リーダーシップ教育の実践をしているとかならずタイトルにある質問を聞かれます。今回は立教大学経営学部の日向野幹也先生の著書を参考に、なぜリーダーシップ教育を多くのひとたちに向けて行うのかを軽くまとめてみたいと思います。

自分のメモ用&ブログなので言葉足らずのところもありますが、がっつり知りたい方は以下の2冊をご覧ください。

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なぜリーダーシップ教育を多くの人たちに行うかをヒトコトでいうと、そもそもリーダーシップを「役職」「権限」「カリスマ」とは関係なく発揮されるものとして捉えているからです。トップだけでなく、全員が発揮している方が組織として成果がでるという考えを前提にしています(実際にそうした方針を取り入れている企業も増えてきていると書かれています)。

これは普段私たちが一般的に思う「リーダーシップ」という言葉とはイメージがちょっと違うかもしれませんね。そのため、「リーダーがたくさんいるとうまくいかないんじゃないか」と思う人もいるかもしれません。

ただ、チームメンバー全員が「目的を意識をして、一緒に協力できるチーム」のほうがうまくいくよねと言われたら、「それはそうだ」という気持ちになるのではないでしょうか。そういう状況とリーダーシップという言葉がうまく結びつかないという意味での違和感を感じるのかもしれませんね。

さきほど示した「権限がなくても発揮できるリーダーシップ(leadership without authority)」は、リーダーシップ論でいうと以下の2つなどが相性がよいと書かれています。

・「自然発生的リーダーシップ(emergent leadership)
・「共有されるリーダーシップ(shared leadership)」

一方、以下に示すようなものとは少し違ってきます。

・「権限者から任命されて発生するリーダーシップ(appointed leadership)」
・「選挙によって選ばれて発生するリーダーシップ(elected leadership)」

「権限がなくても発揮できるリーダーシップ」についてなんとなくわかったけど具体的にはどういうことを指すのかわからないかもしれません。そこで、日向野先生は「リーダーシップの最小3要素」というものを設定しています。

・目標設定(set the goal)
・率先垂範(set the example)
・他者支援(enable others to act)

もちろん、リーダーシップで大事なのはこれだけではありません。ミニマムとして設定しているということです。これらの3つを実践できることをひとつの目標として実践をしています。

ということで、非常にさっくりではありますがポイントだけまとめました。これだけだとおそらく「なんで?」とか「具体的な行動はどういうもの?」という疑問が湧くと思います。書籍には明確に書かれておりますのでそちらを参照していただけると幸いです。

私自身も最初に「リーダーシップ」に関する話を聞いたときには、自分が思っている言葉のイメージとの違いに少し戸惑いました。目指しているものは理解できたものの、ややこしいから「リーダーシップ」とは別の言葉を使った方が早いんじゃないかと思うこともありました。ただ、実践として関わっていくと、すっとはいってくるようになりました。

実は、リーダーシップの話は、自分個人としても、単純に知りたい分野なんですよね。というのもわりと小さい頃から、グループのまとめ役や運動部のキャプテンなどをやる経験があったので、どうやったらうまくいくんだろうかとずっと考えていたことでもあります。自分自身のリーダーシップを高めたいという気持ちも強いので学んでいて楽しいです。

私自身もリーダーシップ教育についてはまだまだかかわったばかりなので、理論・実践共に必死に勉強中です。勉強の成果については書ける範囲でブログにも共有していきたいと思います。

 

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