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今年度の11月に東京学芸大学にて「卒業論文の書き方講座」を実施させていただきました(番田先生ありがとうございました)。これは学芸大でおこなっている正課課程外の学びの機会をつくる「学芸カフェテリア」という活動の一環でおこなわれたものです。約2時間半でおこないました。

写真は講座の様子を撮った動画のキャプチャになります。スタッフの方がつくってくださいました。学芸大の学生さんは見られるそうですが、映像は一般公開していないようなので、気になる方は私にいってくだされば直接お見せすることができるかと思います。

ちょうどよい機会なので、今回はこの講座がどのようなものだったかについて簡単にご紹介したいと思います。企画は学芸大の図書館スタッフの眞崎光司さんとともにおこないました。

■どんな講座だったのか

この講座は「卒論への旅-2時間半で卒論を書くプロセスを追体験-」という名前で実施しました。

「2時間半で卒論に必要なスキルを全部一方的に教えたところで、結局は忘れてしまうだろう」ということで、具体的なスキルを一方的に教えるのではなく、「いつ、どんなスキルが必要になるのか?」を知ってもらう機会にしようと考えました。

そこで今回は講座を実施する前の下準備として

・学芸大の卒業生に卒論を書いたプロセスをインタビュー
・インタビューをもとに架空の登場人物を設定
・卒論を書く上での悩みを書いた「卒論日記」をこちらで作成

ということをしました。その上で、講座当日は、

・卒論日記を読む
・その悩みを解消するためにはどうしたらいいかを考える
・補足の説明

というかんじで実施しました。つまり、ポイントは、

・卒論を書くプロセスの全体像を知る(追体験する)
・悩んでいる架空の人物に「教えること」で学ぶ

というものでした。

■やってみてどうだったか

結果はとても面白かったです。参加者のみなさんに、悩んでいる学生に対するアドバイスを考えてもらうのですがどれも的確なんですよね。そのアドバイスをまとめたら教科書がつくれてしまうくらいの精度でした。

事前にこちらでも補足の資料を用意していたのですが、大枠は学生さん自体から意見としてでてきたので、こちらは少しだけ補足をすればよいくらいでした。

この講座をやってみると、卒論を書くアドバイスを一方的にこちらで話すことってどのくらい必要なのかなということを考えさせられてしまいました。なぜなら、みなさんよく分かっているからです(笑)だとしたら、本当に必要な支援としてどんなことができるのかについて少し考えてしまいました。

■まとめ

今回の企画では、卒論の書き方について、一方的に教えたりするのではなく、追体験してもらうというかたちで実施しました。まだ卒論を書いたことのない1〜3年生にとっては具体的に卒論を書くプロセスについてイメージがひろがったのではないかなと思います。こういうストーリー型のものはけっこうやっていて面白いなと思ったので、修士バージョンもつくってみたいと思っています。

また、この卒論バージョンについてもせっかく作ったので、いろいろなところで実施できればと思っております。もしこうした講座をやってほしい!というところがありましたらお気軽にお声がけくださいませ。

お問い合わせはこちらから
https://www.tate-lab.net/mt/contact/

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