タグ別アーカイブ: リーダーシップ

「リーダーシップ教育」に関する学会発表をしてきます

今週末に行われる日本教育工学会で、リーダーシップ教育に関する発表をしてきます。

タイトルは「大学におけるリーダーシップ教育の実践と評価に関する研究-立教大学経営学部BLPの評価の試み-」です。内容はリーダーシップ開発に関する授業をした結果、どのような能力が身についたのかを検証するものです。

リーダーシップ教育は実践として少しずつ広がりをみせていますが、実際の効果検証をするところまではなかなか至っていないのが現状です。そこで、今回評価の枠組みを使い、分析をしてみたというかんじです。

研究としてはまだ第一歩ではありますが、今後に広がりのあるものだと思っています。

今年はリーダーシップ教育に関する論文、書籍などをがんがんアウトプットする予定です。忙しさに負けそうになりますが、ここで宣言して、後に引けないようにすることでがんばりたいと思います笑

■関連する文献

リーダーシップ教育についてはこちらの書籍でも執筆しています。ご興味あるかたはご覧下さいませ。

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「ビーチでミーティング」はちゃんと仕事していないのか?:「ちゃんと仕事する」の意味とは

あたらしい働き方についていろいろな議論がなされています。そのひとつのキーワードとしてでてくるのが「ワーケーション」。ワーケーションとはこんなかんじです。

ワーケーションとは「ワーク(仕事)」と「バケーション(休暇)」を組み合わせた造語。旅行先などでの仕事を認めるものだというが、これまでのテレワークとは何が違うのか。

JALの担当者によると、これまでもJAL内ではテレワークの制度があったが、「在宅勤務」と呼ばれており、仕事をする場所は自宅や上長が認めた特定の場所などに限られていたという。

ワーケーションは、この働く場所の特定をなくすことが大きなポイントだ。帰省先や旅行地など、どこでも良いことになる。

引用:http://www.huffingtonpost.jp/2017/06/21/story_n_17250114.html

このように働き方がかわってくると「ちゃんと仕事する」ということの意味がかわってくるのではないかと思います。先日これに関する連続ツイートをしました。

働き方が多様化していくことは面白いと思う一方で、じゃあ「どこまでありなのよ?」とか「なにはオッケーで何はだめなの?」という話になってくるのではないかと思います。そのときにポイントになるのは実は「説明(理由付け)」だと思うのですが、ここがまたややこしいですよね。

「説明のしやすさ」と、「本当にそれが意味があるのか」というのは必ずしも一致しません。せっかく多様にしたのに、説明ができないから、結果的に「いつものになる」というのはなんだかせつないところです。

もちろん「あいまいでなんでもOK!」なんてことにはならないわけですけども、なにを「ちゃんと仕事をしている」と評価するのかは、これからの時代だいぶかわってくるだろうと思います。

「ちゃんと仕事する」というのが何を指す時代になるとハッピーになるんでしょうか?

このあたりぼく自身も少し考えていきたいなと思っています。

 

 

とりあえずぼくがビーチで仕事をしたいから言っているわけではないことを一応述べておきます。

 

 

うそです。できるならしたいと思いました。

 

そういう時代くるかな。

 

 

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「時間」はあなたにとってどんなもの?「つくる」・「追われる」・「縛られる」・・・:自分に対してリーダーシップを発揮すること

あなたにとって「時間」はどんなものですか?

タイトルに書いたように「つくる」「くる」「追われる」「縛られる」など、色々なイメージがあるのではないかと思います。

先日これに関連するツイートを連続でしました。

まあ自分自身、時間に「追われること」のほうが一年のうちに多いかんじはしています笑 ただ、やはり自分のペースでよいかんじに仕事ができているときって「時間をつくる」という感覚なんですよね。

「ちょっとひまがあるから何かしよう」なんて言っていたら、結局なにもできないまま終わってしまいます。「やりたい」なら、「時間をつくる」しかないんですよね。

その時間をつくることをあきらめてしまい、「忙しいから○○ができない」と考え始めると、自分のライフに対する主体性(リーダーシップともいえる?)を失ってしまいます。ある種の学習性無気力状態になり「どうせできないだろう」というモードに入ってしまうかんじがしています。

他者にリーダーシップを発揮しようと思ったら、まず自分のライフそのものにリーダーシップを発揮するのが近道なのかなと思います。

ひまは「待つ」んじゃない。つくるの。

という、言い方はブルゾンちえみなのに、内容は「待たない」的なことが必要なのではないかと思う今日この頃です。

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「自分なり」のリーダーシップを理解するためには:自己理解の重要性

ひとりひとりリーダーシップのスタイルが異なってよいということは、画一的でなくていいなと思うのですが、一方で、「ではあなたなりのリーダーシップスタイルは?」ということになります。結果的に自己理解の必要性がでてくるわけですね。

大学生を対象にしたリーダーシップ教育では、研究においても「アイデンティティ」という話がでてきます。それはある種の自己理解の必要性を表しているのではないかと思います。

「自分のことを知る」というのは、あんまりやりすぎると「自分探しの旅」に深くはまってしまうかもしれませんが、他者とインタラクションをおこないながら「もしかしたらこういうかんじかな」という仮説を立てるのは大切なことだと思います。
「正解を見つけきる」のではなく、「現時点での暫定解(仮説)」を出して、「行動の指針にする」くらいがちょうどよいと思います。

これを大学に入ってからやるのもよいですが、できれば早い段階で習慣づけられるといいのかなとも思います。

今回は「自己理解」について書きました。リーダーシップを教える科目の中でも、やはりこれはキーになるので、上手に授業に埋め込んでいきたいところです。

■参考図書

こちらの書籍がとても参考になりました。日向野先生らによる新著(訳書)です。

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私もこちらの書籍でリーダーシップ教育に関する内容を一章書いています。

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大学と企業の接続に関する調査やワークショップはこちらをご覧下さいませ。

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意見をしぶしぶ受け入れるでもなく、強引に納得させるでもなく、合意するためには

大学生にとって、ミーティングでしっかり「合意する」ということは難しいことのようです。

私たちは「ちゃんと決める」練習というのを実はやってきていないのかなと感じることがけっこうあります。「本当は納得してない」みたいな状態で「なんとなく決まる」ということは多いのではないでしょうか。

また、どうしても意見を飲ませるというか、「戦いモード」になってしまうこともよくあります。ちゃんとコミュニケーションしたら「仲間」になれるかもしれないのに、ついつい目先の違いなどで戦ってしまうんですよね。

「相手を倒す」より「仲間を増やす」方が、結果的に目標達成につながるのではないかと思います。これはひとつのリーダーシップともいえるので、上手に学んで欲しいなと思います。

■参考書籍

こちらの書籍のなかで「大学生のリーダーシップ教育」に関する章を書いておりますのでよろしければご覧下さいませ。

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大学生を対象にしたキャリアワークショップなどの事例は以下に掲載しています。

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本気で取り組む人がバカにされない雰囲気をつくること

学び・成長を促すために、色々授業方法を工夫したりするわけですが、そもそもの前提として「本気で学ぶことがバカにされない雰囲気」をつくることは必須といえるでしょう。先日こちらのツイートをしましたが、それなりに共感していただけたようです。

このような環境をつくるためにはどうしたらよいでしょうか。

一つ目は、「外の大きな世界を知る」ということが考えられます。足を引っ張り合うのは「狭い世界のでの相対的優位性」に着目してしまうからともいえます。より大きな目標(ビジョン)のために、目の前の仲間と一緒にがんばるほうが得だと思える環境作りが重要です。

二つ目は、教える側もそういう環境になっているということでしょう。結局どれだけ口で何かをいっても、「まあこれは建前でしょ」と思われたら終わりなんですよね。背中で語るというか、たしかにそうだよねと示すことが大事になってくるのかなと思います。

「あいつ何本気になっちゃってんの?」

という雰囲気はだれしも実は経験していると思います。でも結果的に、だれも得をしない考え方ではないでしょうか。

まあもちろん「他人にも本気になれ!」とものすごく迫るコミュニティはちょっと息苦しいかもしれません。ただ、少なくとも個人が本気になってやることを止める権利はないのではないかと思います。

本気になって行動する人を応援できるコミュニティはあらためて大事なのではないでしょうか。以前書いたこの記事も関連する内容だと思います。

「手を挙げる人がいない」ことよりサポートする人がいないことの方が問題?:「後方支援型リーダーシップ」の重要性

「タスクのないビジョン」、「ビジョンのないタスク」ではなく

先日「リーダーシップの探求」(早稲田大学出版会)p116を読んでいたところ、しびれる一節がでてきました。

タスクがないビジョンは夢に過ぎず、
ビジョンがないタスクは単調な労働に過ぎず、
ビジョンとタスクが揃って初めて世界の希望となる。

すごくよい言葉だなと思いました。「単なる夢」を言われてもどうすればいいかわからない、でも「これをやれ」と言われると単なる作業になってしまう。こういうことは本当にたくさんありますね。自分がリーダーシップを発揮するときに胸に刻んでおきたい言葉だと思いました。

これは少し応用すると、アクティブラーニング型授業を考えるときにもよいかもしれませんね。

「こういう手法を取り入れないといけない」という手法だけ入っても、単なる作業になってしまう
「こういう学習者を育てようぜ!」と大きな目標だけ立てられても、そんなの無理だよとなってしまう

自分たちなりの「ビジョン」と「タスク」を組織で作り上げることができると、どんなことに対しても、前向きに取り組めるのかもしれませんね。いろんなことに応用できる含蓄のある言葉だと思いました。

「世界の希望」っていうのもなかなか良い言葉ですね。

【参考図書】

今回紹介させていただいた書籍です。

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「大学教育の改善」を各教職員の個別努力だけに依存しないために

昨日はEdu-Lab Meeting「プロジェクト型学習と役割意識」というイベントで講演をしてきました。(写真は村上先生に撮っていただいてものをお借りしました。)

講演の概要をツイートしておきました。

講演の中では、立教大学経営学部の「SA制度」の実践と、「SAを対象にした研究内容」について報告をしたのですが、それをもとに主張したかったことは「大学教育改善のモデル転換」でした。

各教職員が、授業や授業外(図書館やラーニングコモンズなど)で、それぞれ別々に努力して、実践をやっていくことももちろん重要です。ただ、やはりこうした「個別努力集合モデル」だけでは限界があると思います。

そうではなく、「ある授業」をきっかけにして、それによって「図書館やラーニングコモンズを使いたくなる」とか、「学ぶ意義がわかる」とか、「他の専門の授業に興味がでる」とか、「先輩や教職員とつながる」とか、授業を起点に大学全体を学びのコミュニティ化する「授業起点モデル」も並列的にやっていく必要があるのではないでしょうか。

SA制度の活用は、単に「授業運営がちょっと楽になる」といった次元ではなく、それをきっかけに「大学全体を学びの場にする」といった大きな可能性を秘めているのではないかと考えています。

このあたりについては、ブログではなく、なにか別のかっちりしたところでもまとめて書きたいなと思っています。

登壇の機会をくださった森先生、村上先生、参加して下さったみなさま本当にありがとうございました。アクティブトランジションを読み、わざわざ会場に持参してくださった方もいてうれしかったです。

 

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昨日紹介した動画などはこちらでみることができます。

リーダーシップっぽい行動はとれているけど、人がついてこない理由とは:あり方の重要性

リーダーシップというと、ついつい「どういう行動をしたらいいの?」という行動に着目しがちですが、どういう「価値観」を持つのかも重要です。例えば、ある研究によると以下の3つの価値観がリーダーシップの成功に寄与することが指摘されています。

・誠実さ
・正直さ
・謙遜

Reave, L.(2005)Spiritual values and practice related leadership effectiveness. The leadership quarterly. Vol.16 pp.655-687

この論文は先日ある研究会で中原先生が紹介してくれたものです。

この3つは言われてみれば当たり前かもしれませんが、個人的には納得度が高い要素ではあります。たしかに、自分が尊敬できる人たちはこの3つの要素をもっていると感じるからです。こういう要素を持っている人は、自分より年齢や立場的に下の人であっても、自然と尊敬し一緒に仕事をしたくなる気がしています。

逆に、能力が高くても人がついてこないケースというのは、そもそもこうした点でひっかかっていることも多いのではないでしょうか。

リーダーシップのスキルはたしかに重要ですし、行動がとれることは大切です。しかし、その「あり方」を抜きに語ってしまうとややおかしなことになってしまいますよね。

研究的にも「行動論」から「倫理面」などが注目されるようになったのは、行動だけの限界や世の中の状況によってということでしょう。

「リーダーシップってこういう行動すりゃいいんでしょ」ではなく、自分自身のあり方そのものもあわせて考えていきたいものですね。

■参考書籍

こちらの書籍のなかで「大学生のリーダーシップ教育」に関する章を書いておりますのでよろしければご覧下さいませ。

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「手を挙げる人がいない」ことよりサポートする人がいないことの方が問題?:「後方支援型リーダーシップ」の重要性

実は私たちにとっての問題は「最初に手挙げる人がいないこと」ではなく、「手を挙げた人を支援しきれないこと」なのではないでしょうか。関連するツイートをまとめました。

「一点突破」と「後方支援」がセットになるためには、相互に助けを求め合うこと、両者が覚悟をもってやることが重要ではないかと思います。

「一点突破」が得意な人は、時につっこみすぎずに「後方支援」を待つとか、求めるということが大事になってくるでしょう。「後方支援」が得意な人は、なるべく早く前線に追いつくこと、そして、苦しいときほどサポートすることが大事になると思います。

また、両者が同じ覚悟をもっていることも重要でしょう。なんとなく後方支援の方が責任が軽くみえますが、それは本当の意味での後方支援ができていないのかもしれません。ともすると「よいときはのっかるけど、状況が悪くなったら退散する」みたいになっていることもあるかもしれません。

新しいものを起こすというと、よいアイデアを思いつくとか、最前線にいる人に注目してしまいますが、本当にそれが実現されるときというのは、よりよい「後方支援型リーダーシップ」を発揮している人がいるのではないかと思います。

本当の意味で「後ろからサポートする」ということを考えていくと、もっといろいろ面白いことが展開されていくのかなと思います。

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