この時期は来年度の授業の詳細を詰めていく時期になります。その際に、一番頭を使うのは、授業の「何を変えて、何を変えないか」を判断することです。

授業内容については、毎年、学生たちの意見を聞いたり、学生たち自身にもアイデアを考えてもらいながら、内容を組み立てていっています。そのため、授業の内容や課題について率直に意見を聞く機会をいろいろなところに設けています。

学生からは

・「この課題の意味がわからなかった」
・「この活動は本当に必要だったのか?」
・「○○以外の知識も必要だと思った」
・「こういうことをやってほしい」

などなど、本当に多様な意見がでてきます。それぞれの意見はとても面白く、参考になることが多いです。

まず最初のステップとしては、こういう意見がしっかりでてくること、そして、それがクレームではなく「授業をよくしたい」という思いとリンクしてでてくることはとてもよいと思います。

「言っても無駄だ」と思われてしまうと、そもそもこういうのは成り立ちません。お互い「かわる」「かえる」という気持ちを持っていることが前提となってきますよね。

その上で、次のステップは「何を変えて、何を変えないのか?」を判断することです。例えば「この課題の意味がわからなかった」という意見が多かった場合に、「その課題は無意味だからやめよう」とするのかということですね。

ここはそう簡単ではありません。

「課題の意味がわからない」という場合に、「課題そのものがまずかったのか」「課題の指示がまずかったのか」「課題を出した場所(順番)がまずかったのか」「そう感じているのは全員なのか一部なのか」などなど、いろいろな解釈がありえるのですよね。

学生がそう感じた理由は何か?
そもそもこちらはどういう設計意図でその課題をだしていたのか?

これらを検討しながら、授業における「本当の問題は何か?」ということを深く深く考えていく必要があります。

その過程を経ずに「人気がないから、やめる」とか「盛り上がっていたから、そのままやる」ということになると、かえって変な方向に向かってしまうというわけです。

この時期はこういうプロセスも、来年度のStudent Assistant(SA)たちと一緒にやっています。

来年の授業内容をかえる上での「イシュー(問題)はなにか?」ということをまとめながら検討するかんじです。その際に「本当の問題はどこにあるのだろう?」ということを何度も何度も問いかけていきます。

これは言われてみれば当たり前なのですが、私たちはほっておくと、ついつい「もらった意見をそのままやる」とか「問題を考えずに、方法(アイデア)ばかり考えてしまう」ということをやりがちです。

しかし、結局のところやはり、それらが効果的に働くかは「本当の問題は何で、それに対応した手法なのか」なのですよね。そして、それに加えて、「自分たちがどんなことをやりたいのか」という目的とかミッションが重なることで、よい決定ができるのだろうなと思います。

来年に向けて、着々と授業の進化を感じているので個人的にもどんどん楽しみになってきました。

授業を運営する側の学生たちも日々どんどんとたくましく成長していっているのでそれをみているのも楽しいです。

今年こんなことをやるというのが決まったらまたここで書きたいと思います。