【動画公開】2017年度 立教大学経営学部 リーダーシップ入門(BL0)「ポスター発表」

 

立教大学経営学部 1年次生対象の自動登録科目「リーダーシップ入門(BL0)」のポスター発表の様子を動画にまとめました!

今年度の連携企業は株式会社ビームス様です。経営学部の1年生約400人が以下の課題に取り組んでいます。

「メンバーの誰かがジブンゴトとして捉えているテーマを1つ選んで、BEAMSができることを提案せよ」

ポスター発表は「中間発表」としておこなわれ、先輩、教員、OB・OG、協力企業のみなさまなど、総勢600人規模でおこなわれました。

動画でその様子が伝わればと思います!動画は経営学部の2年生が作成してくれました。

撮影:尾花俊弥(立教大学経営学部2年:2017年度時点)
動画作成:佐々木李希(立教大学経営学部2年:2017年度時点)

授業も折り返しですが、後半戦もがんばっていきます!

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明日の授業は約600人でポスター発表!:「リーダーシップ入門」の中間発表

私が授業の統括(コースリーダー)をしている「リーダーシップ入門」(通称BL0)の授業は、明日が中間発表です。この授業は産学連携型PBL(Project-Based Learning)の形式をとっており、立教大学経営学部の1年生約400名が18クラスに分かれて必ず受講する授業となります。教員18名、Student Assistant(SA)などの授業を運営する先輩スタッフ100名以上がかかわって運営する大規模な授業です。

今年は株式会社ビームス様と連携して「プロジェクト課題に取り組むことで、リーダーシップを学ぶ」ということをしています。

明日のポスター発表では、普段は18クラスにわかれている受講生が2会場にわかれて発表をおこないます。それぞれの会場に受講生だけで約200名がおり、そこに教員、先輩、連携企業のビームス様などをあわせると、約300名になります。つまり、2会場あわせて約600人が動く大規模なイベントです。

元々私がこの授業を担当したときには、中間発表は各クラス内で実施をしていたのですが、他クラスの授業を知ることや、多様なフィードバックをもらうことを目的に、ポスター発表の形式に変更しました。変更してから今回が3回目ですね。

今年はOB・OGが参加できるようにしたり、先輩の学生がこれまで以上に多く参加できる仕組みを整えたりと、また昨年に比べて大きくバージョンアップさせました。

ポスター発表の運営チームは全部あわせると100名を超えます。その人数が複数のプロジェクトチームに分かれて準備をしています。日々、LINE、Facebookメッセージ、gmailなどのメッセージは大洪水状態ですが、それぞれのチームががんがん動いているおかげで、しっかり準備をした状態で明日を迎えられそうです。運営を支えている学生スタッフのみんな、教職員のみなさまには本当に感謝感謝です。

受講生たちにとっては、ポスター発表は最初の大きな発表の舞台となります。発表はチームメンバーが交代でおこなう形式なので、全員がプレゼンテーションを体験することになります。また、クラスを横断する機会となるので、「自分のプランと同じことを考えているグループがいる!」とか「こんなによく考えているチームがあるのか・・・」など多くの刺激を受ける機会になるでしょう。

ポスター発表は一方的なプレゼンテーションというより、インタラクティブなやりとりが多いので「これはどうして?」「なぜこう考えたの?」など、質問されることではじめて「これをもっと深めよう」という気持ちになるのではないかと思います。

うまくいくこと、くやしいと感じること、両方あると思いますが、がんがん刺激を受けてほしいと考えています。

大きなイベントを運営するのは体力的には正直なかなかしんどいですが、これだけ多くの人がかかわるからこそできる場があるというのはやはり非常に楽しいです。数百人規模の学生を相手に、数百人規模の運営チームを率いて授業をつくるのは、もはや「授業作り」というか、ひとつの大きな組織を運営しているようなかんじがします。毎回自分のリーダーシップを試されているという思いですが、よい場になるよう明日もがんばっていきたいと思います。

【参考情報】

2015年度のポスター発表の様子はこちらをどうぞ。

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グループワークがうまくいかないと悩むあなたへ

「グループワークがうまくいかない」という人に向けてのメッセージを連続ツイートしたのでブログにまとめてみました。一言で「グループワークがうまくいかない」といっても、いろいろな状況があると思うので、状況別に書いてみました。

グループはなかなかうまくいかないことも多いかもしれませんが、「最初からうまくいく」「最初から失敗」ということはありません!

「よいチーム」は、「どうにかよいチームにしよう」という努力を全員が最後までし続けたチームだと思います。周りの助けもかりながら、ぜひそんな体験をしてほしいなと思います!

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書籍「アクティブトランジション」に収録されているワークショップの実践報告をいただきました。柴田さん、どうもありがとうございました!

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http://ameblo.jp/juno-career/entry-12275607043.html

書籍に掲載しているワークショップは、コピーしてそのまま実施が可能です。ぜひ書籍をご覧になってくださいませ。

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リーダーシップ教育とICTの活用

先日、International Leadership Associationのカンファレンスに参加してきたことをブログに書きました。今日はその中でも「オンラインの学習環境」に関することを書いてみたいと思います。

カンファレンスで感じた感想のひとつとして、リーダーシップ教育をテクノロジーを使って支援するアプローチは思った以上に多いという印象を受けました。テクノロジー活用のパターンとしては、1.オンラインのリーダーシップ学習プログラムの提供、2.e-portfolioの活用、3.オンライン上でのコミュニケーション(skypeなど)を活用すること、などがあったように思います。

海外ではすでにそれぞれのパターンについて実践が行われ、どのような利点や改善点があるのかが議論されていました。日本と比べてここも進んでいると感じた点です。

もちろん日本の実践(自分が関わっている立教大学経営学部の事例)を考えても、ポートフォリオシステムの活用や、LINE・Facebook・skypeなどの活用は当たり前のように行っているわけですが、海外と比較してしまうとまだまだやれることがありそうです。

テクノロジーを活用した教育という意味では、私は教育工学の研究をしてきたということもあり、これまでのノウハウを活かしてリーダーシップ教育を発展させることもできるかもしれないと思っています。

なぜテクノロジーが必要かといえば、単純に仕事をする上でテクノロジーの活用が当たり前になっているということ以外にも、リーダーシッププログラムの拡大といった状況的な理由や、リーダーシップ教育における振り返りの重要性、メンバーの多様性の担保、など色々な点が考えられそうです。

テクノロジーはツールなので、それを使うこと自体が目的化するとややこしくなってはしまいますが、よりよい学びを支援するためのテクノロジーのあり方というのは、リーダーシップ教育の文脈でもキーになるのではないかと感じました。

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海外の大学におけるリーダーシップ教育とは?:ILAに参加してきました

先日、International Leadership Associationのカンファレンス(アトランタで開催に)に参加してきました。ILAに行くのは今年で3回目です。今回ははじめて日向野先生とともにプレゼンテーションもしてきました。

3回目の今回は一番学会にきてよかったと感じました。最初の二回は海外と日本との文脈の違いなどがわからず、前提の部分で色々とわからないことがあったり、自分もまだ自分の実践について話すことがなかったりでしたが、今回は自分がどんな情報を聞きたいや、自分が話したいことも明確だったので、よりアクティブに参加することができたと思います。

ILAでは海外(特にアメリカ)の大学におけるリーダーシップ教育に関する事例や研究が豊富に報告されます。色々感じたことはあるのですが、今回はざっくり2点だけ感想を書きます。

1.アメリカではリーダーシップ教育が大学の中に根付いている

ILAに参加して思うことは、明らかに日本とはフェーズが異なるという点です。日本でリーダーシップ開発をメインにしている実践というのは数少ないと思うのですが、アメリカでは本当に多くの大学で実践されています。

そのため、「どうやって授業をスタートしようか?」といった悩みのフェーズではなく、いろんなところで実践始まっているけど、「実際効果はどうでているか」、「どんな要因がリーダーシップ教育を促進するのか」、という点までだいぶ踏み込んできているという印象を受けました。これは昨年よりも明らかにそういった発表が増えているかんじがしましたね。

あらためて「圧倒的に進んでいる」ということを感じたというのが率直な印象です。日本ではどこからどう手をつけるとよいのかということは色々と考えることになりました。

2.リーダーシップを巡るシチュエーションの違い

ILAに参加して毎回感じることではありますが、「リーダーシップ」という言葉に対する認識や、文化(?)など、前提が日本と色々異なるということをあらためて感じます。

日本人の感じる「リーダーシップ」という言葉から連想されるイメージ、そして、「リーダーシップ行動をとるためにハードルとなること」というのはやはりだいぶ違うのだろうなというかんじです。

その違いの部分がけっこう面白いポイントになるはずなので、具体的にどう違って、違うからこそどう面白いのかという部分を切り出していくことはひとつ重要なことなのかなと思いました。

以上、まずはざっくり大きな印象を2つ書いてみました。

この2つは毎年感じることではあるのですが、日本でリーダーシップ教育の実践に約3年関わってからきてみると、いつもとは違ったインパクトがありました。

やはり海外の文脈を踏まえて、自分たちがやっている日本での実践をみていると、色々相対化される部分がたくさんあります。日本よりも明らかに進んでいる実践がある中で、どのようにそれらと関連づけ、どのようにこちらの強みや特徴を活かしていくのかというのは、難しいものの面白い問いだとあらためて感じました。

具体的に色々感じたポイントについてはあらためてまた記事にしようと思います。

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「グループワークが苦手な子に対してどうしたらいいですか?」と質問されたときに思うこと

アクティブラーニングなどに関する研修をしたときに、必ず聞かれる質問のひとつが「グループワークが苦手な子に対してどうしたらいいですか?」というものです。

こう聞かれたときに考えることは2つあります。

1つ目は、グループワークの得意・不得意の差が出ないような参加の構造をつくることが、アクティブラーニングのデザインのしどころだということです。

例えば、4人グループ場合に、4人それぞれ別々の資料を配って、協力することが必要になる環境をつくるなどの方法があります(ジグソーメソッドと言われたりします)。こうした方法を取り入れると、全員が参加しやすくなります。

こうした方法以外にも、そもそも間違った意見をいっても大丈夫と思えるような、心理的に安全な場作りをするというのもあります。

全員の前で発言をさせて「それは間違っている」など恥をかかせられたりすると「だったらだまっておこう」と思ってしまうでしょう。まずは意見の言いやすい雰囲気を作ることも大切です。

このように参加を促すための仕掛けや知見は現在いろいろと蓄積されてきています。これらを活用してみるのがよいように思います。

ただ、それをするときに前提として重要になるのは「本当に学生たちはグループワークが苦手なのか?」という視点を頭の片隅においておくことです。苦手だとこちらが思い込んで、機会を渡せていないだけの可能性も検討することが必要です。

2つ目はグループワークのプロセスそのものも学習(成長)できるということです。

「グループワークが苦手な子に対してどうしたらいいですか?」という質問をする場合、全てではありませんが「苦手な子は変わらない」というニュアンスが含まれていることがあります。

しかし、実際はグループワークのプロセスそのものを上達させることは可能です。そのためには、グループワークを終えた後に、学習内容だけでなく、グループワークのプロセスそのものも振り返る必要があります。

「あのときこういう質問してくれたのがよかった」
「よい意見を持ってるから、早めに言ってくれてもいいよ」

というかんじで、グループワークそのもののフィードバックと振り返りの仕組みをいれれば、グループワーク自体が得意になる(少なくとも苦手ではなくなる)可能性があります。立教大ではこれをリーダーシップ教育として実施しています。苦手でもやれば成長するという視点を持つことが重要だと思います。

今日は「グループワークが苦手な子に対してどうしたらいいですか?」という質問について考えてみました。

前提として言えることは「その子は本当にグループワークが苦手なのか?」をまず疑うこと、そして「苦手でも上達は可能である」と考えることがスタートではないかと思います。その上で、すでに蓄積されているさまざまな技法や考え方を上手にご自身の実践のなかに埋め込むとよいのかなと思います。

「グループワークが上手になる」というのは、なにも「ものすごく明るくなる」とか「すごく社交的になる」といったことではありません。静かであっても、人と協力して理解を深めることや、物事を達成するためになにかしらの役割を担うことができればOKだと思います。

こうした視点を持っておくと、グループワークも授業の中に取り入れやすいのかなと思っています。

 

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課題の提出が遅れるメカニズムと解決策について考えてみた

「課題の提出が遅れた!」というのは学生にとって非常にあるあるなのではないでしょうか。社会人にとってもどきっとする話題かもしれません。ぼくもどちらかというとギリギリにやるタイプの人なので気持ちはよくわかります。

今回は「提出遅れがなぜ起こるのか」「起こらないために何をしたら良いのか」について自分なりに考えてみたことを書いてみようと思います。

まず提出遅れが起こる一番の原因は結局のところ「スタートの出遅れ問題」なのではないかと思います。最初に手をつけるのが遅いことで、課題を進める上での深刻な問題が引き起こり、締め切りに間に合わなくなるということです。具体的に想定できる深刻な問題は3つです。

1.課題に取り組む時間が長くなる
・課題や授業の内容を忘れてしまうので、資料を見直したりする時間が増える
・困ったときに人に助けを求める時間がとれないのでひとりで抱えるしかない

2.見積もりが不正確なのでスケジュールが立てられなくなる
・課題が具体的にどのくらいの時間がかかるかわからないので予定が立てられない

3.間に合うかなという焦燥感のなかで過ごすことが増えてしまう
・課題やっていないという後ろめたさや焦燥感のなかで課題に取り組むので集中できない

このように「初動が遅い」ということで「時間がかかり、予定が読めなくなりなり、あせる」という悪循環にはまっていくわけです。

ではなぜそもそも「スタート出遅れ問題」が起こるのでしょうか。それには3つの理由があると思います。

1.課題についての考え方の問題(そもそも)
・初動の遅れが深刻な問題につながることに気がついていない
・完璧主義傾向がある(中途半端にやれない・他者に見せられない)

2.課題に対する自分なりの意味づけの問題(なんで?)
・「なぜこの課題に取り組むのか?」の自分なりの意味づけができていないので後回しになる
・授業を通して何を得たいのか、どんな自分になりたいかが不明確

3.時間の確保に関する問題(いつやるの?)
・課題が出された直後にとりかかる時間を取っていない
・課題に取り組む時間を確保できていない
・締め切りに間に合えばよいと思っていて、「自分なりの前倒しした締め切り」を設定できていない

おそらく「そもそも」初動の遅れがこういうことにつながるということに気がついていなかったり、完璧主義ゆえに中途半端に手をつけるのがいやというパターンがあるのではないかと思います。できていないのを人に見せるのもいやなので、どんどん問題を抱えてしまうという傾向もあるかもしれません。

次に「なんでこの課題をやるの?」という自分なりの意味づけができていないケースも多いと思います。「出されたからやる」という受け身の姿勢では「あとでやればいいや」となりがちです。

最後に、結局のところ「いつやるの?」というスケジューリングに問題があると思います。課題に取り組む時間を確保できていなければ、当たり前ですがどんどんあとまわしになってしまうのです。

これらを踏まえ、解決策を考えてみました。要は以下ができていれば大丈夫ということになります。

1.初動の遅れが全ての原因であることを知る
2.課題をやることについて自分なりの意味づけをする
3.課題をいつやるのか時間を確保する

まずこの文章を読んで「初動の遅れ」が全ての原因であることを知ります。その上で、「自分なりの課題の意味づけ」をする必要があります。

そのためには、要は「なりたい自分に近づいている!」という感覚を得ることが大切ではないかと思います。「自分はこの授業が終わった後にどんな状態になっていたのか?」や「こんな大学生になれたらいいな」というワクワクする目標を立ててみて、この課題がそこにつながっているという感覚を得えます。

なので、まずは「自分はどんな人になりたいのかな?」ということを考えてみるといいでしょう。一人で考えるだけでなく、友達と話してもいいかもしれません。また、教員や先輩に「こういう力はどういうときに使えますか?」などを聞いてみてもよいかもしれません。

次にやることは、課題が出されたら完璧でなくていいので、まず最初にざっくりと課題に手をつけて、締め切りも少し前倒した日程にしておくことです。具体的なステップは以下です。

1.課題がだされてなるべく早い段階で一度課題に手をつけて以下の3つを考える

  •  (1)どのくらい時間がかかりそうか
  •  (2)何がわからないか(他者の助けが必要そうか)
  •  (3)いつ時間を確保するか、を決める

2.定期的に課題をだされるのであれば「何曜日のいつはこの課題のための時間」と最初から決めておく

3.困ったときに他人に聞けるように、友達と一緒に空きコマを使って課題をやる

  • 助けてくれる人(先輩など)の空いている時間も事前に確認

4.「最低限提出できるもの」を一日前につくっておく

5.提出日は手直しをするくらいにしておき、提出時間の2時間前を「自分締め切り」としておく

最初のうちは「自分がこの作業にどのくらい時間がかかるか」という見積もりがたいてい甘いです。自分で「1時間かかる」と思ったら「1.5倍」くらいの時間を確保しましょう(1時間30分)。そして、毎回自分が課題にどのくらい時間がかかっているかを記録しておくことも大事です。

こういう流れを作れるように意識してみると、締め切りよりも早く、質の高い課題を提出できるのではないかと思います。

いかがでしたでしょうか。なんとなく起こってしまう「仕事の遅れ」も、こうやって考えてみるとわりとシンプルな現象であり、ちょっと意識すればできそうな気がしてきませんか笑?

これらを意識して「短い時間で、計画通り、気持ちよく」課題に取り組んでいけるようお互いがんばっていきましょう!

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言葉を「他者への説明」ではなく「自分の学び」のために使うことの意義

「言葉にする」というと、反射的に「他者への説明」という文脈が思いつきます。しかし、言葉にするということは必ずしも「説明」だけを意味するのではなく、「自分自身の学び・気づき」にも使うことができます。こういう視点は当たり前に見えて、意外に忘れがちなのかなと思います。

例えば、授業の振り返りの場面を考えてみましょう。あれは本来だれのため・何のためにやっているのでしょうか?

ともすると「教員に対して、自分はちゃんとやってるよ」ということを伝えるメッセージになってしまうのではないかと思います。しかし、本来的に振り返りは「自分の学びを深めるため」に使ってもらえばよいので、メッセージになってなくてもかまわないと思います。

自分なりに理解を深めようとしたときにどう考えたのか。自分なりのちょっとした違和感や疑問などを言葉にするとどうなるか。こういうことにトライする機会になることが望ましいのだと思います。

つまり、振り返りで対話すべきは「他者」ではなく「自分」なのです。自分なりの理解の断片をなんとか言葉として表出してみるという自己内対話こそが理解を統合させるキーになるのです。

このように考えたときに、教え手の態度としては「振り返りが他者に伝わるかどうか」は「結果」であって、まず第一の目的は「自分なりのもやっとした理解を言葉にしようと試行錯誤してみることなのだ」ということをしっかり伝え、「自分と向き合うこと」を推奨することが大切になってくるのかなと思います。

今日は学びを深める振り返りについて書きました。こんなことを思ったのは、先日、慶應義塾大学の諏訪正樹先生の講演を聞いたからです。諏訪先生は「身体知における言語化の意義」について研究をされています。例えば、ボウリングの熟達において、言語化(振り返り)がどう影響を与えるか等の研究があります。研究内容はこちらの書籍にまとまっています。

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あらためてこうした知見はいろいろなところに活用できるなと思いました。授業のなかでもいろいろとあらたな工夫をしていきたいなと思っています。

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アクティブトランジションのFacebookページでは、日々ワークショップの活用事例などを更新しております。よろしければ「いいね!」どうぞよろしくお願いします。
https://www.facebook.com/activetransition/

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「事実」と「解釈」を見分けて、自分の「見えない価値観に気がつく」という練習

秋学期の授業のひとつに、ビジネスコミュニケーションに関するものがあります。この授業は、折口みゆき先生がメインで、私がサポート的に入っている授業です。

この授業では、ここ数回、タイトルに書いた「事実」と「解釈」を見分けて、自分の「見えない価値観に気がつく」という練習をやっています。「事実」と「解釈」を分けるというのは、簡単そうに見えてけっこう難しいです。特に自分がかかわっているものであればあるほど、「何が事実か」「何が解釈か」というのを分けてみられなくなるものですよね。

でもこうした思考習慣は、論理的に考えるときにも、創造的になにかを考えるときにも基本となる視座なのではないかと思います。

事実と解釈の違いがわかってくると、自分は「どんな出来事」に対して「どんな考え方をしているか(価値観をもっているか)」ということを自分でも意識的になっていきます。そうすると、ある物事に対してひとつの側面から決めつけるのではなく、「もしかしたらこういう可能性があるかも?」と視野を広げたり、「自分はいまこういうことにこだわっているのかも」という自己理解に結びつけることができるのではないかと思います。

こうした「事実」と「解釈」を見分けて、自分の「見えない価値観に気がつく」というのは、実は色々なワークショップに共通する基本的なデザインのポイントなのかもと思います。

例えば「対話型鑑賞法」という、アート作品をベースに対話を行うという方法があります。この方法では、鑑賞者は作品を見た感想を話すわけですが、そのときにも「何をみて(事実)」、「どう感じたか(解釈)」という両方を分けて理解することを大切にしているように感じました。例えば、「作品からさびしさを感じる(解釈)」というと、「具体的にどこの部分をみてそう思いますか?(事実)」というかたちで、しっかり対応付けをすることを大切にされているのかなと思います。

こうした思考の習慣に慣れることは大切なことなのかなと思います。

(↓対話型鑑賞法ではひとつの作品をもとに、みんなで対話しながら鑑賞する方法です。)

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「事実」と「解釈」を見分けることができると、「きっとこの人はこうだ!」といった決めつけをしてしまうのではなく、ものごとに対して「よい保留」ができるようになるのではないかと思います。

「じっくりみて、考える」という思考の様式に慣れる訓練はいろいろなところで必要になってくるのかなと思います。

■関連情報

以前対話型鑑賞のイベントをやったときの記事はこちらです。(平野智紀くんのページです)
http://www.tomokihirano.com/blog/2013/01/kyoto-u-130120.html

アクティブトランジションのワークショップも基本的には、ワークをやるなかで「自分の価値観に気がつく」というものが多いです。

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つまらないものを面白がれる力をいかに身につけるか?

同じ授業や講演を受けても、よく学べる人、よく学べない人の差はあると思います。ではよく学べる人はどんな人かというと、ひとつには「面白がれる力」が高いんだろうなと思います。「面白がれる力」とは、要は「自分にとっての意味づけ力」ともいえるのかもしれません。

一見つまらない、もしくは自分とは関係なさそうなものであっても、「これをやったら、こういう意味があるかも」、「こう捉えてみれば、これも面白いかも」という、自分にとっての「意味変換フィルター」みたいなものを持っている人は、どんな体験からも学びを得ていってしまうなと思います。

ではそういう「面白がれる力」はどうやったら身につけさせることができるのでしょうか。授業をしている身としてはここがポイントですよね。ぼく自身まだ答えはないのですが、2つアプローチがあるのかなと思います。

1つ目は「なりたい自分を描く(描かせる)」ということです。夢というほど大きくなくてもいいのですが、「自分はこうなりたいな」といったイメージがあるだけで、身の回りの情報に対して「アクティブに」接することができるようになるのではと思います。なので、最近授業では「この授業が終わった後、どんな自分になっていたい?」ということをよく質問するようにしています。

2つ目は「学んだ知識を活用する場面を持つ(持たせる)」ということです。具体的には、授業で学んだことを身の回りの環境に適応させてみて、その結果を報告してもらうという実践をしてもらっています。そうすると、普段受けている授業についても「こういうところに使えるかな」というかんじで、知識の「加工・適用」をイメージしながら受けることができるようになるのかなと思います。

この2つの工夫はぼくひとりで考えたわけではなく、一緒に授業を作っている高橋俊之先生(立教大学経営学部 特任准教授)のアイデアがベースになっています。

要は、同じ体験からより深い学びを得るためには、「なりたい自分」というキャリア的アプローチと、「授業外での活用」という学習論で言うところの転移アプローチの2つが必要になるのかなと最近考えています。

以下のリンク先にあるような人のように過ごせると毎日がより楽しくなるのかなと思います。そんな人を育てられるような環境をつくっていきたいなと思います。

「何でも楽しいという友人」
http://anond.hatelabo.jp/20070823233243

■お知らせ

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