月別アーカイブ: 2017年10月

今年もInternational Leadership Associationの年次大会に参加してきました

今年もInternational Leadership Association(ILA)の年次大会に参加してきました。

今年はベルギーのブリュッセルで開催されました。泊まったホテルがGrand Place広場から徒歩2分程度のところだったため、荷物を持ってホテルを探して歩いているうちに、たまたまたどり着いて、ほんの少しだけ観光気分を味わえました。ベルギーはとてもきれいで、料理のおいしいすてきな街でした。ただやはりテロに対する警戒感は感じましたね。

(ホテルを探していたらたまたまたどり着いたものの、そのときはここがGrand Place広場とは知ららず、なんかきれいなところに来たくらいのかんじでした笑)

ILAに参加するのも気がつけば今回で4回目です。最初は正直学会の雰囲気もわからなければ、なにがイシューなのかもつかめていなかったのですが、さすがに4回目ともなるとだいぶ状況がつかめるようになってきました。

今年は「Leadership Education」に関するテーマを扱っている発表を中心に聞いてまわりました。気がついたことは以下の点です。

1.リーダーシップ教育の「教え手」をいかに育てるか?

教育研究でいうところの「教師教育」的なジャンルになると思うのですが、「リーダーシップを教える人」をどのように育てるか?というのが一つのトピックになっていることを感じました。アメリカでは日本と違い、多くの大学でリーダーシップ教育がなされています。そのため、プログラムは色々あり、教えている人もけっこうたくさんいるわけですよね。

その上で「その人たちがリーダーシップを教える人として成長するためには何が必要なのか?」ということを深めていることがわかりました。このあたりも日本よりもだいぶ先というか、一歩、二歩前を進んでいることを実感しました。

2.リーダーシップ教育として何を教えるのか?

アメリカではリーダーシップ教育において「何を教えるのか?」「どのように教えるのか?」などはけっこうはっきり整理されてきている印象があります。今回はそれを踏まえて、教える内容のレベル観や順序などについても踏み込んで分類化をおこなう流れがあることがわかりました。

日本ではそもそも「リーダーシップが身についた状態」に対する定義や、能力やスキルの整理もまだまだです。このあたりも先を行っているなあという印象を受けました。

毎回ILAにいくと、日本とアメリカにおいてリーダーシップ教育のフェーズの違いがあることをあらためて実感します。また、必ずしも「アメリカ型をそのまま日本へ」というわけではないことも気がつきます。

やはり、日本の文脈に即したリーダーシップ教育というのは必ず必要で、参考にはなるけれども、日本なりのリーダーシップの設定が必要になるよなあと最近あらためて感じています。現時点でもやれることはある程度あるなというかんじがします。

さらに、「アメリカから日本に取り入れられること」ではなく、「日本からアメリカに提案できるもの」はなんだろうかということも最近はよく考えています。それは実践のレベルでもそうですし、研究のレベルでもそうです。あきらかにリーダーシップ教育のフェーズが異なる(アメリカの方が先)なかで、後発の日本からの実践・研究で、「それは面白い」と思わせるようなことは何かなあということも今年は考えながら参加していました。

毎年この時期は日本の仕事も忙しく、海外の滞在時間も短い弾丸出張にはなってしまうのですが、それでもやはり海外に行って得られるものは大きいということを感じます。「物理的に遠くに行く」ということも、思考のモードを転換させるにはよいことなのかなと思います。

今回もこの忙しさで本当にいけるかどうか不安だったのですが、まあ結果的に行ってよかったと思っています。まだ若干時差ボケ&風邪をひいてまったく本調子ではないのですが笑

海外の動向についてもあらためて研究・実践をまとめておきたいと思うので、そのあたりもブログで少しずつ小出しできればと思います。

ちなみに滞在中に、偶然フランスに留学中の立教経営の学生と会えました。立教経営の学生はかなり多くの人が留学にいきます。なかなか大変なこともたくさんとは思いますが、そのなかで前向きにがんばっていてこちらもパワーをもらえました。色々なことを世界で学び、成長につながてほしいものですね。自分が学生のときとは違い、世界が近くなっていることをあらためて感じますし、がんばるべきは我々の世代なのかもと思いますね。よし、がんばろう。

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「知っていることをたくさん話したい!」という気持ちをぐっとこらえて授業をつくること

今期は「リーダーシップ開発」に関する授業を新規に立ち上げたため、毎週授業コンテンツを新たにつくっています。内容的には、リーダーシップ論から、教育学習理論、大学生論、モチベーション論など多岐にわたります。わたしは大学院は東京大学の学際情報学府というところにいましたが、まさに「学際的」なかんじで多岐にわたる内容を取り扱っています。

授業コンテンツ作りは楽しいのですが、一番悩むのが「コンテンツの詰め込みすぎ問題」です。関連するテーマに対して、話したいことは本当に山ほどあるわけですね笑 90分ずーっとしゃべっていてよいと言われたら、ずーっとしゃべっていられてしまうわけです。また、さきほど学際的といったのですが、本来はそれぞれのコンテンツで充分に「半期の授業」を作れてしまいます。それを短い時間で講義するというのは、なかなかに難しいなーと思っています。

まあ難しいっていうか、単に「話したい」「これもスライドに入れたい」という気持ちをおさえるとか、せっかくの素材を削るときの「ああ、もったいない」という気持ちと折りあいをつけるだけなんですけどね。正直ここは気持ちの問題です。

まあ要は知っていること、そして、学習者にとって意味あるであろうことをとにかくしゃべりたいという欲求とどう向き合うかということになります笑

ただ、結局のところ、授業ではやはり「学習者がその内容を自分なりの理解して、使えるようになるか」がポイントなわけで、そのためには「90分しゃべりまくり」はやっぱりつらいなと思うわけですよね。もちろん、だからといって「全部グループワーク」では、「自分(学習者)の思考の枠」を超えるような経験を提供できません。

なので、このへんのギリギリのせめぎ合いのバランスがどこなのかなあと最近あらためて試行錯誤しています。「講義か、グループワークか?」ではなくて、やっぱり「学習者にとってのベストのバランスと順序」はなんなのかというのが問いとして重要になってきますよね。ここはコンテンツにもよるので、正直なかなか定式化は難しいところではありますね。

現在はグループワークの時間と講義の時間が半分ずつくらいなんでしょうかね。20~30分で1つのテーマを扱うというのはハードなんですが、詳細は話せなくても「ストーリー」を理解してもらって、それをのちの個人学習(読書など)に活かしてほしいと考えています。

授業の感想をみていると、同じ授業でも「講義とワークのバランスがちょうどよい」という声をもらうこともありますが、「もっと講義を聞きたい」、「もっとワークしたい」という声も聞こえます。これはコンテンツに限らず、「学習者ひとりひとりの状況・ニーズ」という要因もかかわってくるのでなかなか難しいですね。全員にとっての「ちょうどよい」はあるかもあやしいかもしれません。でもそのあたりも含めて、授業づくりを楽しんでいます。

やはりなにはともあれ、授業の意味は「学習者の学び」なわけで、その学びの状態をどういうふうにイメージし、その状態になるためにどのような方法がベストなのかについて考えるところが、授業作りの醍醐味ではありますね。

とはいえ、やっぱりどこか「しゃべりたい」という気持ちはどこかあるよねーということをなんとなくあらためて感じる今日この頃です笑

 

東京藝術大学でワークショップデザイン講座を実施してきました

先日、東京藝術大学でワークショップデザインに関する講座をおこなってきました。この講座は、東京都美術館 × 東京藝術大学の「とびらプロジェクト」の一環でおこなわれているものです。実は昨年度も担当させていただき、今年で2回目となります。

内容はワークショップが作れるようになるための基礎ということで以下のようなことを体験的に学ぶものとなっています。

・ワークショップの事例から、ワークショップの構造を学ぶ
・ワークショップの前提となっている学習理論について学ぶ
・ワークショップのメインワークの設計方法について学ぶ
・ワークショップのファシリテーションについて学ぶ
・ワークショップの企画書の作り方・広報の注意点について学ぶ

1日5時間で学ぶ内容のため、それぞれ少しずつしか取り扱えないのですが、ひとまずワークショップデザインを学ぶための基礎は学べるようにしています。

昨年度実施したときの内容は「とびらプロジェクト」の中で定着しているようで、「活動と学びのサンドイッチにしないと」など、共通の言葉となっているという話を聞いてうれしかったです。

講座では書籍「アクティブトランジション」に掲載されている3つのワークショップを事前に読んできていただき、ジグソーメソッド形式で説明し、ワークショップの構造を学ぶなどのワークをおこないました。アクティブトランジションは、ワークショップの基本的なデザインを学ぶ上でもわかりやすい事例となっていると思います。

アクティブトランジションでは、ワークショップの事例をかなり詳細に掲載しています。非商用利用であれば、どなたでも実施いただけます。

東京藝術大学のキャンパスに入るのも年にこのタイミングだけなのですが、大学自体もとても面白くて、いつもいろんな刺激があります。例えば、今回は会場に「ピアノ」が普通にあったりして驚きました。当たり前かもしれませんが笑

お昼ご飯は、伊藤達矢先生とご一緒させていただいたのですが、芸大の大学生活の話や、入試の制度などなど、出てくるお話がいちいち新鮮でした。ワークショップなどの「場作り」の能力は、この業界のなかで今後より求められていくだろうというお話にもなるほどと感じました。

ワークショップの作り方について話をしていると、ついつい自分だったら何つくろうかなと考え始めるので、新しいワークショップ開発意欲が湧いてきます。

なにか新作作りたいなと思う今日のこの頃です。

なんか若干ぶっとび系の実験的なやつがやりたいですね。いくつかやりたいものがあるので、ゲリラ的に実施してみようかなと思います。

ワークショップデザインなどに関連する過去記事はこちらに一覧をまとめておりますのでよろしければ合わせてご覧下さいませ。

Teaching & Design(過去記事まとめ)
https://goo.gl/TM4nMU

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