アクティブラーニングの教授スキル論から、組織開発論へ:大学から企業のトランジションに向けて


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先日、立教大学経営学部のビジネスリーダーシッププログラムの授業運営を行う教員・学生約70名で一泊二日の合宿をしてきました。

合宿の意義については、行く前にブログにも書きましたが、以下の3つです。

・育成するべきリーダーシップのゴールイメージの共有
・そのための関わり方の方向性を確認
・授業ノウハウの引き継ぎ

今回の合宿では「ゴールイメージ(受講生の状態)の共有」について、「1つの授業をどうするか」ではなく「授業間のつながり」を意識して、授業改善を考えました。具体的には「授業のゴール」を「関連する次の科目のスタート時の状態」で測ろうとしたという点が挙げられます。

例えば、「1年生向け春学期の授業の成功」を、その授業内の活動やアンケートで評価するのではなく、「1年生向け秋学期の授業でどのようにふるまっているか」で考えるということをしました。

さらに「1年生向け秋学期の授業の成功」を「2年生向け春学期の授業のスタート時の状態」で考えるというかんじで、最終的には「社会に出ているときのどのような状態になっているか」についてまで考えました。

こうしたゴールイメージの共有を教職員と学生が一体となって行うことで、目指すべき方向性がぶれずにすみます。

実際に「授業でどのような関わり方をするか」については、これらのゴールイメージの共有を行った上で、最後のワークとして行いました。最初から「方法」にいかないということはけっこう重要なことではないかと思っています。

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最近こうしたワークショップを企画していて非常によく感じるのは以下の3つの重要性です。

  • 1つの授業を工夫するだけでなく、複数の授業で総合的に学生を育てていくことの重要性
  • アクティブラーニングを行える個人手法を磨くだけでなく、アクティブラーニングの組織論が重要であること
  • 大学の授業の成果をその場で評価するのではなく、その先(社会)を見据えて実施していくこと

学生を本当に育てようとしたら、「ある一つの授業だけ」で実施するのは非常に困難です。カリキュラムとして総合的に人を育てるような体制が必要になります。そうなると、必ず他の授業担当者との連携が必要になってきます。連携するためには「チームとして何を目指すべきか」を相互に理解する必要があります。

そして、内容にももちろんよりますが、学習の評価を「その場だけのもの」とするのではなく、「次の授業のスタート状態」など、ひとつ先を見据えて実施していくことが重要になります。

それの積み重ねが、大学から社会へのトランジションへと結びついていくのではないかと思います。

教える人たちひとりひとりがアクティブラーニングの知識やスキルを身につけることももちろん大切です。というか、それはある種の前提になってくるともいえるかもしれません。ただし、少人数の学生だけでなく、多くの学生に対して、総合的に、そして社会にでてからも使える知識やスキルを身につけさせるためには、どうしても上述した3つのポイントが必要になってくるのではないかと思っています。

このあたりについては、今後研究として進めていきたいところなので、論文や書籍にまとめられるといいなと思っています。

「トランジション」については、以下の書籍でも調査・考察・実践を行いましたのでよろしければご覧くださいませ。

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