月別アーカイブ: 2017年8月

「タスクのないビジョン」、「ビジョンのないタスク」ではなく

先日「リーダーシップの探求」(早稲田大学出版会)p116を読んでいたところ、しびれる一節がでてきました。

タスクがないビジョンは夢に過ぎず、
ビジョンがないタスクは単調な労働に過ぎず、
ビジョンとタスクが揃って初めて世界の希望となる。

すごくよい言葉だなと思いました。「単なる夢」を言われてもどうすればいいかわからない、でも「これをやれ」と言われると単なる作業になってしまう。こういうことは本当にたくさんありますね。自分がリーダーシップを発揮するときに胸に刻んでおきたい言葉だと思いました。

これは少し応用すると、アクティブラーニング型授業を考えるときにもよいかもしれませんね。

「こういう手法を取り入れないといけない」という手法だけ入っても、単なる作業になってしまう
「こういう学習者を育てようぜ!」と大きな目標だけ立てられても、そんなの無理だよとなってしまう

自分たちなりの「ビジョン」と「タスク」を組織で作り上げることができると、どんなことに対しても、前向きに取り組めるのかもしれませんね。いろんなことに応用できる含蓄のある言葉だと思いました。

「世界の希望」っていうのもなかなか良い言葉ですね。

【参考図書】

今回紹介させていただいた書籍です。

リーダーシップの探求:変化をもたらす理論と実践
スーザン・R・コミベズ ナンス・ルーカス ティモシー・R・マクマホン
早稲田大学出版部
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「大学教育の改善」を各教職員の個別努力だけに依存しないために

昨日はEdu-Lab Meeting「プロジェクト型学習と役割意識」というイベントで講演をしてきました。(写真は村上先生に撮っていただいてものをお借りしました。)

講演の概要をツイートしておきました。

講演の中では、立教大学経営学部の「SA制度」の実践と、「SAを対象にした研究内容」について報告をしたのですが、それをもとに主張したかったことは「大学教育改善のモデル転換」でした。

各教職員が、授業や授業外(図書館やラーニングコモンズなど)で、それぞれ別々に努力して、実践をやっていくことももちろん重要です。ただ、やはりこうした「個別努力集合モデル」だけでは限界があると思います。

そうではなく、「ある授業」をきっかけにして、それによって「図書館やラーニングコモンズを使いたくなる」とか、「学ぶ意義がわかる」とか、「他の専門の授業に興味がでる」とか、「先輩や教職員とつながる」とか、授業を起点に大学全体を学びのコミュニティ化する「授業起点モデル」も並列的にやっていく必要があるのではないでしょうか。

SA制度の活用は、単に「授業運営がちょっと楽になる」といった次元ではなく、それをきっかけに「大学全体を学びの場にする」といった大きな可能性を秘めているのではないかと考えています。

このあたりについては、ブログではなく、なにか別のかっちりしたところでもまとめて書きたいなと思っています。

登壇の機会をくださった森先生、村上先生、参加して下さったみなさま本当にありがとうございました。アクティブトランジションを読み、わざわざ会場に持参してくださった方もいてうれしかったです。

 

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昨日紹介した動画などはこちらでみることができます。

よいフィードバックを「受け入れる」ためにはどうしたらいいか?:組織の支援の重要性

リーダーシップを身につけるために、フィードバックは大事と言われていますが、なかなかフィードバックは受け入れるのが難しいですよね。

単に「あなたのフィードバックはこれだよ」と、フィードバックのレポートなどを渡しただけではなかなかフィードバックは受け入れられないかもしれません。それよりは、「フィードバックの結果」とともに「対話」(コーチングやメンタリング)をしながら、「自分の強みや弱みを発見していく」ということが大切になるでしょう。フィードバックを「受け入れるため」の施策も同時にやっていく必要が大切になります。

その際に、もうひとつ大事なことは「関係者全員がその重要性を理解している」ということではないかと思います。リーダーシップ開発に関する文献の中でも、トレーニングの効果は、組織の状況によって促進することも阻害することもできることが指摘されています。

仮に「よいフィードバックの仕組み(レポート&コーチングなど)」があったとしても、「それってなんの意味があるの?」というかんじで個々人がその意義を理解していなかったり、組織としてその重要性を周知徹底していないと、仕組みはよいけど効果につながらないということになってしまいそうです。

私は今年初めて立教大学経営学部のリーダーシップ開発プログラムで、「メンター制度」を取り入れて、フィードバックに対する「コーチング」ができるような体制をつくりました。宇田武文先生ご協力のもと、90人を超える学生たちに対してコーチングの研修などを行い、一定の成果を出すことができました。メンターの人たちははじめての仕組みにも関わらずがんばってくれました。(写真は研修の様子です)

ただ、私がやるべきこととして、もう少し組織全体でこういった試みがなぜリーダーシップ開発につながるのかについての意義を説明するとよかったと思っています。このあたりは来年度の課題です。来年度はそれらを踏まえてよりパワーアップした仕組みにしたいと思っています。

フィードバックをする機会をつくるだけでなく、それが「受け入れられるような環境」をいかにつくるかはリーダーシップ開発をする上で重要なポイントになると思います。

■関連記事

メンター制度についてはこちらに詳しくまとめています。

先輩約90名が1年生のグループワークを支援する!:メンター制度の導入

■関連図書

コーチングについてはこの本がわかりやすいです。

マンガでやさしくわかるコーチング
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リーダーシップについてはこちらの書籍に1章書いています。

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リーダーシップっぽい行動はとれているけど、人がついてこない理由とは:あり方の重要性

リーダーシップというと、ついつい「どういう行動をしたらいいの?」という行動に着目しがちですが、どういう「価値観」を持つのかも重要です。例えば、ある研究によると以下の3つの価値観がリーダーシップの成功に寄与することが指摘されています。

・誠実さ
・正直さ
・謙遜

Reave, L.(2005)Spiritual values and practice related leadership effectiveness. The leadership quarterly. Vol.16 pp.655-687

この論文は先日ある研究会で中原先生が紹介してくれたものです。

この3つは言われてみれば当たり前かもしれませんが、個人的には納得度が高い要素ではあります。たしかに、自分が尊敬できる人たちはこの3つの要素をもっていると感じるからです。こういう要素を持っている人は、自分より年齢や立場的に下の人であっても、自然と尊敬し一緒に仕事をしたくなる気がしています。

逆に、能力が高くても人がついてこないケースというのは、そもそもこうした点でひっかかっていることも多いのではないでしょうか。

リーダーシップのスキルはたしかに重要ですし、行動がとれることは大切です。しかし、その「あり方」を抜きに語ってしまうとややおかしなことになってしまいますよね。

研究的にも「行動論」から「倫理面」などが注目されるようになったのは、行動だけの限界や世の中の状況によってということでしょう。

「リーダーシップってこういう行動すりゃいいんでしょ」ではなく、自分自身のあり方そのものもあわせて考えていきたいものですね。

■参考書籍

こちらの書籍のなかで「大学生のリーダーシップ教育」に関する章を書いておりますのでよろしければご覧下さいませ。

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「手を挙げる人がいない」ことよりサポートする人がいないことの方が問題?:「後方支援型リーダーシップ」の重要性

実は私たちにとっての問題は「最初に手挙げる人がいないこと」ではなく、「手を挙げた人を支援しきれないこと」なのではないでしょうか。関連するツイートをまとめました。

「一点突破」と「後方支援」がセットになるためには、相互に助けを求め合うこと、両者が覚悟をもってやることが重要ではないかと思います。

「一点突破」が得意な人は、時につっこみすぎずに「後方支援」を待つとか、求めるということが大事になってくるでしょう。「後方支援」が得意な人は、なるべく早く前線に追いつくこと、そして、苦しいときほどサポートすることが大事になると思います。

また、両者が同じ覚悟をもっていることも重要でしょう。なんとなく後方支援の方が責任が軽くみえますが、それは本当の意味での後方支援ができていないのかもしれません。ともすると「よいときはのっかるけど、状況が悪くなったら退散する」みたいになっていることもあるかもしれません。

新しいものを起こすというと、よいアイデアを思いつくとか、最前線にいる人に注目してしまいますが、本当にそれが実現されるときというのは、よりよい「後方支援型リーダーシップ」を発揮している人がいるのではないかと思います。

本当の意味で「後ろからサポートする」ということを考えていくと、もっといろいろ面白いことが展開されていくのかなと思います。

■参考書籍

こちらの書籍のなかで「大学生のリーダーシップ教育」に関する章を書いておりますのでよろしければご覧下さいませ。

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最近意識しているブログ執筆継続の3つのコツ

忙しくてさぼっていたブログも最近はなかなかよいペースで書けています。最近意識しているブログ継続のコツを書いておこうと思います。

1.twitterを活用して書き始めのハードルを下げる

ブログはツイートに比べて書くハードルが高いですよね。「ちゃんと書かないと」と思うと結局書けません。なので、最近は「ブログのネタになりそうなことは最初にツイートする」ということにしました。

・ブログのネタを3ツイート分くらいで書く
・3ツイートをまとめつつ、それを広げるかたちでブログを書く

こうしたところ、とてもブログが書きやすくなりました。140字に要旨をまとめようとすると、結果的にブログに書きたいポイントが明確になるのでちょうどよいです。

また、ツイートの反応をみて、「記事化したほうがよいか」を判断できるのもグッドです。

2.1日に1記事ではなく、ノッっているときに複数記事書いて貯金しておく

毎日ブログを更新はしているんですが、実はこれって毎日書いているわけではありません笑 ネタを思いついたときに、まとめて記事を書いておくんですね。それを一日1つずつ小出しにしているかんじです。実は現時点でも4〜5くらいのストック記事があります。

ストックの記事があると、気持ち的にも安心できます。余裕をもって、貯金をためていき、様子をみて、出していく順番を変えていくイメージでやっています。

3.当たり前だけど「伝えたい」という気持ちを忘れない

まあこれは当たり前なんですが、なにかインプットがあれば必然的に「アウトプットしたくなる」という気持ちになります。やはりブログを書くときには、「こんなことあるよー!」と人に教えたい・話したくなるという気持ちがベースになります。なので「伝えたい」というものがないとどんな工夫をしても伝わりません。「人にコミュニケーションしたくなる状況」を自分で作っておくのが大切なのかなと思います。

以上、最近意識しているブログ継続のコツでした。

しかしよく考えてみると、ぼくがブログをはじめて書き始めたのは学部3年生の頃ですから(このブログサイトではありませんが)、実はもう14〜5年になるとびびりますね笑

これからも書き続けていきたいと思います。

■お知らせ

企業や大学で新しいワークショップについて考えている人におすすめの書籍です。どんな大学生が社会で活躍しているの?という疑問についても、調査結果で答えています。

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企業と大学におけるリーダーシップ教育の違い:リーダーシップを「学ぶ場所」と「発揮する場所」という視点

リーダーシップ教育といっても、企業と大学では多少文脈が違うのでやり方が異なります。そのあたりを最近少しずつ整理しているので、それをこちらにも載せておきます。

ちなみに先日リーダーシップ開発に関する研究会を中原先生らとおこない、そのときのまとめについては、中原先生がこちらの記事にまとめています。

企業と大学では、リーダーシップを学ぶ場所と発揮する場所が異なるというのがポイントかもしれません。企業であれば当然期待されるのは「その会社」であり、その会社に資するリーダーシップを身につけるということになります。

一方、大学は「授業で身につけたリーダーシップ」を発揮する対象は、「大学をよくする」というよりも、どちらかというと、その後「企業」、もしくは「社会」にでてから活用してもらうということになるでしょう。「企業」と「社会」といっても、一緒ではなく、「なにかを変えていく(変革)」を意識するのか、その中に「適応する」ということを目的にするかでまただいぶ違うのだろうと思います。

ただ、大学においても「Student Assistant制度」などを上手に活用すると、大学で学んだリーダーシップを、自組織で活用するという流れができてきます。こうすると「リーダーシップを学ぶ場所と活用する場所」が同じになっていきます。実は「リーダーシップを学ぶ場所と活用する場所の一致」というのはけっこうポイントになるのではないかと思います。

企業と大学におけるリーダーシップ教育の基本的な考え方や原理は共通すると思うのですが、学ぶ環境やシチュエーションはけっこう違うところがあり、そのあたりの整理は今後必要になるのではないかと思っています。

このあたりは研究を進め、書籍などにまとめることと同時に、ブログにも少しずつ小出ししていこうと思います。

■参考書籍

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「プレイ動画」だからこそ学べること:文字の教科書にできないこと

最近新しいことを学ぶときに「文字のまとめられた情報」からだけでなく、「動画で実際にやっている姿」(広い意味でプレイ動画)から学ぶことが増えてきたように感じます。

例えば、ぼくが最近学んだものというと「テニス」と「ゲーム(スプラトゥーン2)」が挙げられます。

テニスについては、超初心者で今年はじめてスタートしたのですが、ボールの打ち方などのイメージは「実際に打っているところ」に関する動画をYoutubeなどでみてイメージをつかんでいます。身体の動きみたいなものは、文字でみるよりも動画でみるほうが断然リッチです。

ゲームでいうとスプラトゥーン2は、Youtubeでうまい人のプレイ動画などを時々みています。やっぱりうまい人は立ち回りも違いますし、そういうふうにやるのかというかんじで、とても勉強になります。

「動画」という教材が面白いのは、「できごとをまさにやっている姿」(ある種のプロセス)を見られるという点ではないかと思います。「ボールを打つ」、「敵と戦う」という姿そのものを見ることができます。

教科書や文字の情報というのは、どうしても「あとからまとめた教訓」(ある種のプロダクト)になりがちです。「こういうことを意識してやるとよい」というコツの情報もとても意味があるのですが、それはあくまで「事後に」、「言葉で」表現された情報であって、そこからは「どうやってそれがでてきたのか」を理解するのが難しいという問題点があります。

一言で言うと「言っていることはわかる。でも自分がどうやってやったらいいかわからない!」みたいな状況になるんじゃないかと思います。

現代はどこにいても「実際に動いている姿」からモデリングによる学習ができる時代といえるのかもしれませんね。

今日は「動画」の教材的な意義について書いてみました。

昔はゲームをやるときにも、

・攻略本などを読む(本という媒体から文字情報で理解する)
・友達から聞く(学校など対面でつながっている人とのやりとり)

と、かなり学習リソースが限られていたものの、いまは

・ネットの情報を読む(専門のサイトなどが複数ある)
・対面であったことはない人の投稿などを参考にする
・プレイ動画をみて学ぶ

など非常にリソースがリッチな状況が生まれており、プロダクト、プロセスの情報がバランス良く入手できるようになっているように思います。

以前将棋の羽生善治さんが書籍で、現代はネットなどの発達から「学習の高速道路」状態であるという話をしていましたが、そういう環境になっているなあということを肌で感じています。

もちろん、ある程度のところまでは高速道路で学べるものの、その先は大渋滞というのはあるかもしれません。ただ、趣味という範囲であればそれはそれでいいのかもしれませんね。

■参考文献

知の高速道路の話はこちらの書籍に載っていましたね。

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)
梅田 望夫
筑摩書房
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「受け身的な消費者」ではなく、「自分から行動できる人」を育てるために

リーダーシップ教育に関する文献を読んでいるときにでてきた一文がとてもいいなと思いました。引用元は「The Handbook for Student Leadership Development」です。

the goal of most leadership programs is for students to become active practitioners of leadership, not just passive consumers.

非常にシンプルな言葉ではありますが、常に意識しておくべき言葉だと思います。

学習者がよりよく学べるための学習環境をつくりこむことは大切ですが、ユーザーへ単にサービスするだけで「消費者として扱ってしまう」というのは、本来の目的からずれてしまうことになります。

さらに過剰なサービスは、「なんでこれをしてくれないの!?」というかんじでかえってモンスター消費者になってしまうことを助長してしまう可能性すらあります。

学習者自身の「力強さ」を損なわないけど、「何もしないわけではない」という感覚は難しいですが、そういう環境をつくることが大事になりますね。

■参考書籍

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スプラトゥーン2をやって感じたリーダーシップを発揮する前提条件としての「個の確立」

チームへの貢献をする場合にリーダーシップはもちろん重要なのですが、やはりその前提には個の成長が必要になるのかなと思います。ゲームをやっていても、リーダーシップについて考えてしまうところがやや職業病ですけど笑

単純にチームに貢献しようと思うと、最低限自分の技術がないと話にならないのですよね。もちろん「ナイス!」とか声かけをするみたいなことはできるのですが、貢献の幅がすごく限られてしまいます。自分自身が成長すると、リーダーシップ発揮のための行動の幅が必然的に増えてきて、役割を見つけ出したりするのも楽になってきます。

授業でリーダーシップを教える場合に、グループワークの形式をとることが多いわけですが、ここでリーダーシップやグループワークやり方にフォーカスするのは重要であるものの、ある程度「専門知識」や「プランの考え方」などの基礎的な能力を高めておかないとなかなか機能しないのかなと思います。

個を高めることとリーダーシップの成長の両輪をいかにまわせるかが授業設計のポイントになりますね。ただこれは1つの授業で全てやるのは難しいのでカリキュラムの設計がポイントになるでしょうね。

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ちなみにスプラトゥーン2をはじめたことで、はじめてヒカキン動画をみました笑