今年もInternational Leadership Association(ILA)の年次大会に参加してきました。

今年はベルギーのブリュッセルで開催されました。泊まったホテルがGrand Place広場から徒歩2分程度のところだったため、荷物を持ってホテルを探して歩いているうちに、たまたまたどり着いて、ほんの少しだけ観光気分を味わえました。ベルギーはとてもきれいで、料理のおいしいすてきな街でした。ただやはりテロに対する警戒感は感じましたね。

(ホテルを探していたらたまたまたどり着いたものの、そのときはここがGrand Place広場とは知ららず、なんかきれいなところに来たくらいのかんじでした笑)

ILAに参加するのも気がつけば今回で4回目です。最初は正直学会の雰囲気もわからなければ、なにがイシューなのかもつかめていなかったのですが、さすがに4回目ともなるとだいぶ状況がつかめるようになってきました。

今年は「Leadership Education」に関するテーマを扱っている発表を中心に聞いてまわりました。気がついたことは以下の点です。

1.リーダーシップ教育の「教え手」をいかに育てるか?

教育研究でいうところの「教師教育」的なジャンルになると思うのですが、「リーダーシップを教える人」をどのように育てるか?というのが一つのトピックになっていることを感じました。アメリカでは日本と違い、多くの大学でリーダーシップ教育がなされています。そのため、プログラムは色々あり、教えている人もけっこうたくさんいるわけですよね。

その上で「その人たちがリーダーシップを教える人として成長するためには何が必要なのか?」ということを深めていることがわかりました。このあたりも日本よりもだいぶ先というか、一歩、二歩前を進んでいることを実感しました。

2.リーダーシップ教育として何を教えるのか?

アメリカではリーダーシップ教育において「何を教えるのか?」「どのように教えるのか?」などはけっこうはっきり整理されてきている印象があります。今回はそれを踏まえて、教える内容のレベル観や順序などについても踏み込んで分類化をおこなう流れがあることがわかりました。

日本ではそもそも「リーダーシップが身についた状態」に対する定義や、能力やスキルの整理もまだまだです。このあたりも先を行っているなあという印象を受けました。

毎回ILAにいくと、日本とアメリカにおいてリーダーシップ教育のフェーズの違いがあることをあらためて実感します。また、必ずしも「アメリカ型をそのまま日本へ」というわけではないことも気がつきます。

やはり、日本の文脈に即したリーダーシップ教育というのは必ず必要で、参考にはなるけれども、日本なりのリーダーシップの設定が必要になるよなあと最近あらためて感じています。現時点でもやれることはある程度あるなというかんじがします。

さらに、「アメリカから日本に取り入れられること」ではなく、「日本からアメリカに提案できるもの」はなんだろうかということも最近はよく考えています。それは実践のレベルでもそうですし、研究のレベルでもそうです。あきらかにリーダーシップ教育のフェーズが異なる(アメリカの方が先)なかで、後発の日本からの実践・研究で、「それは面白い」と思わせるようなことは何かなあということも今年は考えながら参加していました。

毎年この時期は日本の仕事も忙しく、海外の滞在時間も短い弾丸出張にはなってしまうのですが、それでもやはり海外に行って得られるものは大きいということを感じます。「物理的に遠くに行く」ということも、思考のモードを転換させるにはよいことなのかなと思います。

今回もこの忙しさで本当にいけるかどうか不安だったのですが、まあ結果的に行ってよかったと思っています。まだ若干時差ボケ&風邪をひいてまったく本調子ではないのですが笑

海外の動向についてもあらためて研究・実践をまとめておきたいと思うので、そのあたりもブログで少しずつ小出しできればと思います。

ちなみに滞在中に、偶然フランスに留学中の立教経営の学生と会えました。立教経営の学生はかなり多くの人が留学にいきます。なかなか大変なこともたくさんとは思いますが、そのなかで前向きにがんばっていてこちらもパワーをもらえました。色々なことを世界で学び、成長につながてほしいものですね。自分が学生のときとは違い、世界が近くなっていることをあらためて感じますし、がんばるべきは我々の世代なのかもと思いますね。よし、がんばろう。

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