タグ別アーカイブ: アクティブラーニング

アイスブレイクを効果的におこなうためには?

アイスブレイクの手法はたくさんありますが、以下の点を押さえておくとより有効に使えると思います。

一番大事なのは「アイスブレイクをワークの文脈にしっかり位置づける」ということだと思います。

・メインワークとして何をやりたいのか?
・どんなメッセージを伝えたいのか?

これと合致するものを上手に配置すると効果を発揮します。オリジナルなアイスブレイクワークを作らなくても、お題を少し変えるなどのカスタマイズでも十分だと思います。

逆にこれをしないと、せっかくほぐした空気がリセットされてしまいます。「あれはなんだったの?」という雰囲気がかもしだされます。

「これはこれ、あれはあれ」というかんじにするのではなく、上手に流れに位置づけること、それがアイスブレイクを効果的に使うコツではないかと思います。

今日書いた内容は、今週始まった「他者のリーダーシップ開発(GL102)」という授業の中でも取り扱いました。初回の授業なので、アイスブレイクを体験してもらったのですが、それを通じて「具体的にどう設計するか?」という後ろ側についても解説するというスタイルですね。「体験してもらった後にネタばらしをする」というスタイルで、場を設計できる学生を育てられれば名と思っています。

■ワークショップに関連する書籍

プレイフル・ラーニング

プレイフル・ラーニング

posted with amazlet at 17.09.22
上田 信行 中原 淳
三省堂
売り上げランキング: 134,367
ワークショップデザイン論―創ることで学ぶ
山内 祐平 森 玲奈 安斎 勇樹
慶應義塾大学出版会
売り上げランキング: 47,663

本気で取り組む人がバカにされない雰囲気をつくること

学び・成長を促すために、色々授業方法を工夫したりするわけですが、そもそもの前提として「本気で学ぶことがバカにされない雰囲気」をつくることは必須といえるでしょう。先日こちらのツイートをしましたが、それなりに共感していただけたようです。

このような環境をつくるためにはどうしたらよいでしょうか。

一つ目は、「外の大きな世界を知る」ということが考えられます。足を引っ張り合うのは「狭い世界のでの相対的優位性」に着目してしまうからともいえます。より大きな目標(ビジョン)のために、目の前の仲間と一緒にがんばるほうが得だと思える環境作りが重要です。

二つ目は、教える側もそういう環境になっているということでしょう。結局どれだけ口で何かをいっても、「まあこれは建前でしょ」と思われたら終わりなんですよね。背中で語るというか、たしかにそうだよねと示すことが大事になってくるのかなと思います。

「あいつ何本気になっちゃってんの?」

という雰囲気はだれしも実は経験していると思います。でも結果的に、だれも得をしない考え方ではないでしょうか。

まあもちろん「他人にも本気になれ!」とものすごく迫るコミュニティはちょっと息苦しいかもしれません。ただ、少なくとも個人が本気になってやることを止める権利はないのではないかと思います。

本気になって行動する人を応援できるコミュニティはあらためて大事なのではないでしょうか。以前書いたこの記事も関連する内容だと思います。

「手を挙げる人がいない」ことよりサポートする人がいないことの方が問題?:「後方支援型リーダーシップ」の重要性

「大学教育の改善」を各教職員の個別努力だけに依存しないために

昨日はEdu-Lab Meeting「プロジェクト型学習と役割意識」というイベントで講演をしてきました。(写真は村上先生に撮っていただいてものをお借りしました。)

講演の概要をツイートしておきました。

講演の中では、立教大学経営学部の「SA制度」の実践と、「SAを対象にした研究内容」について報告をしたのですが、それをもとに主張したかったことは「大学教育改善のモデル転換」でした。

各教職員が、授業や授業外(図書館やラーニングコモンズなど)で、それぞれ別々に努力して、実践をやっていくことももちろん重要です。ただ、やはりこうした「個別努力集合モデル」だけでは限界があると思います。

そうではなく、「ある授業」をきっかけにして、それによって「図書館やラーニングコモンズを使いたくなる」とか、「学ぶ意義がわかる」とか、「他の専門の授業に興味がでる」とか、「先輩や教職員とつながる」とか、授業を起点に大学全体を学びのコミュニティ化する「授業起点モデル」も並列的にやっていく必要があるのではないでしょうか。

SA制度の活用は、単に「授業運営がちょっと楽になる」といった次元ではなく、それをきっかけに「大学全体を学びの場にする」といった大きな可能性を秘めているのではないかと考えています。

このあたりについては、ブログではなく、なにか別のかっちりしたところでもまとめて書きたいなと思っています。

登壇の機会をくださった森先生、村上先生、参加して下さったみなさま本当にありがとうございました。アクティブトランジションを読み、わざわざ会場に持参してくださった方もいてうれしかったです。

 

アクティブトランジション 働くためのウォーミングアップ
舘野 泰一 中原 淳 木村 充 浜屋 祐子 吉村 春美 高崎 美佐 田中 聡 保田 江美
三省堂
売り上げランキング: 35,096

昨日紹介した動画などはこちらでみることができます。

よいフィードバックを「受け入れる」ためにはどうしたらいいか?:組織の支援の重要性

リーダーシップを身につけるために、フィードバックは大事と言われていますが、なかなかフィードバックは受け入れるのが難しいですよね。

単に「あなたのフィードバックはこれだよ」と、フィードバックのレポートなどを渡しただけではなかなかフィードバックは受け入れられないかもしれません。それよりは、「フィードバックの結果」とともに「対話」(コーチングやメンタリング)をしながら、「自分の強みや弱みを発見していく」ということが大切になるでしょう。フィードバックを「受け入れるため」の施策も同時にやっていく必要が大切になります。

その際に、もうひとつ大事なことは「関係者全員がその重要性を理解している」ということではないかと思います。リーダーシップ開発に関する文献の中でも、トレーニングの効果は、組織の状況によって促進することも阻害することもできることが指摘されています。

仮に「よいフィードバックの仕組み(レポート&コーチングなど)」があったとしても、「それってなんの意味があるの?」というかんじで個々人がその意義を理解していなかったり、組織としてその重要性を周知徹底していないと、仕組みはよいけど効果につながらないということになってしまいそうです。

私は今年初めて立教大学経営学部のリーダーシップ開発プログラムで、「メンター制度」を取り入れて、フィードバックに対する「コーチング」ができるような体制をつくりました。宇田武文先生ご協力のもと、90人を超える学生たちに対してコーチングの研修などを行い、一定の成果を出すことができました。メンターの人たちははじめての仕組みにも関わらずがんばってくれました。(写真は研修の様子です)

ただ、私がやるべきこととして、もう少し組織全体でこういった試みがなぜリーダーシップ開発につながるのかについての意義を説明するとよかったと思っています。このあたりは来年度の課題です。来年度はそれらを踏まえてよりパワーアップした仕組みにしたいと思っています。

フィードバックをする機会をつくるだけでなく、それが「受け入れられるような環境」をいかにつくるかはリーダーシップ開発をする上で重要なポイントになると思います。

■関連記事

メンター制度についてはこちらに詳しくまとめています。

先輩約90名が1年生のグループワークを支援する!:メンター制度の導入

■関連図書

コーチングについてはこの本がわかりやすいです。

マンガでやさしくわかるコーチング
CTIジャパン
日本能率協会マネジメントセンター
売り上げランキング: 9,388

リーダーシップについてはこちらの書籍に1章書いています。

人材開発研究大全

人材開発研究大全

posted with amazlet at 17.08.24
東京大学出版会
売り上げランキング: 23,383

「プレイ動画」だからこそ学べること:文字の教科書にできないこと

最近新しいことを学ぶときに「文字のまとめられた情報」からだけでなく、「動画で実際にやっている姿」(広い意味でプレイ動画)から学ぶことが増えてきたように感じます。

例えば、ぼくが最近学んだものというと「テニス」と「ゲーム(スプラトゥーン2)」が挙げられます。

テニスについては、超初心者で今年はじめてスタートしたのですが、ボールの打ち方などのイメージは「実際に打っているところ」に関する動画をYoutubeなどでみてイメージをつかんでいます。身体の動きみたいなものは、文字でみるよりも動画でみるほうが断然リッチです。

ゲームでいうとスプラトゥーン2は、Youtubeでうまい人のプレイ動画などを時々みています。やっぱりうまい人は立ち回りも違いますし、そういうふうにやるのかというかんじで、とても勉強になります。

「動画」という教材が面白いのは、「できごとをまさにやっている姿」(ある種のプロセス)を見られるという点ではないかと思います。「ボールを打つ」、「敵と戦う」という姿そのものを見ることができます。

教科書や文字の情報というのは、どうしても「あとからまとめた教訓」(ある種のプロダクト)になりがちです。「こういうことを意識してやるとよい」というコツの情報もとても意味があるのですが、それはあくまで「事後に」、「言葉で」表現された情報であって、そこからは「どうやってそれがでてきたのか」を理解するのが難しいという問題点があります。

一言で言うと「言っていることはわかる。でも自分がどうやってやったらいいかわからない!」みたいな状況になるんじゃないかと思います。

現代はどこにいても「実際に動いている姿」からモデリングによる学習ができる時代といえるのかもしれませんね。

今日は「動画」の教材的な意義について書いてみました。

昔はゲームをやるときにも、

・攻略本などを読む(本という媒体から文字情報で理解する)
・友達から聞く(学校など対面でつながっている人とのやりとり)

と、かなり学習リソースが限られていたものの、いまは

・ネットの情報を読む(専門のサイトなどが複数ある)
・対面であったことはない人の投稿などを参考にする
・プレイ動画をみて学ぶ

など非常にリソースがリッチな状況が生まれており、プロダクト、プロセスの情報がバランス良く入手できるようになっているように思います。

以前将棋の羽生善治さんが書籍で、現代はネットなどの発達から「学習の高速道路」状態であるという話をしていましたが、そういう環境になっているなあということを肌で感じています。

もちろん、ある程度のところまでは高速道路で学べるものの、その先は大渋滞というのはあるかもしれません。ただ、趣味という範囲であればそれはそれでいいのかもしれませんね。

■参考文献

知の高速道路の話はこちらの書籍に載っていましたね。

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)
梅田 望夫
筑摩書房
売り上げランキング: 71,556

「受け身的な消費者」ではなく、「自分から行動できる人」を育てるために

リーダーシップ教育に関する文献を読んでいるときにでてきた一文がとてもいいなと思いました。引用元は「The Handbook for Student Leadership Development」です。

the goal of most leadership programs is for students to become active practitioners of leadership, not just passive consumers.

非常にシンプルな言葉ではありますが、常に意識しておくべき言葉だと思います。

学習者がよりよく学べるための学習環境をつくりこむことは大切ですが、ユーザーへ単にサービスするだけで「消費者として扱ってしまう」というのは、本来の目的からずれてしまうことになります。

さらに過剰なサービスは、「なんでこれをしてくれないの!?」というかんじでかえってモンスター消費者になってしまうことを助長してしまう可能性すらあります。

学習者自身の「力強さ」を損なわないけど、「何もしないわけではない」という感覚は難しいですが、そういう環境をつくることが大事になりますね。

■参考書籍

こちらの書籍のなかで「大学生のリーダーシップ教育」に関する章を書いておりますのでよろしければご覧下さいませ。

人材開発研究大全

人材開発研究大全

posted with amazlet at 17.08.22
東京大学出版会
売り上げランキング: 58,081

大学生を対象にしたキャリアワークショップなどの事例は以下に掲載しています。

アクティブトランジション 働くためのウォーミングアップ
舘野 泰一 中原 淳 木村 充 浜屋 祐子 吉村 春美 高崎 美佐 田中 聡 保田 江美
三省堂
売り上げランキング: 17,980

スプラトゥーン2をやって感じたリーダーシップを発揮する前提条件としての「個の確立」

チームへの貢献をする場合にリーダーシップはもちろん重要なのですが、やはりその前提には個の成長が必要になるのかなと思います。ゲームをやっていても、リーダーシップについて考えてしまうところがやや職業病ですけど笑

単純にチームに貢献しようと思うと、最低限自分の技術がないと話にならないのですよね。もちろん「ナイス!」とか声かけをするみたいなことはできるのですが、貢献の幅がすごく限られてしまいます。自分自身が成長すると、リーダーシップ発揮のための行動の幅が必然的に増えてきて、役割を見つけ出したりするのも楽になってきます。

授業でリーダーシップを教える場合に、グループワークの形式をとることが多いわけですが、ここでリーダーシップやグループワークやり方にフォーカスするのは重要であるものの、ある程度「専門知識」や「プランの考え方」などの基礎的な能力を高めておかないとなかなか機能しないのかなと思います。

個を高めることとリーダーシップの成長の両輪をいかにまわせるかが授業設計のポイントになりますね。ただこれは1つの授業で全てやるのは難しいのでカリキュラムの設計がポイントになるでしょうね。

■参考書籍

こちらの書籍のなかで「大学生のリーダーシップ教育」に関する章を書いておりますのでよろしければご覧下さいませ。

人材開発研究大全

人材開発研究大全

posted with amazlet at 17.08.22
東京大学出版会
売り上げランキング: 58,081

大学生を対象にしたキャリアワークショップなどの事例は以下に掲載しています。

アクティブトランジション 働くためのウォーミングアップ
舘野 泰一 中原 淳 木村 充 浜屋 祐子 吉村 春美 高崎 美佐 田中 聡 保田 江美
三省堂
売り上げランキング: 17,980

 

ちなみにスプラトゥーン2をはじめたことで、はじめてヒカキン動画をみました笑

大学でよい人材を育てること、そしてその人材が活躍できる環境をつくること

大学教育の役割としてよい人材を社会に送り出すことは重要ですが、それを受け入れる環境も同時に変わっていくことが結果的に大事になってくるのではないかと思います。先日これに関連する2つのツイートをしました。

これは実は「高校」と「大学」の関係も当てはまりますよね。

先日、京都の西京高校の教育実践の話を聞いたのですが、高校教育とは思えない非常に充実した実践をしていました。京都外大の村上先生のツイートを引用させていただきます。

こういう実践をやっているのをみると、大学に入って「高校の方が面白かったよ。。。」と思われないようにしないとなあと身が引き締まりました。

よい人材を育成するというのは、陸上でいえばまさに「リレー」のようなものですね。それぞれが努力した「バトン」をしっかりキャッチして、前に送り出せるようにすることを意識するのが大事ですね。

日本の陸上は最近リレーで結果を出していますし、日本人はこういうのは得意と思ってがんばるのがよいかもしれませんね笑

■参考図書

どんな大学生活をしていた人が、企業で活躍しているのかについては、以下の書籍に研究成果をまとめています。「大学だけ」「企業だけ」で評価するのではなく、セグメントを超えた評価というのが今後さらに大事になってきそうですね。

アクティブトランジション 働くためのウォーミングアップ
舘野 泰一 中原 淳 木村 充 浜屋 祐子 吉村 春美 高崎 美佐 田中 聡 保田 江美
三省堂
売り上げランキング: 77,541

アクティブラーニング型授業がカタチだけの導入にならないために

先日現場の先生方とお話しさせていただいたときに感じたことを連続ツイートしたので、それをまとめた上で、考えていることを補足しました。

アクティブラーニング型の授業が広がるのはよいのですが、「カタチを取り入れないと!」というプレッシャーもあり、どうしても形式だけの導入になり、「そもそもどういう学習者になってほしいからやっているんだっけ?」というところまでなかなか考える時間がとれていないのかなと感じます。

それを「現場の教員が考えていない!」と安易に批判しても仕方ないのかなと思います。先生たちも忙しい中で新しいことにチャレンジしようとしているのは間違いないと思います。

私たちが忘れてはならないのは、新しいことを取り入れて実践する先生方もまた学習者であるということではないでしょうか。先生方が「新しいことに挑戦したい」と思えるような環境をつくれなくては、そもそも学生に対して「主体的な学びの場」を提供することは難しいと思います。

変化に対してプレッシャーをかけすぎず、安心して挑戦できるよう場が必要というのは、教員に限らずいまとても必要なことなのではないかと感じています。

■参考図書

カタチだけの参加型授業では結果的に自発性は育成できないのではないか?ということに関してはこちらの書籍の論文章でも書かせていただきました。なにかの参考になれば幸いです。

アクティブトランジション 働くためのウォーミングアップ
舘野 泰一 中原 淳 木村 充 浜屋 祐子 吉村 春美 高崎 美佐 田中 聡 保田 江美
三省堂
売り上げランキング: 77,541

【動画公開】2017年度 立教大学経営学部 リーダーシップ入門(BL0)「ポスター発表」

 

立教大学経営学部 1年次生対象の自動登録科目「リーダーシップ入門(BL0)」のポスター発表の様子を動画にまとめました!

今年度の連携企業は株式会社ビームス様です。経営学部の1年生約400人が以下の課題に取り組んでいます。

「メンバーの誰かがジブンゴトとして捉えているテーマを1つ選んで、BEAMSができることを提案せよ」

ポスター発表は「中間発表」としておこなわれ、先輩、教員、OB・OG、協力企業のみなさまなど、総勢600人規模でおこなわれました。

動画でその様子が伝わればと思います!動画は経営学部の2年生が作成してくれました。

撮影:尾花俊弥(立教大学経営学部2年:2017年度時点)
動画作成:佐々木李希(立教大学経営学部2年:2017年度時点)

授業も折り返しですが、後半戦もがんばっていきます!

【お知らせ】

舘野に関する書籍が絶賛発売中です!よろしければぜひご覧下さいませ。

アクティブトランジション 働くためのウォーミングアップ
舘野 泰一 中原 淳 木村 充 浜屋 祐子 吉村 春美 高崎 美佐 田中 聡 保田 江美
三省堂
売り上げランキング: 66,874

 

人材開発研究大全

人材開発研究大全

posted with amazlet at 17.05.24
東京大学出版会
売り上げランキング: 1,942