「目標がその日その日を支配する」

すごく印象に残る言葉ですよね。昨日たまたま熱闘甲子園をみていたら、横浜高校野球部監督の渡辺元智さんがこの言葉について話をしていました。あとで調べたところ、元々は横浜高校の創立者である黒土四郎さんの言葉のようです(上地さんのインタビューから)。この言葉を聞いた瞬間にぴんときたのでメモをしておきました。

なぜこの言葉に反応したかというと、いま大学で「よい目標をどうやって立てるのか?」ということについて教えているからなんですね。特に後期の論理思考の授業ではこの点について繰り返しやっていきます。立教大学経営学部で教えているリーダーシップには3つの要素があり、その一つの要素が「よい目標を立てて、周りと共有すること」であるためです。

しかしこれがなかなか難しいです。「よい目標の立て方」を技術的に教えるということの前に、そもそも「なぜ目標を立てる必要があるのか?」「目標を立てるとどんなよいことがあるのか?」という感覚をつかんでもらうことが難しいんですね。

その意味で、「目標がその日その日を支配する」という言葉はすごくパワフルな言葉だと思いました。「その日を支配する」という言葉はすごく力強さを感じますね。

この言葉は黒土四郎さんの人生教訓の一部なので、正しくは以下になるそうです(こちらも上地さんインタビューから)。こちらの方がよりイメージが具体的になるでしょうかね。

富士山に登る、第一歩。
三笠山に登る、第一歩。
同じ一歩でも覚悟が違う。
どこまで登るつもりなのか、目標がその日その日を支配する。

「目標を立てる」という行為自体は、実は小学校くらいの頃からだれもが経験していることのような気がします。しかし、わりと「なんとなく」立て、結局目標を見返すこともなければ、具体的な目標に修正し直すこともなかったのではないでしょうか。

少なくともぼくはそうでした。他人から求められている「正解のようなもの」を目標に書いておけば文句は言われないだろうくらいなかんじだったような気がします。いやな子どもですね笑 でも本当は、目標は「他人を納得させるためのもの」ではなく、「自分宛のメッセージ」ではないと意味がないのですよね。

自分がそれに気づいたのはいつだったのかは忘れましたが、そんな感覚をどうやったらつかんでもらえるかなあということを最近漠然と考えています。

それと同時に、自分の目標は最近ちゃんとたてられているかということも考えます。忙しいことをいいわけについつい忘れてしまうことも多いですよね。

みなさんも最近目標立てていますか?

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