どんな体験もリーダーシップ開発プログラムにしてしまう魔法の教授レシピとは?

少しあおり気味のタイトルですが、今日はリーダーシップ開発について書いてみたいと思います。

7月に京都で「リーダーシップ開発学」に関するワークショップを実施したときにも話をしたのですが、「リーダーシップ開発プログラム」をつくるのは実は「ある要素」を押さえればすごく簡単にできます。

その要素を押さえれば「どんな体験(部活、バイト、プロジェクト、ゼミ)」もある程度はリーダーシップ開発の機会になってしまうのです。

ではその要素とは何か?一言でいえば、「リーダーシップの視点で目標を立て、振り返りを行う」ということです。

もっと具体的に言いましょう。要は「チームで何かの作業をした、作業プロセスそのものについて、具体的な事実をもとに、相互にフィードバックをして、その行動の持つ意味を考え、次の行動に活かす」という過程を付け足せばよいのです。

さらに、そこでの振り返りを効果的にするために「リーダーシップの視点での事前の目標立て」が重要になります。なぜならそれが「振り返りのための視点」になるからです。「視点」を明確にしておかないと、振り返りの活動がぼんやりしてしまいます。

ここでの目標も「リーダーシップについて」の目標を立てることが重要です。「優勝する!」といった成果のことだけ目標を立ててもだめです。

つまり、どんな体験もリーダーシップ開発プログラムにしてしまうためには、「グループプロセスに関する目標」を事前に明確に立て、なにかの体験をした後に、「グループでのプロセスについて振り返りを行う」ということをすればよいということになります。

たったそれだけ?と思うかもしれませんが、意外に「それだけ」の行動がプログラムに入れ込まれていないケースは多いと思います。「目標」や「振り返り」の時間は設けられていても、「時間があるだけ」で焦点のぼやけた行動をしてしまうことも多いのではないでしょうか。

重要なのは「リーダーシップ」、つまり「グループでの行動」を対象にした振り返りも忘れずにやることです。案外と「グループの成果だけ」に目を向けて目標を立てたり、振り返りをしてしまうことも多いと思います。

さらに、プログラムを作る側の視点として「体験そのもの」のデザインにあまりに焦点が向いてしまい、「体験の前後の重要性」を忘れてしまうことも多いと思います。

リーダーシップを振り返るための「素材」となる体験があるのであれば、わざわざ新たな「体験」のみを用意する必要はないのです。そうではなく、「体験をサンドイッチするための、目標と振り返り」だけ上手に作成しておけば、どんなプログラムもリーダーシップ開発の方向へと向かわせることができるというわけです。

「リーダーシップ開発」をするというと、ものすごくおおごとのように考えてしまうかもしれませんが、実はこういうちょっとした工夫をいれるだけでも、既存の実践をリーダーシップ開発の場にすることができます。ためしにちょっとやってみるのはいかがでしょうか?

具体的な「目標」「振り返り」の手法についてもあらためてブログ記事にまとめたいと思います。

ちなみに、リーダーシップ開発だけでなく、ワークショップ・デザインにおいても、「体験の前後をデザインする」という視点はとても重要です。実は「学びのデザイン」の様子は前後の方に詰まっていると言えるのではないかと思います。

■関連書籍

 

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京都でのワークショップの様子はこちらにまとめています。

リーダーシップ開発学ワークショップを実施しました:大学生研究フォーラム2015
https://www.tate-lab.net/mt/2015/07/1446.html