タグ別アーカイブ: リーダーシップ教育

アイスブレイクを効果的におこなうためには?

アイスブレイクの手法はたくさんありますが、以下の点を押さえておくとより有効に使えると思います。

一番大事なのは「アイスブレイクをワークの文脈にしっかり位置づける」ということだと思います。

・メインワークとして何をやりたいのか?
・どんなメッセージを伝えたいのか?

これと合致するものを上手に配置すると効果を発揮します。オリジナルなアイスブレイクワークを作らなくても、お題を少し変えるなどのカスタマイズでも十分だと思います。

逆にこれをしないと、せっかくほぐした空気がリセットされてしまいます。「あれはなんだったの?」という雰囲気がかもしだされます。

「これはこれ、あれはあれ」というかんじにするのではなく、上手に流れに位置づけること、それがアイスブレイクを効果的に使うコツではないかと思います。

今日書いた内容は、今週始まった「他者のリーダーシップ開発(GL102)」という授業の中でも取り扱いました。初回の授業なので、アイスブレイクを体験してもらったのですが、それを通じて「具体的にどう設計するか?」という後ろ側についても解説するというスタイルですね。「体験してもらった後にネタばらしをする」というスタイルで、場を設計できる学生を育てられれば名と思っています。

■ワークショップに関連する書籍

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秋学期の授業がスタート!リーダーシップ開発、論理思考、学生主体・・・

秋学期の授業が今日からスタートです。授業スタートに先立ち、今週は授業準備なども一気にスタートしました。

まず秋学期から新設する「他者のリーダーシップ開発(GL102)」という科目の打ち合わせをしました。この授業では、「自分だけでなく、他者のリーダーシップ開発に関われる人材の育成」を目的に、

・リーダーシップについての理論
・学習理論
・ワークショップの手法
・組織開発の事例検討

などを学ぶものです。高橋俊之先生、SAの磯野さんとともに授業を運営します。すべて新規コンテンツになりますが、なかなかよい授業になりそうでこちらも楽しみです。(写真はSAの磯野さん)

次に「論理思考とリーダーシップ」に関する授業の準備、キックオフがありました。まず、授業を運営するSA(Student Assistant)に対する最後の研修をしました。研修では「グループへの介入の仕方」など学ぶために、傾聴や質問に関する研修をおこないました。この研修はすべて私がやるのではなく、多くの部分を学生が運営してくれました。学生への研修を学生が自前でやる環境が整いつつあるのがとてもよいことです。

もちろん教材のベースは宇田武文先生につくっていただくなどして、教員が環境を整えた上で、学生に少しずつ権限委譲をしていくというかたちをとっています。(写真は研修の様子です)

その後、クラスの懇親会を教室でおこないました。企画・運営はクラスの学生幹事が考えます。どんなアイスブレイクにしたらよいのか、どんな食事にしたらよいのかを一生懸命考え、運営してくれました。

「自分のクラスの環境を自分で整える」というのは、リーダーシップを学ぶクラス運営としてとても大事な視点となります。1年生向け授業ですが、半期を終えて秋学期になるので、一層自分たちで環境をつくる力を身について欲しいものです。

ということで、授業がはじまると、打ち合わせなど含め、一日がジェットコースターのように過ぎていきます。さらに、流通するメッセージの数も尋常ではない数になります。Facebookメッセージ、LINE、Gmailなどなど、さまざまなメディアのメッセージをさばくことになります。

なかなかそうなると、Blogの優先度が下がりがちなのですが、後期も更新をがんばっていきたいと思います!

ちなみに、さきほど書いた「リーダーシップと論理思考」の授業では、授業の最終プロジェクトとして、高校生を対象に「論理思考を教えるための授業(教材)」をつくり、実際に教えるということをやります。昨年度も300名を超える高校生が参加しました。

今年も「高校生を募集中(もちろん参加費無料)」なので、ご興味ある方は以下のリンクからお申し込みください。より身近なオープンキャンパスのようなものです。(※先着200名様に立教大学経営学部オリジナル限定グッズをプレゼント )

<お申し込みサイト>
https://goo.gl/RbRivP

「リーダーシップ教育」に関する学会発表をしてきます

今週末に行われる日本教育工学会で、リーダーシップ教育に関する発表をしてきます。

タイトルは「大学におけるリーダーシップ教育の実践と評価に関する研究-立教大学経営学部BLPの評価の試み-」です。内容はリーダーシップ開発に関する授業をした結果、どのような能力が身についたのかを検証するものです。

リーダーシップ教育は実践として少しずつ広がりをみせていますが、実際の効果検証をするところまではなかなか至っていないのが現状です。そこで、今回評価の枠組みを使い、分析をしてみたというかんじです。

研究としてはまだ第一歩ではありますが、今後に広がりのあるものだと思っています。

今年はリーダーシップ教育に関する論文、書籍などをがんがんアウトプットする予定です。忙しさに負けそうになりますが、ここで宣言して、後に引けないようにすることでがんばりたいと思います笑

■関連する文献

リーダーシップ教育についてはこちらの書籍でも執筆しています。ご興味あるかたはご覧下さいませ。

人材開発研究大全

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「ビーチでミーティング」はちゃんと仕事していないのか?:「ちゃんと仕事する」の意味とは

あたらしい働き方についていろいろな議論がなされています。そのひとつのキーワードとしてでてくるのが「ワーケーション」。ワーケーションとはこんなかんじです。

ワーケーションとは「ワーク(仕事)」と「バケーション(休暇)」を組み合わせた造語。旅行先などでの仕事を認めるものだというが、これまでのテレワークとは何が違うのか。

JALの担当者によると、これまでもJAL内ではテレワークの制度があったが、「在宅勤務」と呼ばれており、仕事をする場所は自宅や上長が認めた特定の場所などに限られていたという。

ワーケーションは、この働く場所の特定をなくすことが大きなポイントだ。帰省先や旅行地など、どこでも良いことになる。

引用:http://www.huffingtonpost.jp/2017/06/21/story_n_17250114.html

このように働き方がかわってくると「ちゃんと仕事する」ということの意味がかわってくるのではないかと思います。先日これに関する連続ツイートをしました。

働き方が多様化していくことは面白いと思う一方で、じゃあ「どこまでありなのよ?」とか「なにはオッケーで何はだめなの?」という話になってくるのではないかと思います。そのときにポイントになるのは実は「説明(理由付け)」だと思うのですが、ここがまたややこしいですよね。

「説明のしやすさ」と、「本当にそれが意味があるのか」というのは必ずしも一致しません。せっかく多様にしたのに、説明ができないから、結果的に「いつものになる」というのはなんだかせつないところです。

もちろん「あいまいでなんでもOK!」なんてことにはならないわけですけども、なにを「ちゃんと仕事をしている」と評価するのかは、これからの時代だいぶかわってくるだろうと思います。

「ちゃんと仕事する」というのが何を指す時代になるとハッピーになるんでしょうか?

このあたりぼく自身も少し考えていきたいなと思っています。

 

 

とりあえずぼくがビーチで仕事をしたいから言っているわけではないことを一応述べておきます。

 

 

うそです。できるならしたいと思いました。

 

そういう時代くるかな。

 

 

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「自分なり」のリーダーシップを理解するためには:自己理解の重要性

ひとりひとりリーダーシップのスタイルが異なってよいということは、画一的でなくていいなと思うのですが、一方で、「ではあなたなりのリーダーシップスタイルは?」ということになります。結果的に自己理解の必要性がでてくるわけですね。

大学生を対象にしたリーダーシップ教育では、研究においても「アイデンティティ」という話がでてきます。それはある種の自己理解の必要性を表しているのではないかと思います。

「自分のことを知る」というのは、あんまりやりすぎると「自分探しの旅」に深くはまってしまうかもしれませんが、他者とインタラクションをおこないながら「もしかしたらこういうかんじかな」という仮説を立てるのは大切なことだと思います。
「正解を見つけきる」のではなく、「現時点での暫定解(仮説)」を出して、「行動の指針にする」くらいがちょうどよいと思います。

これを大学に入ってからやるのもよいですが、できれば早い段階で習慣づけられるといいのかなとも思います。

今回は「自己理解」について書きました。リーダーシップを教える科目の中でも、やはりこれはキーになるので、上手に授業に埋め込んでいきたいところです。

■参考図書

こちらの書籍がとても参考になりました。日向野先生らによる新著(訳書)です。

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私もこちらの書籍でリーダーシップ教育に関する内容を一章書いています。

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大学と企業の接続に関する調査やワークショップはこちらをご覧下さいませ。

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意見をしぶしぶ受け入れるでもなく、強引に納得させるでもなく、合意するためには

大学生にとって、ミーティングでしっかり「合意する」ということは難しいことのようです。

私たちは「ちゃんと決める」練習というのを実はやってきていないのかなと感じることがけっこうあります。「本当は納得してない」みたいな状態で「なんとなく決まる」ということは多いのではないでしょうか。

また、どうしても意見を飲ませるというか、「戦いモード」になってしまうこともよくあります。ちゃんとコミュニケーションしたら「仲間」になれるかもしれないのに、ついつい目先の違いなどで戦ってしまうんですよね。

「相手を倒す」より「仲間を増やす」方が、結果的に目標達成につながるのではないかと思います。これはひとつのリーダーシップともいえるので、上手に学んで欲しいなと思います。

■参考書籍

こちらの書籍のなかで「大学生のリーダーシップ教育」に関する章を書いておりますのでよろしければご覧下さいませ。

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大学生を対象にしたキャリアワークショップなどの事例は以下に掲載しています。

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本気で取り組む人がバカにされない雰囲気をつくること

学び・成長を促すために、色々授業方法を工夫したりするわけですが、そもそもの前提として「本気で学ぶことがバカにされない雰囲気」をつくることは必須といえるでしょう。先日こちらのツイートをしましたが、それなりに共感していただけたようです。

このような環境をつくるためにはどうしたらよいでしょうか。

一つ目は、「外の大きな世界を知る」ということが考えられます。足を引っ張り合うのは「狭い世界のでの相対的優位性」に着目してしまうからともいえます。より大きな目標(ビジョン)のために、目の前の仲間と一緒にがんばるほうが得だと思える環境作りが重要です。

二つ目は、教える側もそういう環境になっているということでしょう。結局どれだけ口で何かをいっても、「まあこれは建前でしょ」と思われたら終わりなんですよね。背中で語るというか、たしかにそうだよねと示すことが大事になってくるのかなと思います。

「あいつ何本気になっちゃってんの?」

という雰囲気はだれしも実は経験していると思います。でも結果的に、だれも得をしない考え方ではないでしょうか。

まあもちろん「他人にも本気になれ!」とものすごく迫るコミュニティはちょっと息苦しいかもしれません。ただ、少なくとも個人が本気になってやることを止める権利はないのではないかと思います。

本気になって行動する人を応援できるコミュニティはあらためて大事なのではないでしょうか。以前書いたこの記事も関連する内容だと思います。

「手を挙げる人がいない」ことよりサポートする人がいないことの方が問題?:「後方支援型リーダーシップ」の重要性

「タスクのないビジョン」、「ビジョンのないタスク」ではなく

先日「リーダーシップの探求」(早稲田大学出版会)p116を読んでいたところ、しびれる一節がでてきました。

タスクがないビジョンは夢に過ぎず、
ビジョンがないタスクは単調な労働に過ぎず、
ビジョンとタスクが揃って初めて世界の希望となる。

すごくよい言葉だなと思いました。「単なる夢」を言われてもどうすればいいかわからない、でも「これをやれ」と言われると単なる作業になってしまう。こういうことは本当にたくさんありますね。自分がリーダーシップを発揮するときに胸に刻んでおきたい言葉だと思いました。

これは少し応用すると、アクティブラーニング型授業を考えるときにもよいかもしれませんね。

「こういう手法を取り入れないといけない」という手法だけ入っても、単なる作業になってしまう
「こういう学習者を育てようぜ!」と大きな目標だけ立てられても、そんなの無理だよとなってしまう

自分たちなりの「ビジョン」と「タスク」を組織で作り上げることができると、どんなことに対しても、前向きに取り組めるのかもしれませんね。いろんなことに応用できる含蓄のある言葉だと思いました。

「世界の希望」っていうのもなかなか良い言葉ですね。

【参考図書】

今回紹介させていただいた書籍です。

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「大学教育の改善」を各教職員の個別努力だけに依存しないために

昨日はEdu-Lab Meeting「プロジェクト型学習と役割意識」というイベントで講演をしてきました。(写真は村上先生に撮っていただいてものをお借りしました。)

講演の概要をツイートしておきました。

講演の中では、立教大学経営学部の「SA制度」の実践と、「SAを対象にした研究内容」について報告をしたのですが、それをもとに主張したかったことは「大学教育改善のモデル転換」でした。

各教職員が、授業や授業外(図書館やラーニングコモンズなど)で、それぞれ別々に努力して、実践をやっていくことももちろん重要です。ただ、やはりこうした「個別努力集合モデル」だけでは限界があると思います。

そうではなく、「ある授業」をきっかけにして、それによって「図書館やラーニングコモンズを使いたくなる」とか、「学ぶ意義がわかる」とか、「他の専門の授業に興味がでる」とか、「先輩や教職員とつながる」とか、授業を起点に大学全体を学びのコミュニティ化する「授業起点モデル」も並列的にやっていく必要があるのではないでしょうか。

SA制度の活用は、単に「授業運営がちょっと楽になる」といった次元ではなく、それをきっかけに「大学全体を学びの場にする」といった大きな可能性を秘めているのではないかと考えています。

このあたりについては、ブログではなく、なにか別のかっちりしたところでもまとめて書きたいなと思っています。

登壇の機会をくださった森先生、村上先生、参加して下さったみなさま本当にありがとうございました。アクティブトランジションを読み、わざわざ会場に持参してくださった方もいてうれしかったです。

 

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昨日紹介した動画などはこちらでみることができます。

よいフィードバックを「受け入れる」ためにはどうしたらいいか?:組織の支援の重要性

リーダーシップを身につけるために、フィードバックは大事と言われていますが、なかなかフィードバックは受け入れるのが難しいですよね。

単に「あなたのフィードバックはこれだよ」と、フィードバックのレポートなどを渡しただけではなかなかフィードバックは受け入れられないかもしれません。それよりは、「フィードバックの結果」とともに「対話」(コーチングやメンタリング)をしながら、「自分の強みや弱みを発見していく」ということが大切になるでしょう。フィードバックを「受け入れるため」の施策も同時にやっていく必要が大切になります。

その際に、もうひとつ大事なことは「関係者全員がその重要性を理解している」ということではないかと思います。リーダーシップ開発に関する文献の中でも、トレーニングの効果は、組織の状況によって促進することも阻害することもできることが指摘されています。

仮に「よいフィードバックの仕組み(レポート&コーチングなど)」があったとしても、「それってなんの意味があるの?」というかんじで個々人がその意義を理解していなかったり、組織としてその重要性を周知徹底していないと、仕組みはよいけど効果につながらないということになってしまいそうです。

私は今年初めて立教大学経営学部のリーダーシップ開発プログラムで、「メンター制度」を取り入れて、フィードバックに対する「コーチング」ができるような体制をつくりました。宇田武文先生ご協力のもと、90人を超える学生たちに対してコーチングの研修などを行い、一定の成果を出すことができました。メンターの人たちははじめての仕組みにも関わらずがんばってくれました。(写真は研修の様子です)

ただ、私がやるべきこととして、もう少し組織全体でこういった試みがなぜリーダーシップ開発につながるのかについての意義を説明するとよかったと思っています。このあたりは来年度の課題です。来年度はそれらを踏まえてよりパワーアップした仕組みにしたいと思っています。

フィードバックをする機会をつくるだけでなく、それが「受け入れられるような環境」をいかにつくるかはリーダーシップ開発をする上で重要なポイントになると思います。

■関連記事

メンター制度についてはこちらに詳しくまとめています。

先輩約90名が1年生のグループワークを支援する!:メンター制度の導入

■関連図書

コーチングについてはこの本がわかりやすいです。

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リーダーシップについてはこちらの書籍に1章書いています。

人材開発研究大全

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