ワークショップ・デザインにおいて「広報」は「付け足し」か?


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 昨日はワークショップにおける「参加前の活動デザイン」について書きました。今回はこれに関連してワークショップにおける「広報」の存在について考えてみたいと思います。
 最初に僕自身の考えを述べると、僕はワークショップにおける「広報」は、けして「付け足し」ではないと思っているんですよね。
「イベントの中身は私が考えておきます。」
「なので、集客よろしくねー!」
 っていうものももちろんあると思うんですよ。そういう場合ってどちらかというと、ワークショップというよりも研修に近い場合かなと思います。「参加者は決まっている」もしくは「参加せねばならない人がいる」というケースだと思います。そういうケースも世の中たくさんありますよね。そういう中で活動をどのようにデザインするかというのも非常に大事だと思います。

 僕が今回対象にしているのは「特に参加の義務のないもの」です。別にだれが参加してもいい代わりに、だれも振り向かなければ、参加者がゼロになりうるワークショップです。こういうワークショップも当然ありますよね。むしろ僕が「ワークショップ」という言葉を使うときには、こういう「自由参加のもの」を指す場合が多いです。僕の中では、参加が義務づけられているワークショップは「ワークショップ型研修」かなと思っていたりします。(これは勝手に僕がそう思っているだけであって、そういうコンセンサスや定義があるというわけではありません。)
 参加義務がないものについては、「広報」、まあ要は「集客」が成立しないと、ワークショップ自体が成立しないですよね。「集客がないと成立しない」ということからも、僕自身は「ワークショップのデザインプロセス」の中に、「広報」っていうのもものすごくがっつりかかわっていると思っているんですよね。「参加義務のない人を集めて」っていうところからすでに始まっていると思うんですよ。
 だから、昨日書いた「参加前の活動デザイン」というのはこの点も含んでいるんです。参加前に活動が可視化されていくことは、「こんな活動やっている人がいるんだ」という広報効果も当然あります。
 よく言われることですが「ワークショップ」みたいな体験型のものっていうのは「体験すればいいってわかるんだけどね」的なことが言われる部類のものだと思います。つまり、体験自身に魅力があっても「言葉で伝わりにくい」ということです。よって「当日のアクティビティ」がいかに魅力的でも参加者が集まらないということになるんですよね。参加前の活動デザインは、その部分が少し見えますから、その点でも広報の効果があると思っています。

 僕自身の「ワークショップ」の解釈は、「ある教育方法のひとつ」というよりも、そもそも「自主的に集まってくる」(自主性)とか「第三の場で実施される」(越境性)みたいなものを包含していると思っています。ここは人によって解釈がわかれる点であるとは思いますが。
 そのように考えると、ワークショップにおける「広報」は、「担当者やっておいて」ということではなく、デザインプロセスにおいても非常に重要な要素を持っており、もう少し重視しても良いトピックなのではないかなと思っています。

 もちろん「広報テクニック」みたいなものもあります。例えば安斎勇樹君がイベント集客に関するヒント集を書いてくれています。昔はよく安斎君と一緒にワークショップの企画をしていましたが、そのときもこういう点はけっこう意識していました。
 「参加前のデザイン」という意味では「11.広報前にイベント開催を匂わせる」とも少し関連します。イベントのイメージを持っておいてもらえると、参加しやすいですよね。
 ということで今回はワークショップデザインにおける広報について書いてみました。
■昨日書いた記事
ワークショップ・デザインは「イベント当日」だけではない:参加前の活動デザイン
http://www.tate-lab.net/mt/2012/12/post-266.html
■関連リンク
イベントの集客を成功させる12のヒント yukianzai.com
http://yukianzai.com/blog/2010/03/28/93/
■ワークショップに関連する本
この本で「大学教育とワークショップ」という章を書いています。興味がある方はぜひご覧下さい。

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