昨日は「講義」と「グループワーク」の関係について書きました。講義とグループワークのどっちかにするというのが極端だという話です。

今日書きたいのは、「個人作業」と「グループワーク」の関係についてです。

言いたいポイントはひとつで「グループワーク」は大事だけども、その時間をもっとも有効に使うためには「個人作業」が大切ということです。これも「個人かグループか」という二分法に陥らないことが大事ということですね。

他者となにかのやりとりをすることで、新たな発見をしたり、理解が深まるというのは当然あります。よって、「全部ひとり」に比べれば、グループワークの時間を取り入れることは大切です。

しかし、個人で何かを思考する時間をゼロにしたらなにが起こるでしょうか?きっと話をしているだけで作業は進まないでしょう。個人でしっかり考えて思考を深めているからこそ、人と話す時間が有効に働くという側面は大きいと思います。

こうした視点から、最近では、立教大学の授業でも、授業時間外でグループワークをする際に「グループで集まる前に、しっかり個人作業の時間を取ること」と伝えるようにしています。何も調べずに集まっても、なかなか先に進まないからです。

昨日の議論を踏まえて、いま教育のなかで求められているデザインをシンプルに整理してみると、以下の3つを上手に配分することともいえると思います。

1.講義(知識を伝える)
2,グループワーク(他者とともに語る)
3.個人作業(ひとりで思考を深める)

1か、2か、3か、ではなく、これらの効果的な組み合わせを議論できるといいなと思っています。

思考を深める上での「ひとりの時間の重要性」や「内向性の持つ力」については、TEDのこのプレゼンテーションが参考になります。

「グループワークとかは外向的な人だけにしか向いていないんじゃないの?」とか「内向的な人はどうするの?」という疑問を持っている人にとって、この動画はいろいろな示唆があります。書籍もあわせておすすめです。

 

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スーザン・ケイン
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