大学生からの本の読み方-本を読むのは知識を得るためだけではない

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この記事は今年度の前期に行った、専修大学の「リテラシー演習」という授業をしていて気づいたことをまとめたものとなります。この授業では、レポート・ライティングの書き方など、大学での学び方に関する授業を行いました。

先日「話が広がりやすい自己紹介の書き方」に関する記事を書きました。

「話が広がりやすい自己紹介」を書くための3つのポイント
http://www.tate-lab.net/mt/2011/10/post-209.html



今回は「本の読み方」に関する記事を書いてみたいと思います。

今回主張したいポイントは以下の点です。

  • レポートを書くためにはまず「知識」が必要。だから本や新聞を読むのは大事
  • しかし、本を読むのは「知識を得るためだけ」ではない
  • 自分はどういうことを問いたいのか、筆者はどういう主張をしているのか等を意識することが重要



私が担当したこの授業では、半期をかけて、自分でなにかしらのテーマを決めてレポートを書いてもらうものです。

対象はネットワーク情報学部の学生さんでしたので、セキュリティに関することや、ネットの無料文化に関連するもの、ソーシャル・メディアに関するものなど、大きな括りだけこちらで用意し、その中でなにを取り上げるのかというのは自由という形式でした。

自分で問いを決めるためには、なにはともあれ、その領域に関する知識が必要となります。

例えば、「セキュリティについて書きたいな」と思っていても、知識がなければ、問いは深まっていきません。

そのために「まずは本や新聞を読みなさい」と言うことになります。

例えば、

  • セキュリティを守るためにはどういう観点があるのか
  • セキュリティの問題は過去から現在にかけてどういう変遷をたどってきたのか

などをとりあえず理解することが大事といえるでしょう。

ここまでは「本を読んで知識を得る」という段階です。



「本を読んで知識を得ること」はとても大事です。しかし、それだけではレポートは書けません。

まずは知識が必要なのですが、それをもとに、「自分はどんなことを問いたいのか」や「現在言われていることにどんな問題点があるのか」などを意識して読んでいくことが大事になります。

このあたりが大学生以上になると必要になる、本の読み方になると思います。

具体的に重要なポイントは以下の2つの視点かなと思います。

  • ホットに読む!(面白い!つまらん・・。など)
  • クールに読む!(主張はどこかな。根拠はどこかな)



「ホットに読む!」というのは、意外かもしれませんが、面白い!とかつまらん!とか、感情を意識して読むという方法です。この方法は、戸田山和久先生の「論文の教室」に紹介されています。
(青山学院大学の鈴木宏昭先生や鈴木聡さんたちもこの方法を応用したシステムの開発をしています)



「本を読む」というのは、別に「内容を知る」ことだけが目的ではありません。そのなかで、「自分はどういうことに興味があるのか」「どういうことに納得がいかないのか」など、自分の立場をあぶりだしていくような読み方が必要になります。

ホットな読み方に正解はありません。「私にとって面白い」と思うものが、「あなたにとって面白い」かはわかりません。それでいいのです。自分に正直になることが大事です。

具体的には、本を読んだときに「ここは面白いなあ」とか「ここは納得いかないなあ」ということをメモしておくとよいでしょう。(付箋でもアンダーラインでもかまいません)

あなたの感情が、同じ資料をどのようにまとめるかという「視点」につながります。



「クールに読む!」というのは、書かれている内容を、考えなしにすっと読んでしまうのではなく、著者が何を主張しているのか、その主張はどんな根拠に支えられているのかっていうことを意識する読み方になります。

例えば、「セキュリティの問題を解決するために企業がもっとお金をだすべきだ!」ということを主張している人がいた場合に、この人は何を根拠にそう主張しているのかなということを慎重に、クールに読むというやり方です。

最終的にレポートは、クールに書いていくものです。「論理的に」ということですね。そのためには、自分が「これだ!」と思ったものを、どのように組み立てていけばいいかを考えていくために、他の人がどういう組み立ててで文章を書いているか分析したり、自分が攻めるポイントを見つけることが大事になります。

クールな読み方の場合は、「どこが主張」で「どこが根拠なのか」というのは、ある程度正解がある読み方といえると思います。どういうものが主張で、どういうものが根拠になりうるかということについて見る目を養う必要があるでしょう。

具体的には、本を読んだときに「ここが筆者の主張(言いたいこと)じゃないか」「これをいうために、こういう根拠(データなど)をだしているのか」というのを分析的に読みながら、メモしていくとよいでしょう。

冷静に分析して読むことが、あなたがレポートを書く時の「戦略」につながります。



ここまで書いたことをまとめます。

レポートを書くためには

  • 本や新聞を読んで知識を得ること

はまず大事です。

しかし、それだけは不十分です。

  • ホットな読み方をすることで、自分の立場をあぶり出し、
  • 分析的に読むことで、どのように論を組み立てるべきかの戦略を練る

ということが大事になります。

最初は難しいかもしれないですが、

  • 知識を得るモード
  • ホットに読むモード
  • クールに読むモード

の、どれでいま読んでいるのかを意識してみることが
最初のスタートかもしれません。

レポートを書くことにつなげる読み方ができるようになればと思います。



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