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「グループワークが苦手な子に対してどうしたらいいですか?」と質問されたときに思うこと

アクティブラーニングなどに関する研修をしたときに、必ず聞かれる質問のひとつが「グループワークが苦手な子に対してどうしたらいいですか?」というものです。

こう聞かれたときに考えることは2つあります。

1つ目は、グループワークの得意・不得意の差が出ないような参加の構造をつくることが、アクティブラーニングのデザインのしどころだということです。

例えば、4人グループ場合に、4人それぞれ別々の資料を配って、協力することが必要になる環境をつくるなどの方法があります(ジグソーメソッドと言われたりします)。こうした方法を取り入れると、全員が参加しやすくなります。

こうした方法以外にも、そもそも間違った意見をいっても大丈夫と思えるような、心理的に安全な場作りをするというのもあります。

全員の前で発言をさせて「それは間違っている」など恥をかかせられたりすると「だったらだまっておこう」と思ってしまうでしょう。まずは意見の言いやすい雰囲気を作ることも大切です。

このように参加を促すための仕掛けや知見は現在いろいろと蓄積されてきています。これらを活用してみるのがよいように思います。

ただ、それをするときに前提として重要になるのは「本当に学生たちはグループワークが苦手なのか?」という視点を頭の片隅においておくことです。苦手だとこちらが思い込んで、機会を渡せていないだけの可能性も検討することが必要です。

2つ目はグループワークのプロセスそのものも学習(成長)できるということです。

「グループワークが苦手な子に対してどうしたらいいですか?」という質問をする場合、全てではありませんが「苦手な子は変わらない」というニュアンスが含まれていることがあります。

しかし、実際はグループワークのプロセスそのものを上達させることは可能です。そのためには、グループワークを終えた後に、学習内容だけでなく、グループワークのプロセスそのものも振り返る必要があります。

「あのときこういう質問してくれたのがよかった」
「よい意見を持ってるから、早めに言ってくれてもいいよ」

というかんじで、グループワークそのもののフィードバックと振り返りの仕組みをいれれば、グループワーク自体が得意になる(少なくとも苦手ではなくなる)可能性があります。立教大ではこれをリーダーシップ教育として実施しています。苦手でもやれば成長するという視点を持つことが重要だと思います。

今日は「グループワークが苦手な子に対してどうしたらいいですか?」という質問について考えてみました。

前提として言えることは「その子は本当にグループワークが苦手なのか?」をまず疑うこと、そして「苦手でも上達は可能である」と考えることがスタートではないかと思います。その上で、すでに蓄積されているさまざまな技法や考え方を上手にご自身の実践のなかに埋め込むとよいのかなと思います。

「グループワークが上手になる」というのは、なにも「ものすごく明るくなる」とか「すごく社交的になる」といったことではありません。静かであっても、人と協力して理解を深めることや、物事を達成するためになにかしらの役割を担うことができればOKだと思います。

こうした視点を持っておくと、グループワークも授業の中に取り入れやすいのかなと思っています。

 

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課題の提出が遅れるメカニズムと解決策について考えてみた

「課題の提出が遅れた!」というのは学生にとって非常にあるあるなのではないでしょうか。社会人にとってもどきっとする話題かもしれません。ぼくもどちらかというとギリギリにやるタイプの人なので気持ちはよくわかります。

今回は「提出遅れがなぜ起こるのか」「起こらないために何をしたら良いのか」について自分なりに考えてみたことを書いてみようと思います。

まず提出遅れが起こる一番の原因は結局のところ「スタートの出遅れ問題」なのではないかと思います。最初に手をつけるのが遅いことで、課題を進める上での深刻な問題が引き起こり、締め切りに間に合わなくなるということです。具体的に想定できる深刻な問題は3つです。

1.課題に取り組む時間が長くなる
・課題や授業の内容を忘れてしまうので、資料を見直したりする時間が増える
・困ったときに人に助けを求める時間がとれないのでひとりで抱えるしかない

2.見積もりが不正確なのでスケジュールが立てられなくなる
・課題が具体的にどのくらいの時間がかかるかわからないので予定が立てられない

3.間に合うかなという焦燥感のなかで過ごすことが増えてしまう
・課題やっていないという後ろめたさや焦燥感のなかで課題に取り組むので集中できない

このように「初動が遅い」ということで「時間がかかり、予定が読めなくなりなり、あせる」という悪循環にはまっていくわけです。

ではなぜそもそも「スタート出遅れ問題」が起こるのでしょうか。それには3つの理由があると思います。

1.課題についての考え方の問題(そもそも)
・初動の遅れが深刻な問題につながることに気がついていない
・完璧主義傾向がある(中途半端にやれない・他者に見せられない)

2.課題に対する自分なりの意味づけの問題(なんで?)
・「なぜこの課題に取り組むのか?」の自分なりの意味づけができていないので後回しになる
・授業を通して何を得たいのか、どんな自分になりたいかが不明確

3.時間の確保に関する問題(いつやるの?)
・課題が出された直後にとりかかる時間を取っていない
・課題に取り組む時間を確保できていない
・締め切りに間に合えばよいと思っていて、「自分なりの前倒しした締め切り」を設定できていない

おそらく「そもそも」初動の遅れがこういうことにつながるということに気がついていなかったり、完璧主義ゆえに中途半端に手をつけるのがいやというパターンがあるのではないかと思います。できていないのを人に見せるのもいやなので、どんどん問題を抱えてしまうという傾向もあるかもしれません。

次に「なんでこの課題をやるの?」という自分なりの意味づけができていないケースも多いと思います。「出されたからやる」という受け身の姿勢では「あとでやればいいや」となりがちです。

最後に、結局のところ「いつやるの?」というスケジューリングに問題があると思います。課題に取り組む時間を確保できていなければ、当たり前ですがどんどんあとまわしになってしまうのです。

これらを踏まえ、解決策を考えてみました。要は以下ができていれば大丈夫ということになります。

1.初動の遅れが全ての原因であることを知る
2.課題をやることについて自分なりの意味づけをする
3.課題をいつやるのか時間を確保する

まずこの文章を読んで「初動の遅れ」が全ての原因であることを知ります。その上で、「自分なりの課題の意味づけ」をする必要があります。

そのためには、要は「なりたい自分に近づいている!」という感覚を得ることが大切ではないかと思います。「自分はこの授業が終わった後にどんな状態になっていたのか?」や「こんな大学生になれたらいいな」というワクワクする目標を立ててみて、この課題がそこにつながっているという感覚を得えます。

なので、まずは「自分はどんな人になりたいのかな?」ということを考えてみるといいでしょう。一人で考えるだけでなく、友達と話してもいいかもしれません。また、教員や先輩に「こういう力はどういうときに使えますか?」などを聞いてみてもよいかもしれません。

次にやることは、課題が出されたら完璧でなくていいので、まず最初にざっくりと課題に手をつけて、締め切りも少し前倒した日程にしておくことです。具体的なステップは以下です。

1.課題がだされてなるべく早い段階で一度課題に手をつけて以下の3つを考える

  •  (1)どのくらい時間がかかりそうか
  •  (2)何がわからないか(他者の助けが必要そうか)
  •  (3)いつ時間を確保するか、を決める

2.定期的に課題をだされるのであれば「何曜日のいつはこの課題のための時間」と最初から決めておく

3.困ったときに他人に聞けるように、友達と一緒に空きコマを使って課題をやる

  • 助けてくれる人(先輩など)の空いている時間も事前に確認

4.「最低限提出できるもの」を一日前につくっておく

5.提出日は手直しをするくらいにしておき、提出時間の2時間前を「自分締め切り」としておく

最初のうちは「自分がこの作業にどのくらい時間がかかるか」という見積もりがたいてい甘いです。自分で「1時間かかる」と思ったら「1.5倍」くらいの時間を確保しましょう(1時間30分)。そして、毎回自分が課題にどのくらい時間がかかっているかを記録しておくことも大事です。

こういう流れを作れるように意識してみると、締め切りよりも早く、質の高い課題を提出できるのではないかと思います。

いかがでしたでしょうか。なんとなく起こってしまう「仕事の遅れ」も、こうやって考えてみるとわりとシンプルな現象であり、ちょっと意識すればできそうな気がしてきませんか笑?

これらを意識して「短い時間で、計画通り、気持ちよく」課題に取り組んでいけるようお互いがんばっていきましょう!

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言葉を「他者への説明」ではなく「自分の学び」のために使うことの意義

「言葉にする」というと、反射的に「他者への説明」という文脈が思いつきます。しかし、言葉にするということは必ずしも「説明」だけを意味するのではなく、「自分自身の学び・気づき」にも使うことができます。こういう視点は当たり前に見えて、意外に忘れがちなのかなと思います。

例えば、授業の振り返りの場面を考えてみましょう。あれは本来だれのため・何のためにやっているのでしょうか?

ともすると「教員に対して、自分はちゃんとやってるよ」ということを伝えるメッセージになってしまうのではないかと思います。しかし、本来的に振り返りは「自分の学びを深めるため」に使ってもらえばよいので、メッセージになってなくてもかまわないと思います。

自分なりに理解を深めようとしたときにどう考えたのか。自分なりのちょっとした違和感や疑問などを言葉にするとどうなるか。こういうことにトライする機会になることが望ましいのだと思います。

つまり、振り返りで対話すべきは「他者」ではなく「自分」なのです。自分なりの理解の断片をなんとか言葉として表出してみるという自己内対話こそが理解を統合させるキーになるのです。

このように考えたときに、教え手の態度としては「振り返りが他者に伝わるかどうか」は「結果」であって、まず第一の目的は「自分なりのもやっとした理解を言葉にしようと試行錯誤してみることなのだ」ということをしっかり伝え、「自分と向き合うこと」を推奨することが大切になってくるのかなと思います。

今日は学びを深める振り返りについて書きました。こんなことを思ったのは、先日、慶應義塾大学の諏訪正樹先生の講演を聞いたからです。諏訪先生は「身体知における言語化の意義」について研究をされています。例えば、ボウリングの熟達において、言語化(振り返り)がどう影響を与えるか等の研究があります。研究内容はこちらの書籍にまとまっています。

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あらためてこうした知見はいろいろなところに活用できるなと思いました。授業のなかでもいろいろとあらたな工夫をしていきたいなと思っています。

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「時間がきた」以外の理由でミーティングを終わらせることができますか?:効率的なミーティングのために

効率的なミーティングをするためのコツは色々あると思いますが、本質的に必要なのは「ミーティングのゴールは何か」ということを全員が認識しておくことなのではないかと思います。

そんなの当たり前じゃんと思うかもしれませんが、意外にこれがなあなあではじまるミーティングは多いのではないでしょうか。

「何が決まったらミーティングが終わりなのか?」ということが決まっていないミーティングの終わりは「時間がきたのでそろそろ」です。ゴールの状態が決まっていないから「終わり」を決めるのは「時間」であり、「時間がくるまで時間を使う」ということになってしまうのではないかと思います。しかも何も決まらないというのはつらいものです。

一方で「何を決めたら終わりか」が決まっているミーティングは「時間は目安」でしかなく、それが決まったら、決まった瞬間に終わらせることができます。「時間が来たから終わり」ではなく「ゴールを達成できたから終わり」とできると、時間的にもミーティングの意義としても大きいですよね。

もちろん「時間の終わり」が明示されているのはまだマシで「時間の制限もなく、決めるべきことが明確ではないミーティング」というのも世の中にはたくさん存在しているのかもしれません。

実際は「時間の制限ありなし×目的のありなし」の4つのタイプになりそうですね。

・時間も目的もあいまいなミーティング
・時間は決まっているけど目的があいまいなミーティング
・時間は決まっていないけど目的が明確なミーティング
・時間も目的も明確なミーティング

今日こんなことを書いたのは、最近学生に「よいミーティングのやり方」を体感してもらうためにどうしたらよいかを考えているからです。

近年の大学授業では、授業時間外にグループワークをやってもらうことが増えているので、こうしたミーティングのやり方そのものについても大学生は試行錯誤しながら学んでいます。

よいミーティングとはどういうものなのかという感触をつかんでくれると、もっと授業を楽しめて、アウトプットの質も高まってくるのかなと思います。

みなさんはよいミーティングをするためにどんなことを意識されていますか?なにかあったら教えて下さい。

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グループワーク中の「沈黙」はよくないことか?

グループワークがうまくいっているかどうかを表す言葉に「盛り上がっている」という表現があります。「今日のグループワークは盛り上がった」、「今日のグループワークは盛り上がらなかった」などの表現は、授業やワークショップ後によく聞かれる言葉ではないかと思います。

しかし、この「盛り上がっている」という言葉はくせものです。例えば、「元気にたくさんの人が話をしていたから、盛り上がっている」と判断したとしても、実は議論して欲しい目的から非常にずれているということもあるかもしれません。

一方で、「盛り上がっていない」と判断されたグループにおいても、「沈黙の時間」は長いものの、しっかり頭を使って目的を意識していて、結果的に議論の目的は果たせているというケースもあります。

このように、グループワークにおける「盛り上がり」や、「沈黙」については、慎重に判断する必要があります。

じゃあどうやって判断したらいいのっていうことですが、「これ!」というのをなかなかうまく表現することは難しいです。

ただ、「沈黙」や「無表情」は「つまらない」ということを意味するとは限らないこと、さらにいえば「盛り上がり」や「笑顔」が全て学びにつながるとも限らないということを頭の片隅にいれておくことが大事かもしれません。

今日はグループワークの「沈黙」や「盛り上がり」について書きました。みなさんはグループワークの成否をどういうところで見極めていますか?

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挫折の連続が成長のバネに:立教大学経営学部BLPが「Career Guidance」誌に紹介されました

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先日高校生の保護者向けの雑誌である「Career Guidance」に立教大学経営学部の事例が掲載されました。

この記事では、経営学部のビジネス・リーダーシップ・プログラムを受講した4人の学生のインタビューが掲載されています。この学生たちは、SA(Student Assistant)として授業をつくる側でもこのプログラムにかかわっているメンバーたちです。

インタビューでは「授業が楽しい!」とかそういうことではなく笑、授業を通して自分にとってどんな学びがあったのかが率直に書かれています。例えばこんなかんじです。

「グループワークでは、とにかく失敗の連続でした。いいと思ったアイデアも、他が同じようなことを考えていてショック。自分の考えていたとおりにすすむことがなくて挫折祭(笑)。人と自分の考えていることの違い、難しさを痛感した半年でした。その後の半年では、その反省を踏まえて自分のやり方に固執せず、変えることにも挑戦しました。」

その他に、授業の体験部分だけでなく、振り返りやフィードバックについて話している部分もあります。例えばこんなかんじです。

「特に、メンバーからフィードバックを受けたのが、自分にとって新しい気づきになりました。自分では、否定的なことを発言するとグループワークの妨げになる気がして控えていたのですが、メンバーからはそれよりももっと批判的な視点ももって話に加わってほしいと指摘され、反省しました」

BLPのプログラムの特徴に加え、実際にどんな学びがあるのかをコンパクトにまとめていただいた記事となっています。

もしお手元にこちらの雑誌がある方はぜひp24を読んでみてください。

何冊か研究室にも残部がありますのでご興味ある方は研究室にお越しの際に声をかけてくださいませ。この表紙です。

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今年の授業もいよいよ今週スタートしました。今年の1年生向け授業の協力企業は「吉野家ホールディングス」様です。これから半年、授業を作る側も精一杯取り組んでいきたいと思います。

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グループワークを効果的にするための「個人時間の確保」の重要性

昨日は「講義」と「グループワーク」の関係について書きました。講義とグループワークのどっちかにするというのが極端だという話です。

今日書きたいのは、「個人作業」と「グループワーク」の関係についてです。

言いたいポイントはひとつで「グループワーク」は大事だけども、その時間をもっとも有効に使うためには「個人作業」が大切ということです。これも「個人かグループか」という二分法に陥らないことが大事ということですね。

他者となにかのやりとりをすることで、新たな発見をしたり、理解が深まるというのは当然あります。よって、「全部ひとり」に比べれば、グループワークの時間を取り入れることは大切です。

しかし、個人で何かを思考する時間をゼロにしたらなにが起こるでしょうか?きっと話をしているだけで作業は進まないでしょう。個人でしっかり考えて思考を深めているからこそ、人と話す時間が有効に働くという側面は大きいと思います。

こうした視点から、最近では、立教大学の授業でも、授業時間外でグループワークをする際に「グループで集まる前に、しっかり個人作業の時間を取ること」と伝えるようにしています。何も調べずに集まっても、なかなか先に進まないからです。

昨日の議論を踏まえて、いま教育のなかで求められているデザインをシンプルに整理してみると、以下の3つを上手に配分することともいえると思います。

1.講義(知識を伝える)
2,グループワーク(他者とともに語る)
3.個人作業(ひとりで思考を深める)

1か、2か、3か、ではなく、これらの効果的な組み合わせを議論できるといいなと思っています。

思考を深める上での「ひとりの時間の重要性」や「内向性の持つ力」については、TEDのこのプレゼンテーションが参考になります。

「グループワークとかは外向的な人だけにしか向いていないんじゃないの?」とか「内向的な人はどうするの?」という疑問を持っている人にとって、この動画はいろいろな示唆があります。書籍もあわせておすすめです。

 

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