アテンドさんとともに暗闇に入っていきます。最初は薄暗い部屋に入り、アテンドさんの説明を聞きます。そこで暗闇の中での注意点を教えてくれます。

また、その場所で、白杖(はくじょう)を渡されます。これは視覚障害者の方が普段使っている白い棒ですね。暗闇に入ってみると、この棒のすごさに気づきます。めちゃめちゃ役に立ちます。

説明が終わると、部屋が真っ暗になります。ここから暗闇の探索がスタートします。最初はけっこう怖いと感じます。なんといっても、周りは何も見えません。近くにいる人から少しでも離れると、「あれっ、大丈夫かな・・・」と不安になります。

体験の内容を詳しく書いてしまうと面白くないと思いますので、雰囲気だけ体験していただけるように、どんな会話が繰り広げられるかを紹介してみましょう。

暗闇なので、グループメンバーとのコミュニケーションがとても重要になってくるんですが、見えない中でのコミュニケーションはこんなかんじになってきます。

・「あれ?これ前にいる人だれですか?」「◯◯です!」
→触れただけだと最初はだれだかわからない。

・「◯◯、座ります!」「◯◯、立ちます!」
→いちいち言わないと、ぶつかってしまう

・「こっちのほうにきてくださーい!」
→どっちに進むべきかは声のあるほうへ

・「こっちってどっちよ!?」
→こっちとか、あれとか、そういう言葉が伝わらない。伝え方の工夫が必要。

・「こえー!」「おー!」「つめてー!」「いい匂い!」
→いろいろなことに敏感になります(笑)

雰囲気が伝わったでしょうか?

体験が終わったときには、少し名残惜しい気分になります。ああ、もうこれでおしまいかーと。

非常に楽しいと思ったというのが率直な感想です。

いくつか気づいたことについては、体験が終わった帰りの電車でTwitterからつぶやいたのですが、トピックにして整理してみるとこんなかんじです。

◯クラヤミで信頼・助け合いが自然に起こる理由は?
・クラヤミの中ではみんなが信頼しあい、助け合うことが自然に起こる
・その理由は、全員が共通の不安を共有しているから起こるのではないか?
・普段はなかなかこうした共通の不安を共有できない気がする

◯一度距離が縮まると明るくなっても大丈夫?
・クラヤミに入るとパーソナルスペースが狭くなる
・普段なら近づきすぎと思う距離でも、暗闇だと近くにいないと不安になる
・この距離感を一度体験してしまうと、明るくなってからでも、距離感が縮まる

◯クラヤミだとストレートに表現できる
・クラヤミだと自分の気持ちや状況を逐一表現する。
・普段はだまっていても自分の気持ちをわかってほしいと思うけど、クラヤミではそうならない
・楽しいとか怖いとか自分の感情をストレートに表現する楽しさがある

◯名前を呼び合うのはけっこう楽しい
・クラヤミだと単純にお互いの名前を連呼する
・単純だけどこれは仲良くなれる
・それを自然にできる環境がある

クラヤミイベントというと、他には「クラヤミ食堂」を思い浮かべる方もいるかと思います。僕もこちらは以前に行ったことがありました。ダイアログ・イン・ザ・ダークとの違いを考えてみると、

・ダイアログ・イン・ザ・ダーク→クラヤミを全身で感じられる。動き回れる。
・クラヤミ食堂→「食」にこだわったクラヤミを感じられる。動きは体験できないが、食べるという行為をじっくりとクラヤミで楽しめる。

というかんじかなと思います。

クラヤミということで、共通して感じる経験もあるんですが、違いもたくさんあります。興味のある方はどちらも体験してみるとよいのではないかなと思います。

さて、最後に参考情報です。

実は僕は今年の4月に、ワークショップ部の仲間たちと、クラヤミイベントを色々やっていました。クラヤミでブレストしたり、レゴをしたりしというかんじです。

ちゃんと記事にまとめていないのですが、Togetterがありますのでこちらで雰囲気は伝わるかもしれません!何度も経験したことでクラヤミ慣れしていたようで、ダイアログ・イン・ザ・ダークのときにも、グループの人に驚かれるくらい、自由に動き回れて楽しかったです(笑)

Togetter – 「「くらやみブレインストーミング」やってみた!」
http://bit.ly/aBaWEX

Togetter – 「LEGO in the Dark Workshop(4/18)」
http://bit.ly/apoI5n

ダイアログ・イン・ザ・ダークと、クラヤミ食堂の公式ウェブサイトはこちらです。どちらもウェブに予約や参考の方法が記載されていると思います。興味ある方はぜひご体験くだいませ。

ダイアログ・イン・ザ・ダークは、12/10から12/25までクリスマスバージョンが開催されるようです!

ダイアログ・イン・ザ・ダーク
http://www.dialoginthedark.com/

クラヤミ食堂
http://www.kodomogokoro.jp/kurayami/

このイベントに関する本はAmazonになさそうですが、以下の本は気になるのであとで買ってみようかなと思います。

さわる文化への招待―触覚でみる手学問のすすめ
広瀬浩二郎
世界思想社
売り上げランキング: 215225

アイマスクを使うと、普通の部屋でもそれなりにクラヤミを体験できます。以前クラヤミイベントをやったときには大量のアイマスクをお店で購入したんですが、すごく怪しかったです(笑)ちなみにダイアログ・イン・ザ・ダークは、本当に真っ暗闇なので、アイマスクはつける必要がありません。