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先日、同僚の高橋俊之先生とともに、1年生を対象にしたキャリアワークショップを実施しました。このワークショップは、授業とは関係のない、課外活動のようなもので、自主的に参加したい人を対象としたものでした。この活動をやったのは今年がはじめてです。

夏休み期間の実施にもかかわらず、約30名の学生が参加してくれました。

このワークショップは、大学の授業でいうと、だいたい3コマ分くらい(2限〜4限)の時間をかけて実施しました。内容は主に以下の2つです。

・自分のインパクト体験の棚卸し(過去から現在)
・ハイ体験の棚卸し(現在)

これらは2年生以上を対象とした授業でやっている内容なのですが、その一部をキャリアワークショップとして切り出して実施しました。

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今回このワークショップを実施した理由は「大学生活のなるべく早い段階で自分の向かうべき方向性を知って欲しいから」でした。「向かうべき方向」というのは、必ずしも「具体的な職業」のことではありません。ぼんやりしていてもいいので、「こういうことに貢献できるといいな」という方向性を知るということをポイントとしました。

実は大学1年生といえど、秋学期になると「ゼミの選択」などを迫られるため、「自分はどういうことをやりたいのかな?」ということを考えざるを得ないという事情もあります。そこでのヒントになればという思いもありました。

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実際やってみた感想としては、とにかく1年生たちは元気でした笑 まだ夏休み期間でもありましたし、「自分のことを語る」という活動があるため、それほどわっと盛り上がるのかなと思っていたのですが、笑顔がたくさん見られた会だったように感じました。

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もちろん、話している内容は真剣です。「自分にインパクトを与えた体験」というのは、必ずしも「ポジティブ」ではありません。はじめて友達に話すような「ネガティブ体験」もあったと思うのですが、それらを率直に話しているのが印象的でした。

ワークショップの感想としては、一見「ネガティブ」にみえる体験でもとらえ方によっては、自分の強みになり、それが「他者への貢献」にもつながるかもしれないという話などが見られました。

自分の経験を整理し、その経験について新たな意味づけができたのかなと思っています。

最近高校でもキャリア教育はなされていると思いますが、自分自身のことを考える機会を早い段階で持つのは重要なことだろうなと思います。

もちろんやり方は気をつける必要はあると思うのですが、自分から自分の生活に意味づけができたり、目標や目的をつくれるようになっていくと、「どんなことでも自分から楽しめる」ということができるのかなと思いました。

またこういう試みを色々なところで試せるといいなと思っています。

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【参考図書】

大学生向けのキャリアワークショップについては、以前こちらの書籍に事例を載せました。

ワークショップと学び2 場づくりとしてのまなび
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こちらの書籍の調査などでも「キャリアに対する見通し」はその後の生活にポジティブな影響がでることがわかっています。

活躍する組織人の探究: 大学から企業へのトランジション
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キャリア教育全般についてはこちらの書籍が参考になるかもしれません。

キャリア教育論:仕事・学び・コミュニティ
荒木 淳子 伊達 洋駆 松下 慶太
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