月別アーカイブ: 2014年2月

日本教育メディア学会で発表してきました:越境学習の場としてのワークショップの実践事例

先日、日本教育メディア学会のワークショップで「越境学習の場としてのワークショップの実践事例」という発表をしてきました。今回は「越境」をキーワードに研究会が行われました。具体的には以下のような内容です。

講演 香川秀太(青山学院大学准教授)(50分)

事例1 「病院ナースと研究者の協働による越境的対話の場のデザイン」
 香川秀太(青山学院大学准教授)
事例2 「海外フィールドワークにおけるコミュニティとの関係の中での越境」
 山本良太(関西大学大学院博士課程後期課程)
事例3 「越境学習の場としてのワークショップの実践事例」舘野泰一
 (東京大学大学総合教育研究センター 特任研究員)

学会Web
http://jaems.jp/workshop

今回は、具体的な事例をというオーダーをいただいていたので、これまで行った2つのワークショップの事例について紹介しました。

1つ目に紹介したのは、大学生を対象にしたワークショップです。この書籍にも収録されている、通称「15の夜ワークショップ」の事例について話をしました。

ワークショップと学び2 場づくりとしてのまなび
東京大学出版会
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このワークショップでは、自分の大学生活を振り返り、モチベーションをグラフ化して、物語にして他者に語るというものです。この活動をすることで、自分がどういうときにがんばれるかなどを理解することを目的としています。

2つ目に紹介したのは、大学生から社会人までを対象としたワークショップです。この企画は、同志社女子大学の上田信之先生らのグループとともに行ったもので、学びにおける「問い」を楽しく深める方法について考えるものでした。

Toyful Meetup 2012
https://www.facebook.com/ToyfulMeetup2012

今回は、メディアを活用したワークショップの事例として、具体的な内容やデザインについて説明しました。

今回はこの事例をもとに、さまざまなコメントをいただき、今後やっていきたい研究の方向性が見えてきました。

色々話をしていると、私はやはり「ゆるめのコミュニティ」の実態やデザインに興味を持っているのかなと思いました。もしかするとそれは「コミュニティ」とか「ネットワーク」という言葉で表せないような、ゆるやかな人の集まりのことなのかなと思います。人々が集まり、つながり、解散していくプロセスについて、今後研究的にもアプローチできるといいなと思っています。

今回コメントをくださった先生方、ゲストとしてお声がけいただいたみなさま、本当にありがとうございました。

ちなみに、当日は雪がすごく、参加者がいるのか心配だったのですが、多くの方にご参加いただきました。どうもありがとうございました。

※当日の東京駅はこんなかんじでした

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「アカデミックな文章の書き方を学ぶ」ワークショップを実施しました!(東京都市大×実践女子大)

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先日、東京都市大の岡部大介先生のゼミ生と、実践女子大学の松下慶太先生のゼミ生を対象に、「アカデミックな文章の書き方」に関するワークショップを行いました。参加者は約20名で、4時間ほどのワークショップでした。

岡部先生と松下先生のゼミでは、『無印都市の社会学: どこにでもある日常空間をフィールドワークする』という書籍をモチーフに、ゼミ生がフィールドワークをして、本のかたちにまとめるという実践をしています。

今回のワークショップでは、そのフィールドワークの成果をまとめて書くときの参考になるようにということで、岡部先生・松下先生にご依頼いただき、アカデミックな文章の書き方を学ぶワークショップを行いました。

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ワークショップは大きく4部構成で行いました。

1.「他者に伝えること」を体験する!
2.「技」を知る!
3.「書き直してみる」ことで学ぶ!
4.「リフレクション」して定着させる

「アカデミックな文章の書き方を学ぶ」といっても、私が一方的に話していても書けるようにはなりません。またテクニックだけ知れば書けるようになるというわけでもありません。

もちろん講義もしますが、「書いてもらったものを他人に読んでもらう」、「普段どうやって書いているかを振り返ってもらう」、「実際にテクニックを使って、次の文章のプランを考えてもらう」などを組み合わせて実施しました。

さらに、今回は岡部先生・松下先生に、今回のプロジェクト(フィールドワークをして文章を書く)をやっている意図についてもあらためてお話ししていただきました。

実は、レポート課題などでもよくあるのですが、意外に「そもそもの課題の意図」が伝わっていないということってよくあるんですよね。

なので、今回あらためてお話ししていただく機会を設けました。(ちなみにワークショップ後の感想を見たら、「先生たちが、このプロジェクトをやるにあたって、私たちのことを色々考えてくれているのだと思った」というものがありました。)

私が文章の書き方に関する講座を行うときになんとなく心がけているのは、「教えてもらっていきなり書けるようになる」ということよりも、「もしかしたら書けるかも!」とか、「書くことについて上達したいな!」というかんじになって帰ってもらいたいと思っています。

文章を書く能力はいきなりつくわけではありませんが、努力の方向性を示したり、こうやっていけば少しずつ上達できそうという予感を感じてもらえたり、答えの決まっていないことを考えるのは大変だけど楽しことだと思ってもらえたりすると、よいなと思っています。

今回のワークショップがそんなきっかけになっていたらうれしいなと思います。

文章の書き方に関する講座を行うと、やるたびに私自身もいろいろな発見があります。

今回も、学生さんたちに「普段どうやっている?」と聞てみるといろいろな回答がかえってきて面白かったです。

さらに、岡部先生・松下先生にも「こういうときってどうやってます?」と聞けてとても楽しかったです。

書くことは大変な作業でもありますが、それだけの楽しさがあるものなので、そういう楽しさをみんなで共有できるといいなと思います。

今回参加してくださった学生のみなさん、お声がけくださった岡部先生・松下先生、会場の準備や撮影をしてくださった松浦さん・大石さん、本当にありがとうございました。よい文章になることを願っております!

■関連するリンク

これまで書いたレポートの書き方などに関する記事はこちらにまとめていますのでよろしければご覧ください。

【大学生・院生向け】文章の読み方・書き方・考え方・発表の仕方まとめ
http://matome.naver.jp/odai/2133342163910863801

■関連する書籍

私も読みましたが面白い本でした。フィールドワークなどお好きな方は読んでみてはいかがでしょうか。

【参加者募集】「大学と大学外の組織が連携した授業実践の評価」に関する研究会(3/15,16)

3/15,16に「大学と大学外の組織が連携した授業実践の評価」に関する英語論文を読む研究会を実施します。一緒に論文を読み、議論してくださる方を募集します。大学授業の評価などに興味がある方にご参加いただけるとよいなと思っています。

人数が集まり次第、締め切りを停止させていただきますので興味がある方はお早めにご応募ください。

参加フォームは以下になります。
http://goo.gl/goRcrO

今回の研究会は、時任くん(@山形大)が中心になって企画しているもので、舘野と木村くん(@東大)がサポート的に研究会の運営や文献の選定に関わっています。研究会の詳細については、時任くんがまとめているので、以下をご覧ください。

「大学と大学外の組織が連携した教育活動」が,随分と増えてきました.PBL,サービス・ラーニング,フィールドワーク,インターンシップ…などなど.

大学を飛び越えて,学生さんが大学外の人たちとコミュニケーションを取りながら色々な事を学べるのは素晴らしい事なのですが,こういった活動が正課で行われるようになった事で

「どうやって評価するの?」と悩まれている方も沢山おられると思います.

そこで,本研究会では,ずばり

「大学外の組織と連携した教育活動をどうやって評価するの!?」

を追及します.具体的には,以下の4つのテーマについて英語論文の輪読をします.

a) 高等教育における「評価」(総括的な話)
b) 企業等と連携した授業実践の評価
c) サービス・ラーニングの評価
d) 学習の転移

以下の要綱を読み,興味のある方は是非投稿フォームより参加申し込みをしてください!

————————————-研究会要綱—————————————
(1)英語論文に意欲的にチャレンジできる人.この研究会では, NEWな情報を基に議論することを目指します.ちょっとカッコよく言うと,「最先端!」です.そのため,ここ最近発表された英語論文を輪読します.

(2)参加決定後,関連分野に関する推薦論文を5本程出していただきます.その後,事務局で合議のもと,輪読論文を決定させていただきます.

(3) 発表を担当して頂ける人.この研究会では,講師による講義形式ではなく,各論文の内容をまとめたものを皆様に発表して頂く形を取ります.

(4)活発な議論の場を創り上げてくれる人.ディスカッションの時間を設けますので,積極的に参加する姿勢が求められます.

(5)泊まりが可能な人.宿泊型ですので,夜の懇親会も含めて熱く議論をしましょう.
——————————————————————————————————

日時:2014年 3月15日(土曜)11時50分集合?3月16日(日)12時解散

場所:マホロバマインズ三浦
URL:http://www.maholova-minds.com/
住所:〒238-0101 神奈川県三浦市南下浦町上宮田 3231

*現地集合現地解散

人数:約15名

費用:18,000円
上記費用に宿泊代,会議室利用料,15日昼食・夕食,16日朝食,懇親会費,会議雑費が全て含まれています

事務局:山形大学  時任隼平(責任者)
     東京大学  舘野泰一
     東京大学  木村充

問い合わせ:山形大学 時任まで jtokito[アットマーク]kdw.kj.yamagata-u.ac.jp

今後の予定: 人数が揃い次第,〆切らせて頂きます
        MLを作成.推薦論文を募集
        2月中旬 輪読文献決定
        2月下旬 担当決定
        3月15日 研究会スタート!

申し込み方法:こちらのフォームから申し込みをしてください.
http://goo.gl/goRcrO