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京都大学で開催された「大学生研究フォーラム2015」の一環で「リーダーシップ開発学」に関するワークショップを実施しました。今回は浜屋祐子さん(東京大学大学院中原研究室)と一緒に企画・運営を行いました。

昨年立教大学経営学部に移り、BLP(Business Leadership Program)のプログラムデザインをするようになったことを一つのきっかけとして、リーダーシップ開発に関する「理論と実践」をわかりやすく、「体感しながら学べるもの」を設計しようと数ヶ月かけて準備をしていきました。

ワークショップの概要は以下のようなかたちです。時間は3時間半で、約25名の参加者を対象に実施しました。

【理論編】
・経営学におけるリーダーシップ研究の位置づけ
・リーダーシップ研究とリーダーシップ開発研究の関係
・リーダーシップ開発研究の概要

【大学における理論+実践編】
・大学におけるリーダーシップ開発の理論と実践
・リーダーシップ開発のプログラムを体感
・具体的な授業デザインのコツ

【理論と実践編】
・リーダーシップ開発の理論と実践の関係の整理
・質疑応答

「理論」「実践」「超具体的な実践に関するtips」「理論と実践の関係」という全ての要素を3時間半におさめるのはなかなか大変でしたが、なんとか全て入れ込むことはできたのかなと思いました。

今回参加いただいた方々は私もはじめて会う方が多かったのですが、非常に活発で場がよいかたちで盛り上がっていました。

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後半は特に指示をしていないのに、気づいたら全員が立っていました。時には拍手や笑い声が聞こえてきながら、真剣にワークをされている姿が印象的でした。個人的に「大人の本気を見た」という感想でした(笑)

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気づいたら全員立っています(笑)

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時間内にプランができるよう全員が協力します。

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できあがったポスターの前で一枚。「チーム立ち呑み」のメンバーのみなさんは、立ち飲み風写真で記念撮影。もちろん、コップの中はお酒ではありません笑

ワークショップ後も積極的に交流してくださったり、感想をアップしてくださる方がいて私自身にとってもよい刺激をもらいました。

やってみて自分があらためて感じた感想は以下の2点です。

1点目は、リーダーシップ開発の授業を行うために、必ずしも新たなPBL(Project Based Learning)などを立ち上げる必要はないという点です。

これは「座学でリーダーシップが学べる」というわけではもちろんありません。そうではなく、大学の中ではすでにさまざまなプロジェクトなどが体験できるようになっているので、「プロジェクトの前後」をうまくデザインするだけでも、リーダーシップ開発の機会にすることができるということです。

より具体的にいえば、「プロジェクトに入る前に目標を立てさせる」「プロジェクト後に、リーダーシップに関する相互フィードバックや振り返りをする」という活動を取り入れるだけで、既存のプロジェクトを「リーダーシップ開発」の機会にすることができると思います。

2点目は、「リーダーシップ」という言葉に対する認識をそろえることの重要性です。「権限がなくても発揮できるリーダーシップ」という発想は、全員が発揮すべきものであるというものなのですが、このあたりの概念の理解がなかなか難しいということをあらためて思いました。

思い起こせば、ぼくも最初は「それってリーダーシップって呼ばなくていいような気もするな」と思ったことがありました。最初は特に「リーダー」と「リーダーシップ」ということの混同をしてしがいがちだとも思います。

ただ、すでに欧米では「リーダーシップ」という言葉がそのような意味で使われているということを考えると、グローバルな視点をもつならば我々も「リーダーシップ」と呼べばいいのだろうと思っています。

リーダーシップ開発を進めていくためには、やはりそもそも「リーダーシップという言葉に対するイメージ」をそろえていくことがポイントになるのだろうと思いました。

リーダーシップ開発学は、まだまだこれからの領域だと思うのですが、少しずつ領域の輪を広げていけるとさらに面白くなってくるだろうなということを感じられました。今回の機会をなにかのスタートの機会にしたいなと思っています。

参加いただいたみなさま、今回お声がけいただいた中原淳さん、保田江美さん、京都大学の溝上慎一先生はじめ、運営スタッフのみなさま、本当にありがとうございました。

ちなみに、当日つけてたネクタイは立教のクラスの学生たちが誕生日に贈ってくれたものでした。ありがとうございました^^

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【当日紹介した書籍】

一部になりますが、以下に載せておきたいと思います。