今年ゼミに導入した「研究室メンバーの内省を促す」3つの仕組み

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今回は今年中原研究室に導入した「研究室メンバーの内省を促す仕組み」についてご紹介させていただきます!

具体的には「ゼミ」における工夫です。ポイントは3つあります。

1.ゼミのコメントを促す仕組みの改善(去年使っていたコメントシートを紙からデジタルへ!)
2.発表者の内省を促す仕組みの導入!(今年から導入)
3.研究を進める上での「教訓」のデータベース化とTwitterによる配信(今年からの導入)


昨年度は、紙のコメントシートのみを使っていたのですが、今年はそのアイデアをベースに、また改革をしてみました!

今回はその3つのポイントについてご紹介させていただきます!

1.ゼミでのコメントを促す仕組みの改善(去年使っていたコメントシートを紙からデジタルへ!)

ゼミコメントシート.jpgのサムネール画像

以前このブログでも紹介したのですが、中原研究室ではゼミのときに「コメントシート」を導入しています。
このコメントシートは、発表中にメモを取り、発表が終わった後に、発表者に手渡すというスタイルで実施しています。
(昨年度のコメントシートはこのWebで配信しています。文末にリンクを貼りました)

コメントシートの大きな目的は
「ポジティブな意見を伝えよう!そしてのびのびゼミをしよう!」
ということです。

このコメントシートはキャロル・デュエックさんの「しなやかマインドセット」という発想を応用し、「プロセスに対してコメントすること」を重視しています。

昨年度はこれを一年間使っていたのですが、コメントシートが「紙」であることから以下のような問題点がありました。

・紙なので、コメント内容がコメントした人ともらった人しかわからない(共有の問題)
・紙なので、振り返るときにシートがどこにいったのかわからなくなったりする(内省の問題)


だれがどんなコメントをしているか共有できないことで、「コメントスキルの育成」につながらないということや、みんながどのようなことを考えているかがわからなくなってしまいます。また、自分が何をコメントしたのかも、紙を渡してしまうとわからなくなってしまうのですよね。

さらに、もらった方も手書きのシートはうれしいのですが、実は管理が大変だったりします。振り返るときに「どこにいったっけ・・・」となったり、紙を持ち歩かないと「いつでも見直す」ことはできません。

そこで今年は「コメントシートをWebからフォームで入力する」という形式にかえました。
システムを一から作るのは大変なのでGoogleのサービスを使って「フォーム」を作りました。
これはとても簡単ですし、便利です。

これによって以下のことができるようになりました。

・他の人がどんなコメントをしているかを参考にすることができる
・コメントは全てデータになるため、PCまたはネットにつながる環境があれば常に参照できる


やはり面白いのは「他の人のコメント」です。

・「やっぱりみんな同じところにひっかかるんだなあ」
・「ああ、こういう発想は僕にはなかったな」
・「この人、いいコメントするなあ」


というかんじがします。以前は他の人のコメントを見ることができなかったので、かなり新鮮です。
これが1つ目の改善です。

2.発表者の内省を促す仕組みの導入!(今年から導入)

内省シート-1.jpg

これは新しい試みです!
昨年度までは「コメントシート」しか導入していなかったので「聞き手がコメントする機会」は増えたのですが、「発表者がそれをどのように受け止めるか?」「次の発表にどういかすか?」の部分は特に何もしていなかったのですよね。

その問題としては「いろいろコメントをもらったたけど、次のアクションにつながらない」ということがあるのではと思います。

そこで今年はコメントシートと同様に、発表者もWeb上で「内省シート」を導入する仕組みを導入しました。こちらも同様にGoogleのサービスを使っています。

・今回の発表の出来はどうだったか
・今回の発表の準備はどうだったか
・もらったコメントの中で一番印象に残ったのはだれのどんなコメントか
・自分の次の課題は何か?(「やること」と、「その期日」を入力する)


といった項目があります。

これを入力することで、今回の発表について内省し、次になにをするのかということを明確にしていきます。
つまりこことでは、「次のアクションへつながる内省」を促すことを目的としているのです。

3.研究を進める上での「教訓」のデータベース化とTwitterによる配信(今年からの導入)

中原研究室 (nakaharalab) on Twitter.jpg

これも新しい試みです!

今年はコメントシートの項目の中に
「発表を聞いていて気づいた研究に関する教訓・気づきを入力して下さい」
という項目を設けています。

これを導入したのは以下のような理由です。

・他者の発表を聞くことによって、自分自身の学びにつなげること
・発表を他人事ではなく、自分事として捉えること
・「研究についての教訓」という共同体の知をデータベース化していくこと


ここで入力した内容は中原研究室のTwitterアカウントで配信しています。

・ゼミのメンバーが常に教訓を意識することが出来るようにすること
・研究に関する教訓をオープンにすること


という理由からです。

中原研究室のアカウントをフォローしておけば、時々研究についての教訓が流れてくるので、常にそれらを意識することができます。

また、こうした知見は研究室の中で持つだけではなく、みんなで共有した方がメリットが大きいのではないかと思います。そうした理由からTwitterで知見をオープンにしています。


例えば、以下のような教訓が公開されています。

「なぜ?今?この研究なのか」という問いに答えられるようにする。自分がこだわりたい部分、外せないものは何なのか、考える。 by @masahiro_sekine

自分が「何屋」になるのかは難しいけど重要な問い。これを決めるのが大変だけど、決めるといきなりラクになる。捨てる力かな。by @tatthiy #nsemi1

新しい研究のレビューを始める時は、何をレビューするのかを考えることがかなりのウェートを占める。 by@fumituki85 #nsemi1


興味がある方はこちらをフォローしていただけますと幸いです。

中原研究室のTwitterアカウント
http://twitter.com/nakaharalab

まとめ

さて、今回は今年中原研究室に導入した3つの仕組みを紹介いたしました。

中原研究室は、教育・学習に関するテーマで研究しているので、それならやっぱり自分たちの学習環境もイケているものでなければ!と考えています(笑)

そこで毎年いろいろな方法を試しては改善というかたちで進めています。こうしたアイデアは僕たち学生が中心になって導入しています。中原先生がこうした活動を奨励してくれているんですよね。

「自分たちの環境を自分たちでつくれること」

これは「どんな仕組みを導入するか」ということと同じくらい大事なことかなと思います。

この仕組みを導入することでどんな変化が起こったかについてはまたここで紹介していければと考えています。

みなさんの研究室ではなにかこうした仕組みを導入していますか?

こういう知見をみんなと共有していけると、面白いことが起こるのではないかと思う今日この頃です。


▼関連書籍

・内省に関しては中原先生のリフレクティブ・マネージャーが面白いと思います。
・また、コメントシートを作る上では、デュエック先生の理論を意識しています。



▼昨年度の中原ゼミに関する記事


中原淳ゼミの特徴 プチまとめ2009!
http://www.tate-lab.net/mt/2009/12/2009.html

ゼミで使用している「プロセス重視のコメントシート」を公開しました!
http://www.tate-lab.net/mt/2009/12/post-153.html

▼中原先生のblogの関連記事

組織の中で学ぶことは「みんなの問題」&中原ゼミの革新
http://www.nakahara-lab.net/blog/2010/04/post_1685.html

中原研究室のTwitterアカウント
http://twitter.com/nakaharalab

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