教育手法に注目が集まるいまだからこそ、「人はどのように学ぶのか?」という理論そのものも、一般に広がっていくと面白いですよね。

最近色々なところで研修をやっていてかんじるのが「手法についてはいろんなところで話をきいたよ」「でも、そもそもなぜそういう手法をとるのかも、人がどう学んでいるかなんて考えたことはないよ」とみなさん考えているのかなということです。

逆にいえば「人がどう学ぶのか?」「なぜそういうことが必要なのか?」ということについて、とても知りたがっているのかなと感じます。そして、実はそういうところこそが、われわれ研究者の得意なところなんですよね。「知りたがっている人がいる」「それについて詳しい人がいる」というのはとてもグッドな状態です。

こういう機会を上手に使って「人はそもそもどう学ぶか?」ということをみんなに知ってもらうといいのかなと思っています。

もし「人がどう学ぶのか?」という理論などを、多くの人が当たり前に知っている時代がきたとしたら、それはなかなか面白いことが起こるんじゃないかとワクワクします。

「学ぶ」とか「成長する」、「教える」というのは、「学校」や「授業・研修」という決まった枠のなかではありません。生きていれば全員にかかわる身近な問題です。

子どものような発想ですが、ひとりひとりが学び上手・教え上手な人になれば、毎日の生活が楽しくなっちゃうんじゃないの?と思う今日この頃です。そういうことに少しでも自分の仕事で貢献したいですね。

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