学びの風景をイメージできるか?:空間デザインの基礎体験ワーク

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10月のことですが、慶應大牛島ゼミ・法政大長岡ゼミの学部生のみなさんと合同ゼミを行いました。中原ゼミからは、中原先生と舘野が「場を作ること」について話題提供を行いました。

僕が担当したのは「空間デザインの基礎を学ぶワーク」でした。最初のプチワークのようなもので時間でいうと30分くらいですかね。

「空間デザインの基礎」といっても、大それたものではなく、言ってしまえば「会場設営」をしてもらうというものです。机や椅子を片付けて、人数分のグループの島をつくるというシンプルな活動です。これは一見簡単な作業に思えますが、実は大事な要素がたくさん含まれています。

会場設営をしてもらう前に、私から以下の点をプレゼンテーションしました。

  • 場作りにおける見た目の派手さを支える堅牢な「裏方」の大切さ
  • ディテールの大事さ 人の動きをイメージできるかどうか
  • チームで戦うことの重要性(役者、舞台監督などなど役割はさまざま)
  • 場作りの実際の事例(写真をつかって紹介)

今回の課題においては、特に「人の動きがイメージできるか」がポイントになります。人がどう動くのか、そして、どうなっていると心地よいのかなどをイメージしながら場を作ってほしいことを伝えました。

課題はさきほども言ったとおり「机や椅子を片付けて、人数分のグループの島をつくる」だけです。課題をミニマムに達成するだけなら非常に簡単なものです。しかし、さきほどのポイントをおさえようと思うと、色々考えることがあります。

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設営をはじめると、動き始める人や、指示をする人など、いろいろな会話が聞こえ始めました。

  • 人数は最終的に何人いるのかな?
  • ひとつのグループに何人座ってもらう?
  • 荷物はどこにおこう?
  • ホワイトボードが見やすい配置にしたほうがいいよね
  • ごはんの場所、どこだととりやすいかな?
  • 食べ物はどこだととりやすいだろう
  • あまった机とイスがじゃまだよね

こうした会話をしながら、徐々に設営をしていきます。

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つくりながら、色々細かいところに気がつき、少しずつ工夫が入っていきます。

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最終的には自分が予想していたものよりも、ずっとよい空間ができあがりました。

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健闘をたたえて乾杯の様子(お茶ですw)

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色々な工夫があったのですが、細かいところとしては例えばこんなところが工夫されていました。

  • 机の角度を変えて、前が見やすくする
  • 明日がコードに引っかからないように線を結ぶ
  • ペンと付箋の置き方を工夫する
  • いらない机や椅子を見えないところにしっかり片付けておく

この他にも、いろいろなところに工夫がこらされており、気持ちの良い空間が出来上がっていました。ひとつひとつは小さなことかもしれませんが、積み上がることでまったく違った雰囲気ができあがってきます。この活動を終わった後に以下の点についてプレゼンテーションを行いました。

  • 場作りにおいて事前のプランは大事だがつくってみてはじめてわかることがある
  • 即興的にどう対応できるか
  • 人の動きをイメージすることができるのか
  • ディテールが詰め切れているかどうか

これらの点を押さえることの重要性について話をし、このワークは終わりました。

今回やったことは「30分の会場設営」でした。しかし、「ただ準備をする」のではなく、「頭をつかって」動いてもらうことを目的にしました。

基本はやはり「人の動きをどこまでイメージすることができるのか」が重要になります。「学びの風景をイメージできるかどうか」といってもいいかもしれません。このイメージを持つことが、ひとつひとつのデザインにものすごく効いてくるんですよね。ひとつひとつは小さいことでも、それが積み重なることで、最終的にできあがる空間はまったく異なるものになります。

今回も、特に意識をしなければ「人数分の島が単純に並べられ、食べ物と飲み物が置いてある机が後ろになんとなく置かれ、荷物を置いたりする場所なども特になく、余った机や椅子もうしろにある状態」になってもおかしくないと思います。

「空間をつくるときにはこうすればいい」といったノウハウもたしかに存在するのかもしれません。しかし、「学びの風景」を描けるようになれば、どんなときにも対応することができます。「人はどうやって学ぶのか」というイメージを、ぜひ頭の中に描けるようになってほしいなと思いました。

合同ゼミでは、僕のこのワークの後に、中原先生によるプレゼンテーションや、牛島先生・長岡先生含めたダイアローグセッションなどが行われました。今回のように、学部のみなさんの前で、場を作ることについて話すことは意外になかったので、こうした機会自体が新鮮でした。お声がけしてくださった牛島先生、長岡先生、参加してくださった慶應大牛島ゼミ・法政大長岡ゼミの学生のみなさんありがとうございました。

今後も少しずつ「場作り」について体験できるワークショップを実施したり、ブログの記事を書いていこうと思っています。

参加者の山根君(長岡ゼミ)の感想はこちらです。

いつもと違う 〜東大での合同ワークショップ〜
http://www.tnlab.net/melcblog/2012/10/121021.html

【追記】牛島ゼミの学生さんの感想はこちらになります。

10月18日 【ワークショップ】

http://goo.gl/suPqG

今回の課題図書は以下の本でした。事前に読んでもらい、面白いと思った部分をひとつ選んでもらい、感想の共有などを行ったのですがこれもとても面白かったです。

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