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先日、音楽座ミュージカルさんが実施する研修を見学してきました。「ミュージカルなのに研修?」と思われる方も多いかもしれませんね。

もちろん音楽座ミュージカルのみなさんは、普段はミュージカルをされている方々です。ただ、そのエッセンスを上手に活用した研修もされていて、最近企業や学校現場に取り入れられています。

私も音楽座のみなさんと色々お話をさせていただく機会があったり、周りのとてもよい評判を聞いていたのですが、実際の研修の様子を見るのははじめてでした。今回見学させていただいた研修は教員約150名を対象にしたものです。コミュニケーションについて、座学と実学をあわせて学ぶ4時間の研修となっています。

今回この研修を見学して度肝を抜かれました。

まず、よい意味で「研修」という言葉がとても合いません。「トレーニングされる場」というよりも、ひとつのエンターテイメントの場なんですよね。ファシリテーションをつとめる役者のみなさんのふるまい、音楽などは、まさにミュージカルそのもので、自分たちがミュージカルの一部に取り入れられ、舞台に一緒にあがっているのではないかと錯覚するような場作りをされていました。

その場にいるだけで、ワクワクする、安心する、ドキドキするというかんじで、「頭で知識をインプットする」のではなく、「感情を通して感じた上で、理解にもっていく」という場作りが徹底されていました。

コミュニケーションの「手法やスキル」を学ぶというよりも、その前提になる「あり方」を体得するというのがポイントとなっていました。

全体としてとても楽しくてエンターテイメント的なのですが、学びのための仕掛けがいろいろなところになされていました。「体験」と「講義」と「振り返り」がバランス良くブレンドされていたり、それぞれが15〜20分などの時間で、上手に区切られて設計されています。

メインファシリテーターの藤田将範さんが場を進行させていくのですが、時間とかを気にしている様子はなく、さらにアドリブ的にお話ししているように見えるのに、ぴったりと15分、20分というかんじでプログラムが進行していくのに驚きました。きれいにペースを刻んで進めていくのは、競馬の騎手が体内時計にしたがってペースを刻んでいくようなかんじに見えました。

場の作り方などについてとても勉強になることが多かったのですが、この場作りは「音楽座ミュージカルさんだからこそできる」というかんじで、強みを最大限に活かしている場になっていました。ロールプレイング的なワークなどもあるのですが、本物の役者さんがやるからこそできる、あの雰囲気というのがあるので「ここでしか体験できない価値」を作り出していると感じました。

色々話は聞いていたものの、この場の持つ意味はやっぱり自分が参加してみないとなかなかわからないものだと思いました。

参加してみてわかったことは、音楽座さんにとっては「ミュージカルに加えて、研修もやっている」というよりも、どちらも音楽座さんが大事にされている「表現のコア」を実現するための方法なのかなと思いました。なので、一見別々のことをやっているように見えて、一貫したことをされているのかなと感じました。

もうひとつ感じたのは、「教育の手法や原則」は色々あれど、それをベースにしながらも「その人たちだからこそできる場作り」をするのがやはり大事なのだろうということです。

この場は「音楽座さんだからこそできる場」となっているので、そういう意味ではマネできません。ただ、基本的な設計の原理原則(講義と演習のブレンドや振り返りをいれる)などは取り入れられることが色々あります。

「事例くれくれくん」になるのではなく「学びの原理原則を学び、それを自分たちの強み、そしてターゲットにあわせて上手にカスタマイズしていく姿勢」が求められているのだろうなと思います。アクティブラーニング的な学びの場をつくろうと思うわれわれが、「答え教えて」ではなく、アクティブな学習者である必要があるってことをあらためて感じました。

今度ぜひ音楽座ミュージカルさんと一緒にコラボレーションしたワークショップなどを実施できればと考えています。今回機会をくださった石川聖子さん、藤田将範さん、本当にありがとうございました!

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※研修で流れていたこの音楽がいまも頭から離れません笑