空きコマ90分で授業課題を効率よく進めるためには?

最近大学では「授業課題」がでる授業が増えてきていると思います。

課題の取り組み方は学生によってさまざまだと思いますが「なんかいつもギリギリになってしまう」、「がんばっているわりにうまくいかない」という人もいると思います。

そんな人は一度「空きコマ90分」を友達とともに、以下のように使ってみるのはいかがでしょうか。

「空きコマやることねー」なんていうときにだまされたと思ってやってみることをおすすめします笑

【90分で課題に取り組む!】

1.授業内容の簡単な復習と課題内容の確認(5分)
2.友達と軽く相談(10分)
3.個人で課題をやる(45分)
4.友達にコメントをもらう・してあげる(10分)
5.最後の仕上げを個人でやる(20分)

それぞれの詳細について補足します。

1.授業内容の簡単な復習と課題内容の確認(5分)

授業課題において、意外に「課題のゴール」を確認しないでやってしまう人は多いです。「ゴール」を確認しないと、的外れになってしまうことが多々あります。

課題の意図はなんでしょう?文字数や用紙などの制限はありますか?

まずは「課題のゴール」をしっかり確認して、授業のスライドをざっと読み直しましょう。この下準備が意外に重要です。

2.友達と軽く相談(10分)

次に課題や書く内容について友達と軽く相談しましょう。「こんなこと書こうと思うけどどう思う?」「課題で求められているのってこういうことだよね?」こういうことを相談しておくだけでずいぶん課題に手がつけやすくなると思います。

3.個人で課題をやる(45分)

ここからはひとりでやりましょう。あえて相談はせず、集中します。45分のアラームなどをかけて、みんなで競争するかんじがいいでしょう。ぐっと集中です。

ここでは完璧なものをつくろうとせず、あえて一気に形をつくってみるといいと思います。誤字脱字などはこの時点では残っていてもいいです。いきなり書くのに抵抗がある人は「設計図」などを書く時間にしてもよいと思います。とにかくまずは個人作業です。

4.友達にコメントをもらう・してあげる(10分)

一度ここで友達と一緒にお互いの課題をみてみましょう。お互い軽くコメントをしてあげます。「ここいいね!」「ここ、こう書いた方がわかりやすいんじゃない?」など、次に書き直すときの指針になるようなことをコメントしてあげます。

5.最後の仕上げを個人でやる(20分)

もらったコメントをもとに最後の仕上げを行います。ここも20分間は相談せずに、アラームを設定して、一気に書き直します。書き終えたらそのままにせず、自分で読み直してみましょう。

本当は「紙に印刷して、声にだして読んでみる」というのが一番のおすすめです。

このサイクルを回すためには90分はかなりギリギリの時間かもしれません。あえてタイトな時間でやるのに慣れるのもいいかなと思います。短い時間で質の高いものを出す練習です。

このサイクルを回していきなり課題提出!というわけにはいかないと思うのですが、一度これを回しておけば今後とても楽になると思います。

これを活用した方法としては、最初から「課題をやる時間」としてスケジュールにいれておくのも手です。「この空きコマ90分で、この授業の課題はおわらせる」というかんじで、予定にいれておくと、遊ぶ時間とのメリハリもできますし、短い時間で質の高いものができるようになっていくと思います。

課題に対して手を抜かず、それでいて、効率よくやるというのはとても重要だと思います。そのための参考になればと思います。なにか自分がやっているよい方法などあれば教えてくださいね。

【関連情報】

【大学生・院生向け】文章の読み方・書き方・考え方・発表の仕方まとめ
http://matome.naver.jp/odai/2133342163910863801

レポート・論文の書き方入門
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大学1年生向けの論理思考を学ぶ授業(秋学期)がスタートしました

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先週いよいよ秋学期の授業がスタートしました。秋学期の担当授業は複数ありますが、特にメインで担当しているのは、論理思考を学ぶ授業(通称、BL1)です。約30名が受講する必修授業で、同じ内容を12クラスで実施します。教材は同僚の高橋俊之さんが作成しています。

この授業では「書くこと」を中心にしながら、論理思考について学びます。特に目標としているのは以下の3つです。

  1. 目的を押さえること
  2. 物事の仕組み(メカニズム)を押さえること
  3. 「要は」・「例えば」・「なぜなら」という伝え方を押さえること

学生はこの3つを課題を通じて学び、その成果として1月に「高校生に論理思考を教える」というイベントを実施します。高校生にとっては大学の授業を知ることができますし、受講生にとっては学びを深めるよいチャンスです。「人に教える」というのは、学びを深める効果的な手段のひとつです。

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この授業は春学期の授業とは異なり、Student Assistant(SA)が2名つきます。その理由は、全ての課題に添削をするからです。教員も一緒にやるのですが、特に授業の前半は大忙しです。

土曜日に提出された課題を、火曜日までに一人一人コメントします。時間もかかる作業ではありますが、一人一人のレベルアップに向き合える授業でもあります。

私はこの授業を担当するのは2年目になります。昨年もとても充実したクラスになったのですが、今年はさらにそれを超えるようなクラスにしていきたいと思っています。

具体的に達成したいのは以下の3つです。

  • クラスの学生が全員SAのような役割を担うこと(受講生がクラスをどんどん作っていく)
  • クラス全員が論理的な文章を書けるようになること(そのために個人課題でもお互いが協力しあうこと)
  • 授業の学びを、授業外の場面で活かせるようになること(授業内に学びを閉じない)

いまのところこうした目標の達成にむかってよいスタートをきれたと思っています。クラスの雰囲気はやわらかいかんじで居心地がよく、SA2人も非常に一生懸命動いてくれています。

今年は授業内容に関するツイートをなるべくするようにして、それをtogetterでまとめようと思っています。そちらについてもまたこちらのブログでアナウンスしていきたいと思います。

明日は2回目の授業です。授業が楽しみです。

【関連するブログ記事】

【関連する書籍】

教材作成をしている高橋俊之さんの書籍です。

やりたいことを実現する実践論理思考
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自分の人生にインパクトを与えた体験とは!?:大学1年生向けのキャリアワークショップを実施しました

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先日、同僚の高橋俊之先生とともに、1年生を対象にしたキャリアワークショップを実施しました。このワークショップは、授業とは関係のない、課外活動のようなもので、自主的に参加したい人を対象としたものでした。この活動をやったのは今年がはじめてです。

夏休み期間の実施にもかかわらず、約30名の学生が参加してくれました。

このワークショップは、大学の授業でいうと、だいたい3コマ分くらい(2限〜4限)の時間をかけて実施しました。内容は主に以下の2つです。

・自分のインパクト体験の棚卸し(過去から現在)
・ハイ体験の棚卸し(現在)

これらは2年生以上を対象とした授業でやっている内容なのですが、その一部をキャリアワークショップとして切り出して実施しました。

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今回このワークショップを実施した理由は「大学生活のなるべく早い段階で自分の向かうべき方向性を知って欲しいから」でした。「向かうべき方向」というのは、必ずしも「具体的な職業」のことではありません。ぼんやりしていてもいいので、「こういうことに貢献できるといいな」という方向性を知るということをポイントとしました。

実は大学1年生といえど、秋学期になると「ゼミの選択」などを迫られるため、「自分はどういうことをやりたいのかな?」ということを考えざるを得ないという事情もあります。そこでのヒントになればという思いもありました。

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実際やってみた感想としては、とにかく1年生たちは元気でした笑 まだ夏休み期間でもありましたし、「自分のことを語る」という活動があるため、それほどわっと盛り上がるのかなと思っていたのですが、笑顔がたくさん見られた会だったように感じました。

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もちろん、話している内容は真剣です。「自分にインパクトを与えた体験」というのは、必ずしも「ポジティブ」ではありません。はじめて友達に話すような「ネガティブ体験」もあったと思うのですが、それらを率直に話しているのが印象的でした。

ワークショップの感想としては、一見「ネガティブ」にみえる体験でもとらえ方によっては、自分の強みになり、それが「他者への貢献」にもつながるかもしれないという話などが見られました。

自分の経験を整理し、その経験について新たな意味づけができたのかなと思っています。

最近高校でもキャリア教育はなされていると思いますが、自分自身のことを考える機会を早い段階で持つのは重要なことだろうなと思います。

もちろんやり方は気をつける必要はあると思うのですが、自分から自分の生活に意味づけができたり、目標や目的をつくれるようになっていくと、「どんなことでも自分から楽しめる」ということができるのかなと思いました。

またこういう試みを色々なところで試せるといいなと思っています。

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【参考図書】

大学生向けのキャリアワークショップについては、以前こちらの書籍に事例を載せました。

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こちらの書籍の調査などでも「キャリアに対する見通し」はその後の生活にポジティブな影響がでることがわかっています。

活躍する組織人の探究: 大学から企業へのトランジション
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キャリア教育全般についてはこちらの書籍が参考になるかもしれません。

キャリア教育論:仕事・学び・コミュニティ
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教育の変革を導く研究とは?学習科学ハンドブック・セカンドエディションから考える

先日の日本教育工学会にて以下のセッションを行ってきました。

教育の変革を導く研究とは?学習科学ハンドブック・セカンドエディションから考える
コーディネーター: 益川 弘如(静岡大学), 舟生 日出男(創価大学),舘野 泰一(立教大学), 鈴木 栄幸(茨城大学)

このセッションでは、昨年末に出版された he Cambridge Handbook of the Learning Sciencesのセカンドエディションをもとに議論をおこなうものでした。全体で約40名くらいの参加者がいました。

具体的には、いま翻訳を進めている著者の方々4人に話題提供をしていただき、それらをもとに今後の研究について議論するというかんじでした。今回取り扱ったのは以下の4章です。

  • 8章 デザイン研究:変化を設計するための方法論的ツールキット(大浦弘樹先生)
  • 12章 教育における評価のデザインと利用:学習科学の視点から(益川弘如先生)
  • 20章 知識構築と知識創造:理論、方法論、そしてテクノロジ(大島律子先生)
  • 24章 コンピュータに支援された協調学習(加藤浩先生)

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参加者の方々には、最初にこの4つのどれかの話を聞いていただき、後半はそれぞれを聞いた人たちが集まって議論を行うという形式でした。ジグソーメソッドを活用した形式ですね。

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私は全体の様子を見ながら、それぞれのセッションについてちょこちょこと聞きながら気になったポイントをメモしていました。

気になったポイントをざっと箇条書きであげるとこんなかんじです。ほとんどメモのようなものです。

  • 8章について:授業の事例をどのように共有するのか?
    • うまくいった実践の「方法」と「結果」だけでは真似することができない
    • 真似するためには、「どのように」と「なぜ」が必要で、その状況をより具体的に記述することが必要
    • 言ってみれば、その方法がうまくいく「限定条件をより明確に明記せよ」ということか
    • 大学教育の実践もどのように共有するのがいいのかは最近個人的にもよく考えている
  • 12章について:学びの軌跡を仮定して評価するためには?
    • 学習者がどのように理解していくのかの、理解のプロセスモデルを仮に設定してみるのは面白そう
    • 最終的な到達目標だけではなく、プロセスを仮定することで、学習者に対して示唆を与えるというのは大学でも真似できそう
  • 20章について:知識をつくることによる学びとは?
    • 知識構築とはある意味でいえば「つくることによる学び」であり、アイデアの社会的評価とはまた別と考えてよさそう?
    • 必ずしも新しい発見事実をつくらなくても、解釈や説明も行えることもその範囲となるのかな
    • 知識構築の活動は、大学におけるPBLとは相性がよいのでもう少し自分なりに深く関係性を考えたい
  • 24章について:コンピュータと一対一の関係ではなく、コンピュータが協調関係をサポートする
    • 報告の中で直接的に話されたわけではないが、思った以上にロボットの議論になったのが面白かった
      ロボットとの一対一との対話もあるが、ロボットによるファシリテーションという形式もある
    • ただし「人工知能」としてロボットが学びのサポートを自律して行えるまではまだ時間がかかる?

学習科学ハンドブックが最初にでたときにはぼくは修士1年生くらいだったと思います。時間が経っても、かわらず興味がある点、そうではない点というのが少しはっきりするきっかけにもなったのかなと思います。

こちらの翻訳版は来年度出版予定とのことですので、興味がある方は楽しみにしていてください。こちらのブログでもアナウンスしたいと思います。

その他、今年の学会での活動は以下の記事にまとめています。

第31回日本教育工学会での発表・ワークショップのまとめ

The Cambridge Handbook of the Learning Sciences (Cambridge Handbooks in Psychology)
Cambridge University Press (2014-11-17)
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学習科学ハンドブック

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第31回日本教育工学会での発表・ワークショップのまとめ

第31回日本教育工学会の1日目に行った発表・ワークショップをまとめておきます。1日目は2件です。3日目にSIGのワークショップを実施しました。

1.舘野泰一,中原淳,木村充,保田江美,吉村春美,田中聡,浜屋祐子,高崎美佐,溝上慎一(2015)大学での学びが組織参入後のプロアクティブ行動に与える影響.日本教育工学会第31回全国大会講演論文集,pp.135-136.

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「大学時代にどのような経験をした人が、入社後に主体的な行動を行うことができるのか?」について探究した研究になります。

2.荒木淳子,高橋薫,舘野泰一,松下慶太,伊達洋駆(2015)「キャリア教育」の今を知る!ある日突然「キャリア教育」を担当することになった教員のためのワークショップ.日本教育工学会第31回大会ワークショップ.電気通信大学,2015年9月21日

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立教大学BLPの事例について共有しました。

立教大学経営学部BUSINESS LEADERSHIP PROGRAM(BLP)に関する情報まとめ
http://www.tate-lab.net/mt/2015/09/2015blp.html

3日目はこちらを実施しました。

SIG-06: 協調学習・学習科学

教育の変革を導く研究とは?
学習科学ハンドブック・セカンドエディションから考える https://www.jset.gr.jp/taikai31/program/program_sg.php

当日の詳細はこちらにまとめました。

教育の変革を導く研究とは?学習科学ハンドブック・セカンドエディションから考える

http://www.tate-lab.net/mt/2015/09/1481.html

【関連書籍】

活躍する組織人の探究: 大学から企業へのトランジション
東京大学出版会
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立教大学経営学部Business Leadership Program(BLP)に関する情報まとめ

情報がたまってきたので、まとめておきたいと思います。

  • 授業関連動画
  • 授業に関する情報について
  • 授業見学を希望される方について
  • 関連する書籍

【授業関連動画】

授業に関する動画は3つありますので参考になれば幸いです。

BLP全体に関する紹介動画です。

2015年度BL0のポスター発表の様子に関する動画です。

授業をつくる「教員・SAミーティング」に関する動画です。SAの役割についてもわかりやすく説明しています。

【授業に関する情報について】

以下2つ紹介しておきます。

BLPの活動レポートです。
http://cob.rikkyo.ac.jp/blp/activity_report.html

BLPに関するfacebookページです。
https://www.facebook.com/rikkyo.cob.blp

舘野が特に担当している仕事については以下にまとめてあります。
http://www.tate-lab.net/mt/2015/02/1436.html

【授業見学を希望される方へ】

BLPの授業は常に公開しています。見学をご希望の方はこちらのフォームからご記入ください。
https://goo.gl/XRm9Ju

 

【関連する書籍】

日向野先生が執筆したものに以下の2冊があります。

大学教育アントレプレナーシップ―新時代のリーダーシップの涵養
日向野幹也
ナカニシヤ出版
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ディープ・アクティブラーニング
溝上 慎一 エリザベス・F・バークレー フェレンス・マルトン 安永 悟 エリック・マズール 田口 真奈・松下 佳代 関田 一彦・三津村 正和 小野 和宏 日向野 幹也 松下 佳代
勁草書房
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BLPについて言及していただいている書籍として、以下の2冊があります。

キャリア教育論:仕事・学び・コミュニティ
荒木 淳子 伊達 洋駆 松下 慶太
慶應義塾大学出版会
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大学生が「一日」を「いっぴ」と呼び始めるタイミングとは?

先日大学生と就活に関する話をしていたときに「いっぴ」という呼び方に関する話題になりました。

就活などをはじめる前は「一日」は「ついたち」としか言いません。

ただ、これがインターンをしたり、就活を進めていったりすると、「いっぴ」という言葉を自然に使い出すとのことでした。

これは面白いですよね。もちろん、これはぼくがたまたま学生から聞いた話なので、一般性などを保証するものではありませんが、興味深い話だなと思いました。

こうした「言葉の使い方の変化」というのは、自分のいるコミュニティに影響されたり、それに対するものの見方の変化を表したりするので面白いですよね。例えば、自分の組織を「うちの○○は」と言うようになるタイミングなども、とても興味深いです。

言葉遣いですべてがわかるわけではありませんが、最近突然よく使うようになった(聞くようになった)言葉を意識してみると、意外な発見があるかもしれませんね。

【関連する書籍】

オトナ語の謎。 (新潮文庫)
糸井 重里 ほぼ日刊イトイ新聞
新潮社
売り上げランキング: 17,418

「時間がない・やる気がない」ではなくて「決まった時間に書きなさい」ということ

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以前英語版の「How to Write a Lot」についてブログ記事を書いたのですが、日本語訳版が手元に届いたので読んでみました。

日本語版のタイトルが「できる研究者の論文生産術」となっていて、ちょっと違う雰囲気なんですけどね笑

以前ブログに書いたときには「書かない4つの言い訳」の部分だけ記事にしました。それは以下の4つです。

1.まとまった時間がないと書けないと思い込んでいないか?
2.もっと分析したり、文献を読んでからでないと書けないと思い込んでいないか?
3.書くためにもっとよい環境(新しいパソコンやイスなど)がないとだめだと思い込んでいないか?
4.書こうとする気持ちがのったときに書けばよいと思い込んでいないか?

書籍内の文章ではこの4つについて一つずつ論破していくわけなんですが、日本語版の訳をみていたら、2章の最後に痛快な結論がまとめられておりました。

 本章では、これまで書かないことの言い訳にされてきたことがらのいくつかを批判的かつ冷静に検討した。こうした心地よい言い訳の毛布にくるまったままでは、文字の入力もままならない。

(中略)

文章をたくさん書くための唯一の方法が、書く気の有無にかかわらず決まった時間に書くことである以上、「スケジュールを立てる」という原則を受け入れない限り、本書は何の救いにもならない。(p.31)

ひええ、本当にその通りですね。

要は「時間がある、ない」とか「やる気がある、ない」とかじゃなくて、「最初からスケジュールに書く時間を割り振っとけ」ってことなんです。話はそこからだ、と笑

耳が痛いですねえ。この本はこういうかんじでズバズバ我々の言い訳を論破してくれるので、逆に気持ちよくなります笑

本書はここまでが2章なので、その後は具体的なスケジュールの立て方やモチベーションの維持の仕方について書かれています。

自分の文章執筆のデータをSPSSに入力して分析していたりして、なかなか面白いです。

「書かなくちゃいけないけど、なんか気持ちがのらないんだよなー」という方はぜひ一度読んでみるとよいかと思います。言い訳が論破されてしまいます笑

【以前書いた記事】

「まとまった時間がないと書けない」と思い込んでいないか?
http://www.tate-lab.net/mt/2015/08/1462.html

【紹介した書籍】

できる研究者の論文生産術 どうすれば「たくさん」書けるのか (KS科学一般書)
ポール.J・シルヴィア
講談社
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夏の間に実施した研究・実践のまとめ

そろそろ秋学期がはじまるので、7月の授業終了後からいままでやったことを簡単に整理しておこうと思います。

【アクティブ・トランジション プロジェクト】

この夏は「大学から企業へのトランジション」をテーマにした「アクティブ・トランジション(仮)」という研究プロジェクトをぐっと前に進めました。

このプロジェクトは東京大学の中原淳先生、中原研究室の院生、三省堂の石戸谷さん・安藤さん、ライターの井上さん、デザイナーの三宅さん・岩田さん、立教の学部生である大井君らと進めています。

プロジェクトの進行は、私が中心となって進めさせていただいています。

夏の間に、大学生向けの新作ワークショップ3本の開発・実施を行い、関連する論文の執筆を行いました。(関連するワークショップ

成果は書籍化したしますので、詳細決まり次第またこちらでご連絡させていただきます。

【原稿執筆・研究発表】

アクティブ・トランジションに関する執筆以外には、以下のものを進めました。

  • 日本教育工学会ショートレター執筆・査読対応(採録が決定いたしました):タイトル「産学連携型PBL授業における質問を活用した振り返り手法の検討」
  • 日本労務学会第45回全国大会での研究発表(リーダーシップ開発に関するもの)
  • 某原稿執筆(PBLに関するもの)
  • 「人材開発研究大全」執筆中(3章分):詳細は中原先生のブログ参照

研究系ではこれまでやっていたライティングに関する研究もネタを仕込み中です。

【来週の日本教育工学会第31回全国大会】

来週の学会での出番は3つです。よろしければぜひお越しくださいませ。

  • 1日目ポスター発表:「大学での学びが組織参入後のプロアクティブ行動に与える影響」
  • 1日目ワークショップ:WS06:「キャリア教育」の今を知る!ある日突然「キャリア教育」を担当することになった教員のためのワークショップ
  • 3日目SIG:SG-C303-01:教育の変革を導く研究とは?学習科学ハンドブック・セカンドエディションから考える

【立教大学経営学部BLP関連】

教職員・学生を対象にしたワークショップや合宿については、すでにブログ記事としてまとめてあります。

ちなみに、今週末には授業とは別に、学内でキャリア・ワークショップの実践を高橋俊之先生と実施予定です。これははじめての試みです。

BLPに関連した外部向けの講演なども以下の通りです。

ということで、夏にやった仕事の主なものをまとめてみました。これで全部というわけではありませんが、いろんなことやっていたんだなあと、他人事のように感じました笑

いろんな機会をくださる方々に感謝したいと思います。

まだまだ進行中のプロジェクトや今月末締め切りのものが多いので、これから9月末までもうひとがんばりしたいと思います。

きっとこういうときに使いたくなるんだなと思ったので、以下の言葉でしめたいと思います。

そして人生は続く

 

【関連する書籍】

トランジションに関する以前の書籍はこちらです。

 

活躍する組織人の探究: 大学から企業へのトランジション
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アクティブ・トランジションプロジェクトは、「プレイフル・ラーニング」でお仕事させていただいたチームの方々ほとんどです。よろしければこちらもどうぞ。

 

プレイフル・ラーニング

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上田 信行 中原 淳
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アクション・ラーニング系であればこちら。

 

実践 アクションラーニング入門―問題解決と組織学習がリーダーを育てる
マイケル・J・マーコード
ダイヤモンド社
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授業で学んだことをどれだけ日常生活の中で活かせるか?

そろそろ授業が始まった大学もでてきたでしょうか。立教大学もあと一週間でいよいよ授業がスタートします。

秋学期の授業でこれまで以上に意識したいと思っていることが、タイトルに書いた「授業で学んだことをどれだけ日常生活で活かせるか?」です。特に「論理思考を学ぶ授業」においてはこれを意識していきたいです。

授業の内容や課題を「授業の課題として」やってしまうと、やはりどうしても得られる学びが浅くなってしまいます。「これを日常に活用するとしたらどうなるか」ということを意識しながら、どんどん学んだことを試しにつかってほしいなと思っています。

例えば、「ポイントを押さえた伝え方(文章の書き方)」を学んだら、サークル・部活のチラシでさっそく意識して書いてみるのもいいでしょう。Facebookやtwitterの投稿でもなんとなく意識して書いてみるだけで、全然違った感覚を得られると思います。

論理思考は「道具」のようなものなので、どんどん使いながら慣れてほしいと思います。

「授業で学んだことを日常生活で活かす」というのは「試しに使う」ということもそうなのですが、「そういう視点で周りをみてみる」だけでも大きな意義があると思います。

大学の授業のおもしろさの一つは、多くの「概念」を学べることでしょう。「ものの見方・とらえ方」といってもいいかもしれません。

そうした概念を学ぶと、日常生活の見え方がまた違ったものに見えてきます。「いままでこう思っていたけど、別の見方をすると、こうも考えられるか」という感覚は、本当に楽しい瞬間です。できるだけそうした瞬間を多く体験してほしいと思っています。

こうした体験をするためには、やはり「授業を授業だけ」に閉じず、「これとこれはもしかして関係しているかも?」というように、「授業と日常を結びつけてみよう」と思う発想が重要になります。「関係づけること」を習慣にしてみることをおすすめしたいなと思います。

ということで、徐々にではありますが、授業モードにはいっていきます。

研究主体の日々もあと少しなので、できるだけいまのうちに進めておけるようがんばりたいと思います笑

【関連図書】

 

やりたいことを実現する実践論理思考
高橋 俊之
東洋経済新報社
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